”トランぺッター新田一郎”偏愛記事(エリア88の熱い風)
新田一郎さんというトランぺッターの方をご存知でしょうか…
あの伝説のブラス・ロックバンド ”スペクトラム” の中心だった方なんです。…といっても、 ”スペクトラム” 自体を知らない人も多いかもしれませんね。
”スペクトラム” は、1979年から1981年の2年余りのみ活動したアミューズ所属のブラス・ロックバンドです。
まず、甲冑を付けた衣装が奇抜だし、楽器をクルクル回すし、変なダンスするし.. 正直、自分が小学生の頃はコミックバンドのような印象でした。(実はスゴいバンドだったと知るのは、ず~っと後のことです。)
この怪し気な集団の中、サングラスをかけて、トランペット吹いたり、裏声で歌っていたのが新田一郎さんです。
ちなみに、”スペクトラム” のことを正式に知ったのは、自分の中学時代、で、「サンライズ」という曲でした。
冒頭の部分、皆さんも聴いたことありますよね~
え、ない?w(最近の甲子園でも演奏されてたりしてますよ!)
実は、この曲の冒頭部分は、ウエスタン・ラリアットで有名なプロレスラー、スタン・ハンセンの入場曲として使われていた曲なんです!
「うぃ~~~~」って吠えたくなりますね!
このスタン・ハンセンの入場曲からさかのぼって、「サンライズ」のことを知るわけなんですが、残念ながら、私が知った時、すでに ”スペクトラム” は解散してたんです。
ただ、その後、新田一郎さんはソロ活動を始めていて、誰がパーソナリティだったかは憶えてないんですが、オールナイトニッポンの第二部(3:00~5:00)のエンディングで、「DAYBREAK ~夜明け」って曲が毎週流れていて、この曲が大好きだったんです。
残念ながら、「DAYBREAK ~夜明け」の音源は見当たらなかったのですが、新田一郎さんを追いかけ始めるきっかけとなったのは間違いないのです。
ソロ活動以外でも、サザンオールスターズや爆風スランプのクレジットでもよく名前を見かけたし、その他、いろんなとこで、新田一郎さんの音楽を耳にしていました。
多分、皆さんも、聴いたことあるんじゃないかと思います。
たとえば、あんな曲や
「フジテレビスポーツテーマ」
こんな曲とか…
「スケバン刑事:サウンドトラック」
ドラマやアニメの劇伴なんかでもけっこう名前を見かけてたんです。
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さて、そんな新田一郎作品の中で、私が偏愛していた一枚が、1984年にリリースされた漫画『エリア88』のイメージアルバムなんです。
コミックス・オリジナルアルバム『エリア88』
『エリア88』っていうのは、新谷かおるさんの描く戦闘機パイロットたちの物語で、私の中学時代(80年代前半)に凄く人気のあった漫画なんです。
登場する戦闘機のプラモなんかも発売されて、少年たちの心を熱くさせてたんですよね~。
サントラ盤じゃあないんです!
なんか、この頃って、アニメ化されてない人気漫画の ”イメージアルバム” なるものが、けっこうリリースされてた時代なんです。
そんな『エリア88』のイメージアルバムを新田一郎さんが手掛けるなんて.. 当時、ワクワクしながら聴いたんですが、これが、期待通りムチャクチャかっこ良かったんです!
今では、レコードもカセットも聴けないし、サブスクでも見当たらないアルバムなんで、YouTubeの音源をまとめてみましたので、ぜひ、一聴していただければと思います!
A-1「炎のユニコーン」
歌:山際祥子
もう、このA面1曲目からしびれさせてくれます!
タイトルは、主人公:風間シンのシンボルマーク ”炎のたてがみのユニコーン” に由来しているんで、メインテーマ的な位置づけの曲なんです。
ちなみ歌っている山際祥子さんというのは、80年代後半に活動するTOPS(トップス)っていうファンクバンドのヴォーカルの方です。
A-2「青い蜃気楼」
歌:ポール吉田
A-3「セイレーンの涙」
A-4「メモリー・オブ・ユー」
歌:竹中ゆかり
主人公は、親友の裏切りで傭兵部隊に送られることになるのですが、会えなくなった恋人を思う歌なのです。
歌っている竹中ゆかりさんというのは、声に聞き覚えがあるのではと思うのですが、実は、後の椎名恵さんです。
A-5「デス・フーガ」
バイオリンやフルートのソロで奏でられる緊迫感溢れるこの曲は、どこか無情な響きがあるのです。
B-1「傷だらけの獅子 -THE WOUNDED LION-」
歌:ポール吉田
B面1曲目、ポール吉田さんのアダルトな歌声が勇壮な一曲!
B-2「ムーンライト・ララバイ」
まるで、ハートカクテルのようなムーディな曲です。
こういう曲が入ってるのもこのアルバムの魅力なのです。
B-3「狼達の墓標 FALLEN ANGELS」
歌:山際祥子
B-4「ソルジャー・スピリッツ」
あああ~、新田一郎さん! いやスペクトラムだぁ!と叫ばずにはいられない曲なんですが、後の「フジテレビスポーツテーマ」にも通じる感じで、スピード感満点の曲なんです。
B-5「Good-luck!!」
歌:竹中ゆかり
主人公に安らかな日が訪れる時が来るのか…
このアルバムでのエンディングテーマは椎名恵さんのバラードで終わるのです。
以上、インストゥルメンタルが4曲、ヴォーカル曲6曲の計10曲の構成なんですが、見事に『エリア88』の世界観を描き出しているのです。
このアルバムがはまりすぎて、後に『エリア88』がビデオアニメ化された時は、やっぱり、劇伴は新田一郎さんだったのです。
このアルバムは、映画『トップガン』が大ヒットする2年前にリリースされたものなのですが、大空でのドッグファイトをイメージする時、私の場合、ケニー・ロギンスよりも新田一郎さんの曲が流れたりするんですよね。w
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途中でも書きましたが、残念ながらサブスクでは新田一郎さんの楽曲を聴くことはできません。
ただ、”スペクトラム” は解禁されてますので、興味のある方は一聴してみてください!
ちなみに、これまでの自分の記事で、”スペクトラム” の他のメンバーが登場した記事はこちらです。
◎スペクター2号:兼崎順一さん関係
「ルパン三世」を始めとしたJAZZYなアニメテーマをまとめた記事ですが、「ナジカ電撃作戦」というアニメの音楽を ”スペクトラム” のもう一人のトランぺッター:兼崎順一さんが担当しています。
◎スペクター5号:西慎嗣さん関係
ヴォーカルをとることも多かった、”スペクトラム” のギタリスト:西慎嗣さんは、80年代初期に桑田佳祐さんとのプロジェクトの一つとして登場します。
(その他、トランぺッター関係note)
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