意味シンなシャワーの後に(There is a Song)
『夏をあきらめて』:研ナオコ(1982)
いつのまにかシリーズ化してしまった、桑田佳祐さんの他アーティストへの提供曲に関する"note"です。
今回の『夏をあきらめて』は、1982年のサザンオールスターズのアルバム「NUDE MAN」に収録されていた曲で、同年に研ナオコさんがカバーしたものです。
もともと、桑田佳祐さんボーカルの曲なんで、研ナオコさんが歌っていても男性目線の歌です。
彼女と二人で海へ遊びに行ったのに、突然の雨に降られて、残念な気持ちになったって感じの歌なんですが、それにしては、あまりに悲しい曲調なんで、いろいろと解釈が生まれてる曲なんですよね。
私にとって、一番、謎の歌詞は、2番にある「意味シンなシャワーで」の部分なんですが、これって、なぜ、”意味シン” なんでしょうね。
1番の歌詞で、ちょっと分かりにくいのは「きっと誰かが恋に破れ 噂のタネに邪魔する」の部分なんですが、私自身の想像では、一緒に海に行った彼女は、いわゆる”みんなのマドンナ的な存在”で、そのハートをつかんだのが、この歌の主人公だったと思っています。
まだ、つき合い始めてから間もなくて、みんなは知らないんだけど、今回、海に遊びに行ったことが噂になれば、彼女に恋心を抱いていた誰かは失恋しちゃうだろうと... そんな感じなのです。
2番の歌詞では、雨を避けてホテルの部屋に逃げ込む二人の様子が描かれてますが、ここで、「意味シンなシャワーで」という歌詞が出てきます。
そもそも、それなりの交際期間のあるカップルなら、あんまシャワーを浴びても「意味シン」ではないと思うんです。
1番の歌詞で想像したように、”つき合って間もない二人” であるなら、二人っきりでホテルの部屋にいるってのは、初めてのシチュエーションだったのかもしれません。
そんな、一種の緊張感が漂う中で、彼女は体が冷えたのか、熱めのお茶を飲み、シャワーを浴びてる...
これって、どういう意味なんだろうと、主人公は考えてる..
海で夏を満喫することはあきらめたけど、彼女は、二人が次のステップに進むことを肯定しているサインなのかどうかと..
この歌は、多分、そういう歌なんだと思うんですよね。
曲調が悲しいんで、なんか別れを予感させちゃうんですが、夏はあきらめるけど、初々しい二人が、ほんとの恋人になっていくかどうかの際を描いたものだと...
そう思えば、曲のタイトルが「あきらめの夏」ではなく「夏をあきらめて」…と、その先があるように付けられてることにも合点がいくのです。
サビの英詞の部分では、主人公の男性の気持ちが出てますよね。
愛しい人よ、俺の気持ちを分かってる?
俺が、気持ちを晴れさせてあげるよ
愛しい人よ、俺と一緒にいて
いい気分になろうよ
研ナオコさんの歌は、ほんと淡々として悲しい感じなので、違う解釈があるのかもしれませんね。
まあ、解釈はいろいろあっていいと思うので、ここは、あくまで、自分の解釈ということでご理解ください。
(サザンオールスターズ版)
2番が終わったとこ(2:55)で、桑田さんがなんか叫んでるんですけど.. 「I got it~何チャラ」みたいに聴こえるので、君の心を手に入れてやるぜ~みたいな意味かもしれませんね。
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