ソングライター中島みゆきの "昭和歌謡" SONGーBOOK
”失恋ソングの中島みゆき”
今となっては遠く感じる昭和の時代
当時の中島みゆきさんは、そう呼ばれるぐらい「失恋」や「別離」を描いた曲が多かったのです。
そんな中島みゆきワールドを求める歌い手さんも多くいて、数々の失恋ソングを他のアーティストさんに提供しています。
もちろん、みゆきさんの提供曲と言えば、「黄砂に吹かれて」や「激情」等の工藤静香さんへの曲たちや、TOKIOの「宙船」やももいろクローバーZの「泣いてもいいんだよ」他、平成のヒット曲も多いのですが、私としては ”失恋テイスト” の強い、〈The 昭和歌謡〉的な曲たちに愛着があるんです。
ということで、今回は、そんな、中島みゆきさんが提供した昭和の失恋ソングについて ”note” していきたいと思います。
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◎研ナオコさんへの提供曲
「LA-LA-LA」1976.6
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:クニ河内
「あばよ」1976.9
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:クニ河内
※『おかえりなさい』でセルフカバー
「かもめはかもめ」1977.10
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:若草恵
※『御色なおし』でセルフカバー
デビュー後、まだ世間にはあまり知られてなかった頃、中島みゆきさんが、初めて曲を提供した相手が研ナオコさんです。
この二人の相性は抜群だったようで、研ナオコさん的には「LA-LA-LA」で紅白初出場を果たしたり、「あばよ」がオリコン1位の大ヒットを記録したりしています。
中島みゆきさん的には、この2曲で世間に周知されることとなり、自身のヒットや、その後の提供依頼につながっていくわけなのです。
研ナオコさんには、その後も「かもめはかもめ」や「みにくいあひるの子」など、多くの曲を提供しています。
◎桜田淳子さんへの提供曲
「しあわせ芝居」1977.11
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:船山基紀
※『おかえりなさい』でセルフカバー
「追いかけてヨコハマ」1978.2
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:船山基紀
※『おかえりなさい』でセルフカバー
「20才になれば」1978.9
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:船山基紀
小学生だった私が、初めて中島みゆきさんの曲に触れたのは、間違いなくテレビで歌っていた桜田淳子さんを通じてだと思います。
桜田淳子さんにとっては、それまでのアイドル路線の曲とは一線を画した感じの「しあわせ芝居」で、一気に ”大人の女性” にステップアップしたんだと思います。
その後、「追いかけてヨコハマ」と「20才になれば」を加え、通算3枚のシングル曲を提供しています。
また、3曲とも編曲は船山基紀さんなんですが、個人的に、この中島みゆき/船山基紀コンビの曲がけっこう好きだったりするのです。
◎加藤登紀子さんへの提供曲
「この空を飛べたら」1978.3
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:福井峻
※『おかえりなさい』でセルフカバー
この曲もいい曲なんですよね~、耳に残ります。
加藤登紀子さん自身が依頼したってエピソードが残ってますが、歌唱の感じとか、けっこう近いものものを感じる二人なのです。
◎小柳ルミ子さんへの提供曲
「雨…」1978.11
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:萩田光雄
※『おかえりなさい』でセルフカバー
そう言えば小柳ルミ子さんへの提供曲もありました。
雨を連呼するとこが印象的な曲なんですが、久しぶりに原曲を聴くと、小柳ルミ子さんって、表現力豊かな歌い手さんってことをあらためて認識しました。
◎増田けい子さんへの提供曲
「すずめ」1981.11
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:青木望
※『御色なおし』でセルフカバー
ピンクレディー解散後、増田けい子さんのソロデビュー曲です。
なぜ、”すずめ” なのか?
意味は図りづらかったのですが、この独特な言葉選びの歌詞がみゆきさんらしさなんですよね。
◎古手川祐子さんへの提供曲
「煙草」1982.5
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:船山基紀
※『御色なおし』でセルフカバー
ドラマの挿入歌ということですが、あんま記憶がなかったりします。
ある意味、貴重な古手川祐子さんの歌声!
当時は、明るく可愛い妹キャラだったと思うんですが、そんな古手川祐子さんへの提供曲が「煙草」というタイトルの曲なんて… さすがみゆきさんなのです。
◎柏原芳恵さんへの提供曲
「春なのに」1983.1
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:服部克久 他
※『回帰熱』でセルフカバー
「カム・フラージュ」1983.12
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:萩田光雄
※『御色なおし』でセルフカバー
「最愛」1984.9
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:倉田信雄
※『御色なおし』でセルフカバー
「ロンリー・カナリア」1985.1
作詞・作曲:中島みゆき/編曲:梅垣達志
※『回帰熱』でセルフカバー
中島みゆきさんが曲を提供した80年代アイドルといえば柏原芳恵さんで、私たち世代はリアルタイムなのです。
柏原芳恵さんの曲もいいんですよね~
「春なのに」が名曲過ぎるんですが、どの曲も素敵なのです。
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ということで、中島みゆきさんの〈The 昭和歌謡〉的な提供曲を紹介してきましたが、自分が、テレビやラジオで聴いた曲たちなんで、ノスタルジーが溢れちゃいますね。
さて、中島みゆきさんの提供曲の中には、工藤静香さんの「MUGO・ん…色っぽい」や「黄砂に吹かれて」みたいに、作詞のみの提供ってのもあるんですよね。
昭和の時代にも何曲かあって、その中の1曲を最後に紹介します。
■ 作詞のみの提供曲 ■
◎郷ひろみさんへの提供曲
「美貌の都」1983.3
作詞:中島みゆき/作曲:筒美京平/編曲: 坂本龍一
※『御色なおし』でセルフカバー
男性への提供曲ってのも珍しいんですが、作曲が筒美京平さんで、編曲が 坂本龍一さんて、ちょっと驚きませんか?
このトリオの曲が存在するなんて… スゴ過ぎなのです。
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たくさんの曲を提供してきた中島みゆきさんなんですが、定期的にセルフカバーアルバムを制作しています。
今回は、そんなアルバム中、1979年の『おかえりなさい』、1985年の『御色なおし』、1989年の『回帰熱』でセルフカバーされている曲を中心に選曲しています。
『おかえりなさい』1979.11
『御色なおし』1985.4
『回帰熱』1989.11
(中島みゆきさん関係note)
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