「消費者トラブルなんでも110番」結果速報と、あの場面。
スマ通プロジェクト2022、サポートメンバーのきりんです。
インターネット通販トラブルを賢く避けるために、2021年度(公社)NACS(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)が制作した、eBook教材。その名は【18歳からのスマート通販学】、略して【スマ通】です。
スマ通では、なぜ「ネット通販トラブル」を取り上げたの?今回はこの教材ができた背景と、2月に開催されるフォーラムについてご紹介します。
目次
1. (公社)NACSの消費者相談
2. 2022年秋の「なんでも110番」重点テーマ
3. 「なんでも110番」結果速報と、思い出したあの画面
4. Z世代とつながるフォーラム-スマ通プロジェクト2022-
1.(公社)NACSの消費者相談
自分や家族におきた契約や悪質商法に関わるトラブル、不良な製品・食品、サービスなどによる事故・トラブルなどで困ったときは、一人で悩まずに、「消費生活相談」を利用することができます。消費者ホットラインの番号は『188(イヤヤ)』。しかし、お住まいの地域の消費生活センター等が、土日祝日でお休みしている時もありますよね。
そんな時、代わって相談をお受けする役割も(公社)NACSは果たしています。
消費生活の専門家集団である(公社)NACSでは、ウィークエンドテレホンとして、電話による消費者相談を、大阪相談室(土曜日)・東京相談室(日曜日)で受け付けています。相談は無料であり、契約に関わるトラブルや疑問などに助言や情報提供を行っています。NACS設立は1988年と今から30年以上前ですが、その当時から一貫して取り組んでいる活動です。
2.2022年秋の「トラブルなんでも110番」重点テーマ
NACS消費者相談では、毎年秋に、消費者被害の多い分野のテーマを設けて「トラブルなんでも110番」を実施しています。2022年のテーマは「消費者トラブルネット取引・デジプラなんでも110番-アプリストア、フリマアプリ、ネット通販、SNS、旅行・飲食店予約。デリバリーなどなど-」…日頃の相談業務で気になる分野、てんこ盛り!
※デジプラ…「デジタルプラットフォーム」の略称です。
3.「なんでも110番」結果速報と、思い出した「あの場面」
2022年10月毎週末の全8日間、アドバイザー弁護士に高木篤夫氏を迎え、東京・大阪で「ネット取引・デジプラなんでも110番」が開催されました。
テーマ対象となった相談受付件数は、大阪相談室・東京相談室合計で83件。
10代から30代の相談が30%を占め、相談内容は多岐にわたっています。ネット通販の相談は83%(デジタルプラットフォームを含む)と多く、定期購入、サブスクリプション、詐欺サイト、情報商材、副業等の相談がありました。その他、ショートメッセージやメールによる架空請求の相談も多数寄せられ、SNSを通して安易に契約したが、業者名や連絡先が不明というケースも。若年者に向けた消費者教育、啓発の重要性を感じます。
…といった結果速報を読んだその時、サポートメンバーきりん、脳裏に突然浮かび上がった「あの場面」
びびびっ!とサポートメンバーきりんの脳裏に浮かんだのは、8月7日ワークショップでした。和気あいあいと参加していたコアサポーターから、「こうやって架空請求メールが実際届く。私はおかしいって見分けるけど、ひっかかっちゃう子もいると思う。それを防ぎたい」という言葉と、実際のスマホ画面。
実際に、こうして架空請求メールが届いている現実。その一方で、学びを深めるコアサポーターからは、「かたい話になっちゃうと、周りの子と話題にするのは難しい」という本音も。
架空請求だけでなく、近年急増しているインターネット取引は、多くの若者にとっても身近な買い物手段である一方、賢い消費者として知っておくべき基本知識についてはまだ浸透しきれていません。
当事者としてそれを感じているからこそ、「ネット取引トラブル」について、「気になる話について」「SNSで流れてくるあの口コミについて」、お互いの感覚を話せる場・シェア出来る時間が必要なのです。
ちなみに消費者相談を担当するのは、現役相談員のNACS会員。寄せられた相談事案の内容は分析のうえ、報告書としてまとめられ、行政機関・企業、業界団体などに配布するとともに、提言などを通じて法律の制定や改正などの意見として活用されています。相談員以外にも、様々なバックグラウンドをもつ、消費生活の専門家集団の強みを活かし、当事者世代の声や感覚を伝え、啓発につなげていくこと、スマ通プロジェクト2022の大事な役目のひとつになりました。
4.2023年2月、Z世代とつながるフォーラムを開催します
2023年2月25日(土)、大人世代とZ世代が向き合い共に考えるNACSフォーラムでは、テーマ①:美容関係トラブル、テーマ②:オンラインでの副業トラブルをとりあげます。
コーディネーターには、弁護士で京都産業大学法学部教授の坂東先生をお招きし、ナビゲーターは現役相談員でもある樋口代表理事副会長が務めます。その他当事者世代としてコアサポーターのほか、全国から大学生を中心とした参加者を迎えます。
「なんでこれにひっかかっちゃうんだろう」、「どうしてこのテーマが選ばれたんだろう」「あの子に、なんて伝えればいいんだろう」、
うーん難しそうな話。だから、いっしょに考える人が、必要なんです。
今までの枠組みの、その先に。
スマ通プロジェクト2022へのお問い合わせ・ご要望は、(公社)NACSウェブサイトよりお寄せください。