【architecture】京都府立陶板名画の庭|安藤忠雄
世界的にみても屋外の美術館というのは珍しいのではないだろうか
今のこのコロナ禍においては、先進的なの美術館である
京都府左京区下鴨に1994年安藤忠雄氏による設計で完成した『京都府立陶板名画の庭』である
学生時代の18年くらい前の建築行脚で訪れていたが、昨年この近くで住宅を設計する機会を得て再訪した
数年ぶりに訪れたが変わることなく、相変わらずダイナミックな建築だなぁと驚かされる
屋外に巨大な陶板の名画が展示されている
作品は8点でモネの『睡蓮』やミケランジェロの『最後の審判』、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』などがある
巨大な陶板もさることながら、建築自体も迫力がある。
入口についた頃には、すでに水が滝のように流れる音がしてくる。
水の音を聞きながら真っ直ぐに伸びる一本道を進むと折り返して、スロープ状を下りながら作品と水を眺める建築だ
一筆書きになっているルートをぐるっと回ると元の入口に戻ってくる設計だが、視線の抜けや、逆にあえて隠しておいて振り返るとパッと開けた空間など単純と複雑さが入り混じった安藤建築ならではの迷路性を感じることができる
それにしてもではないが、相変わらず地下を掘ったり水をふんだんに使ったりとこれだけ費用のかかる建築を作ることができたなぁと驚かされる
陶板画は寄付によって出来たものであるが、維持費やメンテナンスは大変だろう
だからといって入館料は高くなく、大人100円とびっくり価格なのである
大阪府立狭山池博物館の水の使い方にも驚かされたが、ここまで掘っては水を使う建築家は安藤忠雄氏以外では考えられないように思う
東京ではあまり見られない関西ならではの安藤氏らしいダイナミックな建築をぜひ味わってもらいたいと思う
近くにはB-LOCK北山という安藤建築もある
コンクリートブロック造でこれも面白い建築なので併せて見てもらいたい
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