農業向け機械メーカーと話し合ってきて得られた知見
農業向け機械メーカーの人とお話しする機会があったので色々と話してきました。
故障した時のリスクをどうとらえるか
機械メーカーさんと色々と話すと、やはり一番に考えているのは製品の故障リスクの部分が大きいな、という印象でした。
万が一、機械やサービスが故障した、うまく動作しない、というような時のリスクをどうとらえるのか?
正直、この部分に関してはコレ!という答えは無いと自分でも思ってます。
なので、生産者それぞれでリスクをどう考えているか?という事に帰着するものかなと。
ちなみに、機械メーカーの人だとやはりこのリスクは大きく、無視できないものと考える事は多いようです。
例えば暖房機の故障で、1シーズンの生産がダメになった事などを考えると、その影響力は甚大となります。
そういったリスクに対して安全性を考えると、やはり信頼性のあるパーツ、例えば日本製のものを使ったり、設備機械からのフィードバックを受ける窓口を作ったり、という工夫をしています。
故障リスクを重大なものと捉える事が多く、何重にも安全性を高める動きになりますね。
ただ、この論理で進めると「製品の安全性が第一」となります。
安全性を高めて出来上がった製品は、二重三重の安全装置を備えるため、必ず高価格なものとなってしまいます。
車に例えると判りやすいですが、衝突安全装置などが必須になって来た最新の車は、少し前の車に比べてダントツに価格が高くなっていますね。
このような高価格の機械設備を使うには、高価格に見合う規模の圃場、つまり大規模圃場でないと設備投資対効果が見込めない、という話になってきます。
高価格になる→大規模向けに展開→故障時のリスク管理→高価格になる→…
と言ったように、ある意味価格が高くなってしまうスパイラルが発生しているように感じてます。
機械メーカーの方も、それは承知の上で、大規模圃場向けでサービスをラインナップしているように見えました。
とは言え、圃場(農場)って皆が皆、大規模である訳ではありません。
この部分にミスマッチ感があるな、と自分は考えています。
大規模だけど大規模じゃない生産者が多いのでは?
自分たちは、管理すべき農地が点在している場合に、どう省力化して管理できるか?というテーマで取り組んできました。
いわば、栽培面積の規模的には大規模な部類に入るけど、一つ一つの圃場は中小規模、そのような生産者は日本全国に数多くいると思います。
ので、この安全性について何が何でも向上させる、と言う訳では無く、ある意味の割り切り感が大事になってくると思います。
この部分が既存の機械メーカーとの棲み分けになるのではないでしょうか?
どうしても安全性に不安があれば、既存の制御盤を使えばいいし、コスパに優れた便利なサービスを使いたければ、GO SWITCHを導入すれば良い、そんな風に考えています。
自分達のサービスにフィードバックする
自分達の製品は、シンプルなリモートスイッチをクラウドから制御する、というコンセプトで仕上げています。
こうする事で、圃場という現場に置く機械をシンプルにし、すぐに代替可能というパラダイムシフトを起こしていこうと考えています。
圃場にシンプルなリモートスイッチを入れる、つまり自分たちは農業版のSwitchBotサービスを目指している、と言えるでしょう。
とは言え、安全性を軽視しているわけでは無く、限られたコストの中で安全性を確かめるべく、色々と試験を行っていたりします。
今年の夏は凄く暑くて、比較用に利用していたSwitchBotが暑さで故障しました。
庭の水やりのためにSwitchBotで水栓をON/OFFしていましたが、暑さで動作しなくなりました。その中でも、GO SWITCHは暑さに耐えて無事に動作していました。
来年の夏も今年のような異常な暑さであれば、こういった信頼性も重要ですし、ネットワークと接続できないトラブルがあった場合でも動作を継続できるような仕組みづくりにも取り組もうとしています。
と言う訳で、農業設備の自動化の情報をまとめるべくnoteのマガジンを作りました!
私が共同代表を務めているGREEN OFFSHOREでは農業向けのIoTサービスを展開しています。
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