都市のデジタルツインって!?―デジタルツイン3Dビューアの新たな取組―
みなさん、こんにちは。データ利活用担当です。
「都市のデジタルツインって!?」シリーズ第11回の発信です。
今回は、久しぶりに「デジタルツイン3Dビューア」について触れてみたいと思います。(振り返ってみますと、前回触れたのは第6回でした。)
おさらいとなりますが、「デジタルツイン」とは、建物や道路、地形、気象や人の流れなど、現実空間にある様々な情報をデジタル空間上で「双子(ツイン)」のように再現するものです。
私たちが進めるデジタルツイン実現プロジェクトでは、そういった様々なデータを集約し、3D空間で可視化する場所として「デジタルツイン3Dビューア(https://3dview.tokyo-digitaltwin.metro.tokyo.lg.jp/)」を用意しました。(長いので、以下「3Dビューア」と言いますね。)
これまで3Dビューアには様々なデータを掲載してきましたが、その中でも今回は8月末に掲載したばかりのデータについてご紹介します。
〇「3Dハザードマップで知る、あなたの街の洪水浸水想定区域(江戸川区・江戸川)」の追加
今年8月は、都内で1時間に100ミリという猛烈な豪雨が複数回発生し、局地的に一気に水が流れ込んだことで、道路冠水した箇所がいくつもありました。また、先日の台風10号は、日本全国に多くの被害をもたらしました。天災を止めることはできませんが、その被害を少しでも抑える、減ずるためには、予め被害を想定し、それに備えることが大きな違いを生むと考えられます。
次の画像をご覧ください。
こちらは、3Dビューア上に、江戸川区の3D建物データを表示させ、そこに江戸川で最大規模の洪水があった場合の「想定浸水区域」のデータを重ね合わせたものです。建物のどのくらいの高さまで水が来るのか、どこのエリアでどのくらいの浸水深となるのかを色別に表示していますので、被害のイメージを直感的に把握していただくことができるかと思います。
このように3Dビューアでは、データにある位置情報を基にして、多くのデータを重ね合わせることができます。それまで見えていなかった新しい課題や解決策が見つけられるかもしれません。
この記事をご覧になっている皆様がお持ちのデータも、緯度経度情報が付いていれば、3Dビューア上で重ね合わせることができます。
〇「Photorealistic 3D Tiles」の追加
こちらは、新たな試みとして追加したもので、Google社が提供する「Photorealistic 3D Tiles」データで見た東京都庁付近の画像です。
Google EarthやGoogle Maps 3Dモードでお馴染みの3Dマップソースを使用しており、”photo real”の名のとおり、データの見た目は本当に綺麗です。現在Google社が公開しているデータの対象地域は、日本を含む49カ国、2500以上の都市とされていますが、東京都域も作成されていたため、今回掲載することとしました。
3Dビューアに当初から掲載してきた国土交通省PLATEAUの「3D都市モデル」とは違い、たとえば建物をクリックしても、その詳細情報を見ることはできませんが、こちらの方がデータが軽い分、表示スピードが非常に早く、表示待ち時間のストレスなく東京都の街並み等を見ることができます。
〇引き続き「デジタルツイン3Dビューア」を充実させていきます
最初にご紹介した「3Dハザードマップで知る、あなたの街の洪水浸水想定区域(江戸川区・江戸川)」は、「建築物モデル」と「洪水浸水想定区域モデル」として、それぞれ単独で3Dビューア公開当初から掲載していたデータです。
そうした中、先日、とあるテレビ番組で、他自治体において、同様のデータを組み合わせて洪水浸水想定区域を3D表示する取組が紹介されており、番組の中で「3Dになったことで浸水の脅威をよりリアルに感じてもらえる」「防災意識の向上に有効」と評価されていました。
私たちも、データの組合せ表示の例として、当初から「おすすめデータセット」を2件ほど表示してはいましたが、その後は掲載データを増やすことに注力してしまい、3Dビューアの本来の魅力、データの組合せ表示による有用性や有効性のアピールが足りなかったかなと痛感しました。
これをきっかけに、データ利活用担当内で検討し、皆さんにデジタルツインや3Dビューアにもっと興味を持っていただき、ご覧いただけるように、新たなデータセットとして掲載することとしました(あわせて、単なるデータ名ではないキャッチーなデータタイトルになるよう検討もしました。)
今後も様々なデータを追加・更新するとともに、データの組み合わせを紹介することで、デジタルツイン3Dビューアを充実させていきたいと思います。
乞うご期待!!!!