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社会派エンターテインメントな”教材”

コロナウイルスの影響で「おうち時間」を動画配信サービスに費やした人も多いのではないかと思っています。
そんな人におすすめしたい番組があります。
「ル・ポールのドラァグ・レース RuPaul's Drag Race」
なにそれ?という方、ぜひ、ぜひ見ていただきたい。
ルポールってだれ?なに?というとこから説明したいのですが、
とても分かりやすいリンクを見つけたので、今回はこちらで割愛させていただきたいです。
【漫画で紹介】自分を愛せない人に勇気をくれる 
ドラァグクイーンの勝ち抜きオーデ番組「ルポールのドラァグレース」


番組に参加するためのオーディション倍率がとても高い中から
選ばれた13人の精鋭が「ネクスト・ドラァグ・クイーン」を目指し
競い合っていくのですが、その過程がとても社会派。まるで教材。
仕事、政治、恋人、生まれた故郷、、、、など様々な背景を持ち合わせた個性的なクイーンが王冠を目指して戦います。
特に課題と呼ばれる選考会(コメディ、ミュージカルなど様々)の前に出演者たちが集まるワークルームでのやり取りにとても考えさせられます。
必ずと言ってもいいほど出てくる言葉が”家族”
幼いころに両親を失った経験、虐待の経験、ネグレクトの経験など考えても想像もつかないような、壮絶な過去を抱えながらもクイーンとして生きている姿に毎シーズン胸を打たれています。

特に今回シーズン12で好きになったクイーンがいます。
ジャッキー・コックス(jackie coxnyc)@jackiecoxnyc
中東イラン出身の母とカナダ出身の父を持つアメリカン。
キュートなルックスだけどしっかり意見も言える34歳ベテラン。
自分のルーツが中東であることを、小さいころは口に出せなかったそうです。
母の体調が悪く、叔母(母の姉)に手伝いに来てもらおうとしていた矢先の中東からの入国禁止例に、彼は国への信頼を打ち砕かれたと話します。
そんな彼女がファッションショーのテーマ「星条旗よ永遠に」で着た衣装がこちらです。

無題

しびれました。
星条旗のヒジャブ。
シンプルだけど多くを語る衣装でした。

私は日本人で、海外にも旅行で数回しか行ったことがありません。
父も母も、祖母も祖父も日本人で、今も日本に住んでいます。
自分のルーツと呼ばれるものに対し疑いを持ったことがありませんでした。
ただ、思い返してみれば私の出身地は訛りのひどい地方なので、
「あの県に行くためには入国手続きが必要だから」とバカにされることはありましたが、気にも留めていませんでした。
冗談だと思っていたことも、とても酷い発言だなと改めて思いました。

今回のコロナウイルスの県外移動禁止例などを体験し、彼女の経験と比べれば、雲泥の差がある話ですが、肉親に会えないことがどれだけ辛く、悲しいことなのかを体感しました。


長寿番組になると、さまざまな問題や意見が出ています。
でもルポールが番組中に発言した言葉が素晴らしかった。
「ドラァグは物議を醸すものです。多くの意味を持つ表現です。問題提起をするならこの場が最適です。」

コンセプトを変えず、社会的な内容も含めながらエンターテインメントに仕上げることが出来るのは本当にすごいと思っています。
今回のシーズン12の配信は、とても心に残る、お気に入りのシーズンになりました。

ファッション、メイク、自分の愛し方…などいろんなことを学べます。
ぜひ、一度ご覧いただきたいです。

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