短編集のようなスティングのコンピ盤
ポリスのアルバム『シンクロニシティ』が大好きだった自分としては、1984年に活動休止となったのは残念だったのですが、その分、スティングのソロ活動には、かなり期待したんです。
まあ… 期待したのとは、ちょっと違ってたんですけどね。
なんか、ソロになると、音楽性がさらに深~く深~くなっていった印象でした。途中、あまりに重くなりすぎて、聴き込めていないアルバムもあったんですが、基本、デビュー盤だった『ブルー・タートルの夢』や『ナッシング・ライク・ザ・サン』、『テン・サマナーズ・テイルズ』の3枚はよく聴いたと思います。
ただ、この3枚も好きなんですが…
何でしょう、自分が年齢を重ねる中で、最もよく聴いたスティングのアルバムを振り返ると、映画の主題歌や挿入歌を集めたコンピ盤『アット・ザ・ムーヴィーズ』が一番聴いたアルバムのような気がします。
今回は、このコンピ盤について ”note” していきたいと思います。
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スティングって、なんか、アルバムを通して聴くべきアーティストって感じがするんです。
スティング自体、アルバム全体で世界観を作っていく… そんなアーティストですよね。
だからかなのか、アルバムを重く感じてしまう時があって、普段使いするならベスト盤やコンピ盤とかの方が気楽だったりするんです。
ベスト盤も各種リリースされてるんですが、私の場合、このコンピ盤が一番合うようなんです。
『At The Movies』
実は、この『アット・ザ・ムーヴィーズ』には、1997年版と2005年版が存在します。(ジャケットデザインは一緒なんですが、収録曲が一部違うので、ご注意ください!)
私がCDを持っていたのは2005年版の方なので、2005年版をベースに紹介していきます。
以上の18曲なんですが、このうち、1997年版から新たに収録されたのは、トラック1、4~7の5曲です。
ちなみに、1997年版に収録されていたのに、2005年版で収録されなかったのは次の4曲です。
こんなにたくさんの映画に関係してるのかッ!
と、思わずにはいられない曲数なんですよね。(知らない映画も多いんですけど…)
けっこう、穏やかな曲中心のアダルティなラインナップなので、夜に流しておくには、なかなかいい感じなんですよ~、ほんと!
ぜひ、一聴していただければと思います。
ここで、個人的おすすめポイントと収録曲を紹介すると
◎もちろん、あの代表曲を収録!
スティングの代表曲というと、真っ先に挙げられる「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」と「シェイプ・オブ・マイ・ハート」はしっかり収録されています。
「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」
映画の主題歌と言われても、映画の方を記憶してる方はほとんどいないと思われますが、実は日本では未公開なんですよね。
映画『イングリッシュマン in ニューヨーク』は、あの ”ダニエル・デイ=ルイス” が主演したコメディ映画なんです!
興味がある方は、この曲が流れる場面を確かめて、ぜひ楽しんでください。
「シェイプ・オブ・マイ・ハート」
実は他の映画でも主題歌として使われた曲なんですが、今では『レオン』のエンディングで流れた曲として、多くの人が認識している曲です。
何度、聴いても、いい曲はいい曲なのですよね。
他にも「シークレット・マリッジ」や「フラジャイル」なんかも収録されています。
◎コラボ曲あり!
ちょっと特別なコラボ曲が楽しめます。
「イッツ・プロバブリー・ミー」
feat. Eric Clapton
エリック・クラプトンとの共作で、『リーサル・ウェポン3』(懐かしい~)で使用されたシングルです。
アルバムにも収録されてますが、やはりこちらのクラプトンとの共演バージョンが、よりブルージーでカッコいいのです。
「オール・フォー・ラヴ」
Bryan Adams, Rod Stewart, Sting
『三銃士』のテーマとして制作された曲なんですが、ブライアン・アダムスとロッド・スチュワートとスティングなんて、このトリオを考えた人って誰?ってぐらいスゴい組合せですよね。
声質で選んだとしか考えられないトリオなんですが、この3人による主題歌なんて、映画本編もタジタジになると思いませんか?
◎アルバム未収録曲もあります!
コンピ盤なんで、通常のアルバムには収録されていない曲も多いんですよね。「オール・フォー・ラヴ」なんかは、もともとブライアン・アダムスの曲なんで、収録されないのは当然なんですが、スティング自身の曲でも、「マイ・ファニー・フレンド・アンド・ミー」や「ザ・マイティー」、「アンティル...」など、他のアルバムでは見かけない曲があるのです。
「アンティル...」
自分が2005年版を購入した理由のひとつがこの曲です。
メグ・ライアン主演の『ニューヨークの恋人』の主題歌でした…
なんか、あの時代、メグ・ライアンの映画がデートコースだった時代があるのですよ… 『めぐり逢えたら』とか、『ユー・ガット・メール』とか… ね。
◎スティングが歌うスタンダード!
スティングって、元々、ジャズの人で、ソロ活動では、ジャズテイストが濃くなっていくんですが、映画の主題歌では、数々のスタンダードを歌ってくれてるんです。
これも、通常のアルバムには未収録のものばっかりなんですが、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」や「風のささやき」、「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」、「エンジェル・アイズ」、「ムーンライト」、「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」などの名曲が、アダルティな雰囲気を醸し出してるのです。
「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」
feat. Herbie Hancock
「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」
「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」
なかなかアダルティな雰囲気でしょ~
ただ、スティングの ”クセつよ” の部分は感じられないんで、ファンの方々にとっては物足りないかもしれないんですが、30代~40代の自分にとっては心地よかったりしたのです。
◎そしてポリスの曲が!
コンピ盤の終盤に、ポリス時代の曲も収録されています。
アダルティでムーディだったのに、最後はポリスなん!って感じもあるんですが、これが、またカッコよすぎなんです。
「マーダー・バイ・ナンバーズ」
「デモリション・マン」
最後まで聴くと、必ず、ポリスのアルバムも聴きたくなっちゃうんですよね…
スティングの通常のアルバムが、一つのテーマで統一された長編小説だとすると、様々な曲が収められたこのコンピ盤は、まさに短編集と呼ぶべきアルバムなのです。
まとまりはないけど、いろんな楽しみ方ができるのが、このコンピ盤の素敵なとこなのです。
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■ 再現プレイリスト ■
ここまで、紹介してきた『アット・ザ・ムーヴィーズ』なんですが、残念ながらサブスクでは聴くことができません。
今回、関係曲をかき集めて、プレイリストを再現してみました。
こういうプレイリストを作っていくのは、ホント楽しいんですよね〜、ぜひ活用ください!
一応、2005年版をベースに、1997年版にはあったのに未収録となった曲を追加しています。(一部、収録されていた原曲とはバージョンが違っているものもありますが了承ください。)
なお、サブスク上では見つからなかった曲が3曲あって(一覧では*が付いています。)、以下に貼っておきますので、その旨もご了承ください!
「ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド」
「ザ・マイティー」
「ムーンライト」
(再現プレイリスト関係 note )
♪