疾走感の XTC(エクスタシー)
feeling of running in XTC
自分が中学生で洋楽を聴き始めたきっかけは友だちの影響なんです。
正確に言うと、洋楽好きのお兄さんがいる友だちがいて、ほぼ、そのお兄さんの影響と言っても過言でないのです。
なので、最初によく聴いてた洋楽は、そのお兄さんの好きな ”ロック” や ”パンク” だったのですが、その中にふくまれてたのが XTC だったのです。
正直、セックス・ピストルズやクラッシュなんかには、あまり魅かれなかったんですよね~。
自分にとっては、XTC が丁度いい? まあ、昔の表現で言うと、フィーリングがあった!とでも言うのかな... そんな感じだったのです。
今回は、自分の洋楽趣向に大きな影響を与えた、その XTC について"note" していこうと思います。
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XTC は、1977年、イギリスでアンディ・パートリッジとコリン・モールディングらが中心となって結成されたロック・バンドです。
ポスト・パンク/ニュー・ウェイヴから出発し、様々に音楽性が変化したバンドと言われています。
たしかに、自分が聴き始めた頃は、実験的なものも多かったし、アルバムごとに雰囲気が違うとこはあるんですが、その根底にはギターロックがあると思ってます。
ただ、人気のあるアルバムというと、概ね、以下の5枚にしぼられるんですよね。
3rd『ドラムス・アンド・ワイアーズ』(1979)
4th『ブラック・シー』(1980)
5th『イングリッシュ・セツルメント』(1982)
8th『スカイラーキング』(1986)
9th『オレンジズ・アンド・レモンズ』(1989)
まあ、人それぞれにピタっとくるアルバムがあるような感じなんですが、それぞれについて追いかけてみます。
『ドラムス・アンド・ワイアーズ』は、中学校当時、私の洋楽友だちの間で人気が高かったアルバムです。
『ドラムス・アンド・ワイアーズ』(1979)
1979年にリリースされた3rdアルバムなんですが、ニューウェイブ色が弱まっていて、ロック・バンド!って感じが良かったんでしょうね。
「Making Plans For Nigel」
日本では「がんばれナイジェル」ってタイトルだったんですが、ギターがかっこいいですよね。
でも、なんで、こんなタイトルなんですかね。
どうにかならなかったのかと思わざるをえませんね..w
ただ、仲間内では3rdアルバムを絶賛しつつも、自分的には1980年にリリースされていた4thアルバム『ブラック・シー』の方が、好きだったりしたんです。
『ブラック・シー』(1980)
『ドラムス・アンド・ワイアーズ』と何が違うって、やっぱりジャケットデザインですよね(←そこかよ!)
自分としては『ドラムス・アンド・ワイアーズ』のジャケットがどうしても好きになれなかったのです。
その点、『ブラック・シー』は、ちょっとSFチックでかっこ良かったのです。
なので、80年代初期の XTC といえば、私にとって、このアルバムなのです。
「Generals And Majors」
「Living Through Another Cuba」
この「Living Through Another Cuba」の突き抜けた感じとか好きだったんですよね~。このアルバムはロックありポップあり、ちょっと実験的な部分もあって、疾走感のある楽しいアルバムだったのです。
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そして、私の使ってるApple Musicでは ”必聴アルバム” の指定のある2枚のアルバム
『イングリッシュ・セツルメント』(1982)
「Senses Working Overtime」
XTC の良さって、実はこういうポップさなんだろうなと思います。
アルバム全体では、実験的な要素は抑えめになって、かなりポップな感じでした。なので中学時代に聴いたころは、なんか大人しく感じて、私の中では『ブラック・シー』を超えるものではなかったんです。
ただ、XTC の中では、チャート的には良かったアルバムなんですよね。
『スカイラーキング』(1986)
「Grass」
セールスのことを考えて、レコード会社は、プロデューサーに ”トッド・ラングレン” を迎えるんですが、アンディ・パートリッジと対立して、なかなか難産だったと言われるアルバムです。
これまでの実験的な雰囲気や毒気が抑えられて、超ポップな名作とされていますが、自分的には、うーんみたいな感じなんですよね。
たしかに作品としては優れてるのかもしれませんが、このアルバム、虫の声で始まったりするんですよ!
なんか、ポップスとしての完成度は高いのかもしれませんが、XTC のギターロックっぽい疾走感はあまり感じられなかったんです。
私的には、ちょっと受け入れられなかったアルバムなのです。(でも、多分、名盤なんでしょうね...)
ただ、『スカイラーキング』の次にリリースされた『オレンジズ・アンド・レモンズ』はけっこう好きだったんですよね。
ポップはポップなんですが、『スカイラーキング』みたいなカチっとした完成度ではなく、ちょっと肩の力を抜いた、楽しい感じのアルバムだったんですよね。
『オレンジズ・アンド・レモンズ』(1989)
「The Mayor of Simpleton」
ポップスを意識しつつも、XTC らしい疾走感を感じるんですよね。
もう、ギターポップの世界ですが、このアルバムも楽しいアルバムだったのです。
...ただ、ジャケットデザインは、そんなに好きじゃないんですけどね。(どうも XTC のジャケットデザインとは相性が良くないみたいです。)
総合すると、私的に好きなアルバムは
1位『ブラック・シー』
2位『オレンジズ・アンド・レモンズ』
3位『ドラムス・アンド・ワイアーズ』
って感じですね。
アップルミュージックに物申すわけではないですが、こちらの方が必聴アルバムだと思うのです。
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XTC は、90年代のブリットポップに影響を与えたと言われてますが、自分的に言えば、ブリットポップ全体というよりも、Blur に影響を与えたって思ってるんです。
自分が初めて Blur のアルバムを聴いた時は、「おお~、XTC だ!」みたいに思ったのも事実ですし、アンディ・パートリッジが、 Blur のプロデューサーに迎えられた時は、まんま XTC になりすぎて、取りやめたって話も有名です。
まあ、 Blur の音楽性に影響してることは間違いないですよね。なので、あの時期の Blur が好きな方は、多分 XTC も気に入ると思います。
若干、地味な印象の XTC なんですが、ブリットポップにハマった方には、ぜひ、聴いてもらいたいバンドなのです。
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