お金をかけないフリーランス&個人事業スタートアップマニュアル
2014年11月6日初版
著者 榎本 博之 中小企業診断士
レコメンド⭐⭐⭐⭐
自分の才能だけで食べていく!新しい働き方の技術
中小企業診断士として経営改善のコンサルタントをメインに行っている著者が、お金をかけずに身の丈に合った起業の方法を解説。ポイントは「お金の使い方」と「リスクの減らし方」。成功するために必須のスタートアップマニュアルである。
著者は、昭和47年東京都墨田区生まれ、中央大学商学部卒業。経歴は、新卒で大手食品スーパーの青果部門に勤務後、平成13年に中小企業診断士資格を取得し、独立開業した。現在は、商業の経営コンサルタントとして活動の他、起業家セミナーの講師を務めている。
本書の出版は、今から10年前の2014年であるが、その当時においても著者は、起業の大きな波が来ているのは間違いないと実感していた。
その証拠に、著者が開催する起業家セミナーは平日昼間にかかわらず盛況であり、行政支援策の創業補助金をきっかけに起業を考える人がかなり増えたことがあげられる。
本書では、著者が支援した様々な起業における共通するポイントを抽出し、リスクを低減しながら起業を成功させるための実践的な内容や心構えを解説している。漠然と起業を考える人は、本書を読めば起業する前から起業した後に至るまでのイメージが整理できるだろう。
一般的に起業は、リスクが高いとされているが、リスクを低減しながら最小限のお金で起業することはできる。そのためには事前に計画を立てることはもちろんのこと、まずは現在の自分の知識や経験の棚卸をおこなうべきである。そのうえで起業のスタイルやメリット、デメリットを考慮して決めれば失敗の確率を下げることができる。
本書の中では、著者が実践から得た起業の成功ポイント7つについて詳しく説明している。起業前の取り組みとして参考にしたい基本的な事項が多い。
これからの働き方の1つとして、個人事業主&フリーランスで起業して生計を立てる働き方が確立されるのは間違いないだろう。自分の才能や能力を活かしながら地域経済の活性化に寄与できることは、仕事のやりがい、生きがいにつながる。
特に若者、女性、シニアの創業支援には、政府系金融機関において特別融資枠があるなど一般的に知られていないことが多い。この他にも小規模事業者は、地元の商工会や商工会議所で気軽に経営相談を受けることができる。
士業である弁護士は無料で相談を受け付ける法テラスという仕組みがあるが、同様に小規模事業者が無料で相談できる”かけ込み寺”事業を地方自治体が運営していることはそれほど知られていない。このような国や地方自治体の窓口を利用すれば、個人事業主やフリーランスで事業をしていくなかでのトラブルや悩みを相談でき、解決にむけての助言をもらえる。
近年、社会課題を解決したい若者の起業家、女性の起業家、そして早期退職してセカンドキャリアを築く起業家が増えている。本書は、そのような人たちに向けて、起業の基本についてわかりやすく解説されている一冊である。
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