【lifestyle】登るべき”山々”
「まず登る山を決めろ」
ソフトバンクグループ会長の孫正義氏の名語録の中で印象的な言葉だ
登山家は高い山に挑むときには、綿密に計画を立て、季節に応じて装備を整え、ルートを決める。ビジネスも同じで、達成したい経営目標を明確にし、乗り越えるべきライバル企業を想定して戦略と戦術を立案していくのである
という教えである
若い頃に読んだときは、ものすごく影響を受けて1つの登る山をひたすら登りつめることを目標にしてきた
しかし、最近では
登るべき”山々”を決めろ
という言葉に自分なりにアレンジして考えるようになった
以前は1つのことを突き詰めて誰よりも努力をすることが大事だと思っていた
それは、例えばオリンピックのメダリストであったり、百年一日の如くカンナを削り続ける宮大工、世界的なバイオリニストのようなイメージだった
要は何万時間も同じことに費やし、到達できるかできないか分からない道を志をもってひた進む者だ
仮にそこまで深刻にならずとも、ひとつの会社で定年まで地道に働き続けるのも登る山を決めて進むことに変わりはない
半沢直樹のように頭取になることを目標(地位だけでは無いと思われるが)にサラリーマン人生を全うするのも同じだ
確かに今までの社会はひとつのことをやり通す人を美徳とする日本人的な感覚があったように感じる
確かにそれはそれで間違っていないし全て正しい
ただこの孫正義氏の言葉や成功者の成果だけを捉えてはいけない
数年前の話になるが、今では10番を背負うサッカー日本代表の中島翔哉選手がロシアW杯の選考から外された理由は『ポリバレント性』が足りなかったためだ
ポリバレントとは複数のポジションをこなせる能力のことである
現代サッカーにおいては、突出した絶対的なストライカーも必要だが様々なポジションをこなせる能力が求められているのだ
同じくサッカー日本代表の本田圭佑選手はプロサッカー選手でありながら監督やチームマネージメント、ボランティア活動、ビジネスなど実業家として結果を出している
そんな本田選手について保守的な意見を持つ人も多いかもしれないが、これからこのような人はどんどん増えてくると思われる
ひとつのこと(山)を突き詰める中でも様々な能力(山々)が求められる
すなわちサッカーでいうとポリバレントであり、サラリーマンであれば営業職や管理職などをこなせる能力だ
また本田選手のようにサッカー(山)だけでなく実業家としての活動(山々)もこなす能力だ
ミクロにもマクロにも捉えられるが、いくつかの能力を個人が持ち合わせることで、その人の価値はより希少性を増すことになる
それにより、オリンピックでメダリストにはなれなくとも同等の希少性のある人材になることは可能なはずである
これからAIの進歩で必ずマニュアル的な仕事だけでなく多くの仕事は機械がするようになる時代がやってくる
その時に人間として、個人として必要な人材である為の思考のベクトルの方向転換が求められているのではないだろうか
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