神秘的な瞳を持つ男(俳優ルトガー・ハウアー)
Rutger Hauer
中学生から高校生にかけて、自分に影響を与えた映画のひとつが、1982年に公開された、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』です。
この『ブレードランナー』の中で、特に魅力的に感じたのが、主人公の敵役となるレプリカントを演じたルトガー・ハウアーでした。
造られた存在であるレプリカント役ですから、人間らしさではなく、”人間っぽさ” を演じてたわけなのです。
それがルトガー・ハウアーにピッタリだったんですよね。
多分、あの”青い瞳”がそう感じさせるんでしょうか?、冷酷でありながら、なにか哀しさを帯びていて、ある種、神秘的なオーラを感じさせるんですよね~。
なので、主役のハリソン・フォードよりもルトガー・ハウアーが断然かっこ良く感じたんです。
この『ブレードランナー』で注目されたルトガー・ハウアーは、その後、主演作が増えていくのですが、自分が高校時代に観たハウアー映画を紹介していこうと思います。
◎私の観たルトガー・ハウアーの出演作
『バイオレント・サタデー』
(1983年制作:米)
監督:サム・ペキンパー
出演:ルトガー・ハウアー、ジョン・ハート
『ブレードランナー』の後に制作されたルトガー・ハウアー主演の映画です。
『ワイルドバンチ』や『ゲッタウェイ』など、派手な銃撃戦をスローモーションで見せるアクション映画監督の雄:サム・ペキンパーの作品とあって、とっても楽しみにしてたんですよね。
内容は、ロバート・ラドラム原作のスパイ・サスペンスだったので、思ったような銃撃戦はなかったのですが、けっこう渋めに仕上がってたのです。
ルトガー・ハウアーもですね、なんか、普通の人だったりするですよね〜。(いや、そういう役だったから…)
『レディホーク』
(1985年制作:米)
監督:リチャード・ドナー
出演:マシュー・ブロデリック、ルトガー・ハウアー、ミシェル・ファイファー
リチャード・ドナー監督が、『グーニーズ』の前に撮ったファンタジー映画です。
呪いにより、夜になると狼に変わる騎士と、昼は鷹になってしまう恋人の女性がメインの、ロマンチックファンタジーで、騎士役をルトガー・ハウアー、その恋人をミッシェル・ファイファーが演じています。
この二人が美しいんですよね~、まさにファンタジーなキャストだったのですが、物語の方は、まあ、なんかですね、そこそこぐらいの感じだったのが、ちょっと惜しく感じた映画だったのです。(すいません💦)
正直、『バイオレント・サタデー』も『レディホーク』も、惜しいんですが、私が期待していたルトガー・ハウアー映画としては、ちょっと物足りなかったのです。
でも、そういう私の気持ちに応えるように公開されたのが、かなりサイコパスな役柄を演じた『ヒッチャー』でした。
『ヒッチャー』
(1986年制作:米)
監督:ロバート・ハーモン
出演:C・トーマス・ハウエル、ルトガー・ハウアー
いや~、なかなか強烈な映画だったんですよね。
ヒッチハイクで乗せてあげた男がシリアルキラーだった!って感じの展開で、そのシリアルキラー役をルトガー・ハウアーが演じてたのです。
このルトガー・ハウアーが怖い怖い!
これこそ、自分が求めていたルトガー・ハウアーだったんですよね。
まあ、ルトガー・ハウアー自身、そんな悪役ばかりを期待されても困ると思うのですが、当時の自分にとっては、やっぱ、悪役が似合うよな~って思いだったのです。(これまた、すみません💦)
◎似た印象を持つ、もう一人の俳優さん
私のルトガー・ハウアーの記憶を混乱させる俳優さんがいます。
それが、クリストファー・ウォーケンという俳優さんです。
SFが好きな自分は、『ブレードランナー』と同じ頃に公開された『デッドゾーン』って映画が好きだったんです。
『ブレードランナー』が、フィリップ・K・ディック原作/リドリー・スコット監督ならば、この『デッドゾーン』は、スティーブン・キング原作/デヴィッド・クローネンバーグ監督の、これまた面白い映画なんですよね~。
この映画で主演しているのが、クリストファー・ウォーケンという俳優さんなのですが、私の中で、ルトガー・ハウアーとの記憶の混乱が起きる俳優さんです。
なんか雰囲気や面差しが似てますよね、ね。
クリストファー・ウォーケンといえば、『ディア・ハンター』でアカデミー助演男優賞を受賞して、一躍脚光を浴びた俳優さんなのですが、自分が先に出会った作品が『デッドゾーン』だったことも、この混乱を招く要因になってる感じですね。
ちなみに…
クエンティン・タランティーノ監督の『パルプフィクション』に出てたのはクリストファー・ウォーケン
ロバート・ロドリゲス監督の『シン・シティ』に出てたのはルトガー・ハウアー
ティム・バートン監督の『バットマン リターンズ』に出てたのはクリストファー・ウォーケン
クリストファー・ノーラン監督の『バットマン ビギンズ』に出てたのはルトガー・ハウアー
ほら、やっぱり混乱しませんか?
↑
いや、狙ってるだろ!
+ + + + + +
今回は、私の大好きなルトガー・ハウアーの記事だったのですが、久しぶりにルトガー・ハウアーの映画が観たいな~と思った方がいれば、ぜひ『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』をお試しください!
『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』
(1985年制作:米)
監督: ポール・バーホーベン
出演:ルトガー・ハウアー、ジェニファー・ジェイソン・リー
『日曜洋画劇場』で放映されてましたが、実は、日本未公開作品ですです。
まあ、何がお薦めって、この作品、『ロボコップ』、『トータルリコール』、『氷の微笑』と、あの時期、次々とヒット作を生み出したオランダの鬼才、ポール・バーホーベン監督のアメリカ初進出作なんですよね。
バーホーベン監督らしくやりたい放題で、バイオレンス有!、エロス有!の娯楽作になってます。
実は同じオランダ出身という事で、キャリア初期にはコンビを組むことが多かったルトガー・ハウアーが主演してるのですが、ちょっと悪い男の役なのに、なんかですね、生き生きしてるように見えるんです!
自分も、ポール・バーホーベン監督作品を遡っていってた時に出会った作品なのですが、興味を持たれた方はぜひ!✋
🎬