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今年の読書のふりかえり(2020)
Looking back on this year's reading.
今年もいよいよ終わりになりますので、自分の読書について、ふりかえりをしようと思います。
2020年の読書データは以下の通り
読んだ本は全部で145冊です。
うち、海外翻訳作品が78冊なんで、だいたい54%と5割をちょい越えるぐらいです。海外翻訳本が約7割を越えていた数年前と比べると、バランスよく読めてる感じがしますね。
ちなみに145冊の中には上下巻本などはそれぞれカウントされているので、作品としては124作品になります。
自分は、シリーズ物はゆっくりと期間を空けながら読むので、数年をかけながら、2020年に読み終わってしまった(または新作待ちになった)シリーズが
エラリー・クイーンの「ライツヴィルシリーズ」
コニー・ウィリスの「オックスフォード大学史学部シリーズ」
マーク・グリーニーの「グレイマンシリーズ」
島田荘司さんの「御手洗潔シリーズ」
そして、飛浩隆さんの全作品
などです。
好きなシリーズが読み終わってしまうのは寂しい限りなので、また、新たに読み始めるシリーズを考えたいと思います。
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読んでる本のうち、新刊本は約2割程度です。
私の読書の中心は既刊本なのですが、新作・既刊を含めて、今年読んで面白かった10作品を紹介したいと思います。
『息吹』著:テッド・チャン
人間がひとりも出てこない世界、その世界の秘密を探求する科学者の、驚異の物語を描く表題作「息吹」、『千夜一夜物語』の枠組みを使い、科学的にあり得るタイムトラベルを描いた「商人と錬金術師の門」、「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」をはじめ、タイムトラベル、AIの未来、量子論、自由意志、創造説など、科学・思想・文学の最新の知見を取り入れた珠玉の9篇を収録。
『あなたの人生の物語』から17年ぶり!、ようやく発表された2作目なのですが、じっくり味わわせていただきました。
次の著作が読めるのは、いつの日か.... 今回と同じペースなら、きっと自分はおじいちゃんになってる気もしますが、生きてる間に出会いたいものです。
『Another 2001』著:綾辻行人
つい先日、”note”したばかりですが、夢中になって読んだ作品であるのは間違いないのです。
『逆ソクラテス』著:伊坂幸太郎
伊坂幸太郎さんについては、いつも新作への期待が高い分、自分の中で、近年はかなりハードルが上がってる感じがします。
そんな中、のハードルを越えてきた作品で、ほんと痛快で読後感抜群の作品でした。
『三体Ⅱ 黒暗森林』著:劉 慈欣
新天地を求める三体文明は、千隻を超える侵略艦隊を組織し、地球へと送り出す。太陽系到達は四百数十年後。このままでは三体艦隊との“終末決戦”に敗北することは必定。絶望的な状況を打開するため、前代未聞の「面壁計画(ウォールフェイサー・プロジェクト)」が発動。人類の命運は、四人の面壁者に託される。
中国発のSFエンタメ三部作の二作目。
昨年のブームに乗って読んでいるのですが、一作目よりも面白かったです。
コン・ゲームの様相を呈しながらも、やっぱり、中心となるのはSFで、途中で重要な意味を持つ「黒暗理論」などは、日本やアメリカのSFでは発想できないものではないかと強く思いました。
三作目の翻訳が待ち遠しい作品です。
『死亡通知書 暗黒者』著:周 浩暉
久しぶりワクワクしながら読み進めた華文ミステリー。
こちらも続編の翻訳が待ち遠しいシリーズなのです。
『その裁きは死』著:アンソニー・ホロヴィッツ
実直さが評判の離婚専門の弁護士が殺害された。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182"。被害者が殺される直前に残した謎の言葉。脚本を手がけた『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたわたし、ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンから、再び奇妙な事件の捜査に引きずりこまれて――。
年末のミステリーランキング総なめの本書です。
近々、記事にしたいと思ってるので、これぐらいで.....
『リヴィエラを撃て』著:髙村薫
今年読んでみて、どうしてもっと早く読まなかったのか悔やんだ作品。
髙村薫さんの最高傑作かも..... それぐらい面白かった作品です。
『透明人間は密室に潜む』著:阿津川辰海
新しい才能が出てきたのを感じられた一冊でした。
長ーく、追いかけて行きたいものです。
『悪童日記』著:アゴタ・クリストフ
戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生き抜いていく。
話題になっていて、いつか読みたかった一冊。
ゴールディングの「蠅の王」を読んだ時にも感じた、ある意味、子どもの持つ恐ろしさを感じさせてくれた作品で、続編の方も楽しみなのです。
『ディオゲネス変奏曲』著:陳 浩基
雨の大学教室で、学生たちにまぎれこんだ謎の人物「X」を捜す推理合戦のスリリングな?末を描いた「見えないX」、台湾推理作家協会賞最終候補となった手に汗握るサスペンス「藍を見つめる藍」など17の傑作ミステリ短篇を収録。
短編集なんですが、なかなか面白い作品がつまってます。
日本のミステリーの影響が見え隠れして、作者の方は、きっと自分と似たような読書背景があるのだと思うのです。だからなのでしょう、自分との相性は抜群の作家さんです。
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ふりかえってみると、けっこう記事にした本も多かったですね。
来年も、たくさんの本に出会えることが楽しみで、次回の読書日記は、2021年に読みたい本の計画について書いていきたいと思います。
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