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この3年間のこと。│阿部 更
息子が保育園に入園して3年。
私はいつも自問自答してきた。
「ママと一緒にいたい」
「今日は何時に帰ってくるの・・?」
まだ幼い息子にこんなことを言わせて、私は母として失格なんじゃないか。
私が働き続けることは息子の幸せと引き換えになっているんじゃないか。
泣き叫ぶ息子の手を振り払って、逃げるように保育園を出て、
会社へ向かう地下鉄の中、いつも自分に問いかけた。
私の両親は教員で、2人とも仕事に誇りをもって働いていた。
でも、お母さんはいつも「どうして私ばかり・・」と泣いていた。お父さんと同じ仕事をしているのにどうして私ばかりこんなに大変なんだと。
お父さんはいつも困っていた。
自分も一緒に家事や育児をやらないといけないと気づくまではお母さんが何に怒っていて、どうして泣くほど辛いのか、わからなかったんだと思う。
それでも、お母さんは一生懸命仕事をつづけた。
家事と育児と仕事の両立に悩みながらも、仕事のやりがいを見つけ自分らしく生きてきた。
そんなお母さんの姿を見て、女性たちがもっと働きやすくて自分らしく生きていける社会を作りたい。
そう思って、この会社に入社した。
地下鉄の中でいつも、考える。
お母さんは働き続けたことで自分のアイデンティティを見つけ、教員を退職してからも社会に貢献しながら生活している。
働くことは悪ではない。
でも息子にとっては?
いつも気持ちがぐるぐるした。。
2年経って、息子に関わるそれぞれの役割の人が適切な関わりやつながりをもつことで
私だけと過ごすより人生が豊かになるということに気づいた。
息子は保育園で、大好きな先生を見つけた。
ママよりもパパよりも、楽しいことを知っていて、いろんな歌を唄ってくれて
ママと離れるのが不安なときはそっとそばに来てくれて手をつなぎ励ましてくれる素敵な先生。
保育園に入園してから、息子の育ちを温かく見守ってくれる人が格段に増えた、こんな環境で育つことはなんて幸せなんだろうと思う。
でも、こんな風に思えるようになったのは、私が身近にジェンダーのことを相談できる人がいて、自分の歩いてきた道や進む道が間違いじゃないと思えたからだと思う。
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職場で、家庭で、SNSで・・。
私たちは日々の生活の中で、うまくいかないことに腹立たしく感じたり、自分の力が無力に感じて、身動きが取れなくなることがある。
自分の抱える問題がジェンダーに関係すると気づいて、私だけの問題じゃないと思えたらまた走り出すことができるかもしれない。
このnoteを通して、ジェンダーについて学びを深めたり、気づきを得られるように、
そして、明日が少しだけ明るくなるように。
そんな願いを込めて今日から、noteを再開します。
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阿部 更(札幌市男女共同参画センター職員)
プロフィール
札幌市児童会館での勤務を経て、2019年に札幌市男女共同参画センターへ異動。
産休、育休を経て、2023年4月から事業係へ。
夫と息子と三人暮らし。
動画は1.75倍速、頭の中は来週のご飯のことと、息子の保育園の準備のこと。
好きなことは夜中のネットショッピング。