わたしはくま。
わたしは、クマのお母さん。
おいしい実をほおばってまた、こぐまといっしょにあまい匂いをたどってゆく。
わたしは、もふもふの毛のクマ。
背中がかゆくて、ごろごろ地面に転がるクマ。
わたしは、木の実をものぐさな格好でモグモグと食べてはむさぼり、頰ばるクマ。
赤いこの実はあまく、すっぱい。
しっとりとうるおう森の中でたのしげな朱(あか)で、また目をうるおす。
朱い実は、グーグーといつでも空のようなお腹につめこめばまた、至福の眠りへ辿る。
洞穴はさいこうだ。
しずかで、少しひんやりとしてしっとりと湿り気のある清んだ空気がじゅうまんしている。
よるには、こぐまと洞穴でねむる。
しんとした、ひんやりするほらあな、ねむるくまのわたしとこぐま。
しずかなホシ。
すべてを、おおう藍色とひかりの帳(とばり)。
過去を語り今を語り私の大切な記憶をここに残します。 思い描いていることを少しずつ何か形にしていく場所にしていきます。