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デジタルの力を活用し、障害のある方、配慮を必要とする方の外出をサポートする取組の実証を行いました!

 皆さん、こんにちは!デジタルサービス推進課スマートシティ推進担当です。
 昨年10月2日に本noteに「デジタルの力を活用し、障害のある方、配慮を必要とする方の外出をサポートする取組」の紹介記事※を掲載しました。
 この取組について、昨年11月、西新宿エリアをフィールドに1回目の実証を実施しましたので、実証内容やその際の様子をご紹介します。

※記事はこちらからご覧いただけます。




● 実証内容

 今回の実証は、西新宿エリアをフィールドに、昨年11月15日から11月28日までの2週間にわたって行いました。
 実証では、モニターとして参加された方に、外出時の困りごとを解消するスマートフォンアプリを使っていただき、店舗のスタッフやオペレーターとやり取りをしながら、店舗や施設を利用していただきました。
 ご利用いただいたアプリは、以下の2種類です。


① 店舗や施設とのコミュニケーションをサポートするアプリ「袖縁(そでえん)」

【対象】
視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者、ベビーカー利用者

【サービス内容】
・障害のある方や配慮を必要とする方が、店舗スタッフ等に伝えたい情報(ご自身の障害特性やお願いしたい対応など)をアプリに事前登録しておきます。
・目的地でアプリをタップするだけで、その情報が店舗スタッフ等の端末にテキストで送られます。
・テキストでの情報送信だけでなく、店舗スタッフ等とビデオや音声通話、テキストチャットでのやり取りもできます。


② 外出時の移動等をサポートするアプリ「アイコサポート」

【対象】
視覚障害者
【サービス内容】
・視覚障害のある方がアプリを起動すると、カメラ映像や位置情報を基に、遠隔のオペレーターが対応します。
・必要な情報をオペレーターが音声で伝えることで、外出時の移動や買い物など、様々なシーンでの困りごとの解消をサポートします。

 実証の実施場所などについては、以下の報道発表資料からご確認いただけます。


● 実証実施時の様子

 この記事では、視覚に障害のある方、車椅子を使用されている方にモニターとしてご参加いただいた際の様子をご紹介します。


① 視覚に障害のある方のケース

 まず、「袖縁」を体験いただきました。
 視覚に障害のある方は訪問した施設でサポートを必要とするとき、「袖縁」を使って施設スタッフへ連絡します。
 施設スタッフは、アプリからの通知を確認し、施設にいらっしゃっている方が、どのような障害があり、どのようなサポートを必要とされているのかを把握したうえで円滑な対応へとつなげます。
 今回のケースでは、訪問されたモニターの方は中心の視野がなく、周辺がぼんやりと見えるという障害がありました。店舗スタッフは「袖縁」を通じてそのことを事前に把握できたので、モニターの方の真正面からではなく、横からお声掛けをするといった対応をとることができました。

「袖縁」を使って呼び出したスタッフが対応を行う様子

 次に、「アイコサポート」を体験いただきました。
 今回のケースでは、モニターの方は、遠隔のオペレーターに対し「現在地から近隣の施設へ行きたいが、行き方を案内してほしい」と依頼されました。
 これを受けて、オペレーターが、モニターの方のスマートフォンの位置情報やカメラ映像を確認しながら「このまままっすぐ進んでください」、「この先階段があるので気を付けて進んでください」など、目的地までの移動を音声でサポートしていました。

アイコサポートによる案内を受けながら移動する様子
※オペレーターは、モニターの方の首に提げられたスマートフォンの映像や位置情報を確認し、サポートしています。


② 車椅子を利用されている方のケース

 車椅子を利用されている方には、「袖縁」を通じた施設内の道案内を体験いただきました。
 まず、モニターの方が施設の入り口で「袖縁」を通じて施設スタッフを呼び出し、施設内の目的地までのルート案内を依頼されました。

依頼者が「袖縁」を使って施設スタッフを呼び出している様子

 そして、モニターの方からの連絡を受けた施設スタッフが、ビデオ通話でやり取りしながら入口から目的地までの案内を行いました。この時、施設スタッフはモニターの方が車椅子を利用していることを事前に把握できましたので、車椅子で移動しやすいルートを案内することができました。

スタッフがモニターの方からの呼び出しを受けて、アプリのビデオ通話を通じて、施設内の案内を行っている様子


 今回の実証ではこの他にも、聴覚に障害のある方、ベビーカーを利用されている方にモニターとしてご協力いただき、スマートサービスの有用性や課題に関して、「サポートを依頼しやすい環境づくりにつながると思う」、「いろんなエリアで使えるようになると良い」 などのご意見、ご感想をいただきました。
 実証にご参加いただいたモニターの皆様、店舗・施設の皆様、ご協力いただきありがとうございました。


● 今後の予定

 1回目の実証に参加いただいた皆様からいただいたご意見や検証結果を踏まえて、改善を行い、年度末には規模を拡大して2回目の実証を行う予定です。

 今後の取組についても、引き続きぜひチェックしていただけると嬉しいです。