秋の夜長はアンプラグドで...
Unplugged
少しずつ冷たい風が混じり始める秋の夜長には ”アンプラグド” が似合うのです。
なんでしょう、あの90年代前半、「アンプラグド」の波があったんですよね。
もちろん、「MTVアンプラグド」で見せるアーティストたちの、いつもとは違った "素" のパフォーマンスが素晴らしかったのは言うまでもないのですが、デジタル化が進むミュージックシーンに対する ”生” への欲求みたいなものがあったのかもしれません。
という、自分自身も、それまでライブアルバムなんて聴いたことなかったくせに、次々とリリースされる ”アンプラグド” のライブアルバムによく手を伸ばしてました。
ちょっと懐かしくなってしまったので、今回は、当時、自分が手にしていた ”アンプラグド” のライブアルバムについて "note" したいと思います。
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エリック・クラプトン
「Unplugged」1992
1992年1月:MTVアンプラグド
もちろん、エリック・クラプトンがギターの名手ってことも知っていたし、「いとしのレイラ」も知ってたし、ジョージ・ハリスンの盟友ってことも知ってました。
でも、クラプトンって、自分のもうひとつ上の世代の方々が好むミュージシャンのイメージだったので、アルバムを聴いたことはなかったのです。
当時は「アンプラグド」という言葉が新しく感じて手に取ったのですが、この超ブルージーなライブアルバムで、クラプトンにハマってしまったという... ありがたい機会となりました。
「Tears In Heaven」とか、何度、聴いても涙が出そうになります。
ポール・マッカートニー
「UNPLUGGED (The Official Bootleg)」1991
1991年1月:MTVアンプラグド
クラプトンのアルバムが気に入りすぎて、遡るように、いろんなアーティストの「アンプラグド」を探していて見つけた一枚。(現在のように簡単には調べられない時代だったのです。)
もちろん、「アンド・アイ・ラヴ・ハー」や「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」など、ビートルズ時代の名曲もいっぱいなんですが、「ビー・バップ・ア・ルーラ」や「ブルー・ムーン・オブ・ケッタッキー」など、その他のカバーがいい感じなんです。
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「MTVアンプラグド」では、意外なアーティストのアンプラグド版の演奏が聴けるのが、ひとつの醍醐味なんですよね。
自分の中で、そういう ”意外” の落差が楽しかったアーティストの「アンプラグド」のアルバムです。
ロッド・スチュワート
「Unplugged...and Seated」1993
1993年2月:MTVアンプラグド
染み入るようなクラプトンのアルバムと違って、ロッド・スチュワートのこのアルバムは、かなり楽しい感じなんですよね。
ロッド・スチュワートといえば、自分にとっては、どうしても「アイム・セクシー」な印象が強いのですが、「アンプラグド」で聴くと魅力的な歌声だということを再認識させてくれるんですよね~。
また、このライブでは、いろんなミュージシャンが参加してるのが楽しいのですが、ロッド・スチュワートの時はロン・ウッドが来てました。
後年、映像で見たら、ほんとにいました!(当たり前だろっ)
ニルヴァーナ
「MTV Unplugged in New York」1994
1993年11月:MTVアンプラグド
正直、このライブアルバムを聴くまでは、それほど、ニルヴァーナに関心があったわけじゃないんですよね。
自分にとってグランジは、それほど魅かれるものではなかったのです。
このアルバムはカート・コバーンの死後のリリースということもあって、かなり話題になって、自分もその流れで聴いたのですが、自分のカート・コバーンのイメージとは違ってたんですよね。
自分にとって、ニルヴァーナとの出会いは、実は、このライブアルバムなのです。
キッス
「Kiss Unplugged」1996
1995年8月:MTVアンプラグド
え~、キッスも「アンプラグド」?
ちょっと興味湧きますよね。
聴いてみると、普通にロックしてたりするんですよ、これが!
たしかに聴きやすい感じはあるんですが、音はシンプルになっても、キッスはやっぱりキッスなんです。
旧メンバー(当時の)を交えての演奏は楽しそうなんですが、メイクがないと誰か分からない自分だったりするのです。w
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最近のミュージックシーンは、PC上で何でもできる世界になっているだけに、いずれ、90年代のこの「アンプラグド」のような、「生」を求める動きが出てくるかもしれません。
多様性の中でも、やっぱ、「生」っていうのは、プリミティブな部分に響いてくるのも事実なんですよね。
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