ドローンによる検体配送プロジェクトを行いました!
みなさん、こんにちは!スマートシティ推進担当です。
スマートシティ推進担当では、民間企業によるドローンを活用した物流サービス社会実装プロジェクトを支援しています。今回は、令和5年2月1日(水)から2月28日(火)にかけて行った検体配送プロジェクトについてご紹介します。
過去のドローン物流サービスの社会実装関連の記事はこちら!
▷プロジェクトについて
KDDI株式会社、KDDIスマートドローン株式会社、日本航空株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社ウェザーニューズ、株式会社メディセオからなるコンソーシアムは、あきる野市で検体(研究用検体)配送プロジェクトを行いました。
本プロジェクトはあきる野市の公立阿伎留医療センター ~ 株式会社エスアールエル セントラルラボラトリー間において、ドローンでの検体配送の実証を行うものです。
また、実証期間中ドローンの運航管理は遠隔で行い、①今回の離着陸地点であるセントラルラボラトリー内の一室、②天王洲にあるJALの本社、③鹿児島県奄美大島からそれぞれ遠隔操縦の実証を行いました。
▷飛行実証の様子
2月の実証期間中に、筆者も検体(研究用検体)配送の見学に行ってきました!ここからは、実際の飛行実証の様子をご紹介します。
ここは、今回の飛行実証の離着陸地点で、あきる野市の武蔵引田駅近くにある、株式会社エスアールエルのセントラルラボラトリー前です。ここでドローン検体配送の様子を見学しました。
セントラルラボラトリー前では、阿伎留医療センターに向けたフライトの準備が行われていました。
離着陸地点の周りには気象観測装置がありました。こちらはドップラーソーダといい、特殊な音波で上空の風向きや風速を測定します。
外灯にも気象観測装置が設置されています。こちらはソラテナといって、風向・風速・気温・雨量等の地上の気象が観測できる装置です。ドップラーソーダ、ソラテナ、これら気象観測装置のデータも確認しながらドローンの安全なフライトを行います。
さて、ドローンの準備が整ったようです。ドローンは写真左前方の木々の向こうにある医療センター屋上に向けてフライトを開始しました。
ドローンは軽やかに阿伎留医療センターまで飛んでいきます。
筆者のいる離陸ポイントからは医療センターが見えなかったため、ドローンに搭載したカメラの映像で飛行状況を確認しました。(写真手前が阿伎留医療センター)
しばらくするとドローンが医療センターに到着しました。
医療センター側には医療センターの職員が待機しています。職員により到着したドローンに検体を載せ、セントラルラボラトリーに送り返してくれます。
医療センターから検体を載せたドローンが離陸し、再びセントラルラボラトリーにドローンが戻ってきました!
ドローン帰還!おかえりなさ~い!
ドローンが無事に着陸したことを確認し、医療センターからドローンで運ばれた検体をセントラルラボラトリーの職員に渡します。
先ほどセントラルラボラトリーの職員に渡した検体は、セントラルラボラトリー内の検査室で検査にかけます。検体は非常に繊細なので、品質を保つため丁寧に運ぶ必要があります。
検査が進められていきます。検査結果は、分かり次第専用のWEBサイトに反映されるので、病院の職員はすぐに結果を確認することができました。医療センターから検体を送り、結果を確認できるまでは、約1時間でした!
後日検査の結果を分析したところ、ドローンで運んだ検体と運んでいない検体の成分に変わりなく、品質に影響は無いという結果となりました!
プロジェクトの紹介は以上となります。
本実証の様子が分かる動画もあり、動画は以下リンクからご覧いただけます!
▷おわりに
今回の実証でドローンが検体を運ぶところだけでなく、運んだ検体の成分が変化していないか確認する検査の様子まで見学することができました。
ドローンでの物流をビジネスにするためには、安全に飛行することはもちろんですが、荷物を傷つけないように、成分が変わらないように、品質を保持したままお客様のところにお届けしなければなりません。そのためには、運ぶ際の振動を最小限にし、温度管理を適切に行う必要があります。
これらの課題をクリアして、今後ますます、ドローンの技術やオペレーションが向上していけば、既存の物流手段と変わらないくらい、それどころかドローンがより良い物流の手段になるかもしれませんね。ドローン物流が物流の選択肢になる未来が楽しみです!