地方と都会の分断か共生か。地域活性化のアフターコロナは?
前回は地方の魅力を知ってもらう1つとして、
有事は地方に疎開か?なんて、
記事を書きましたが
そんなことを言っていてはいけない状況になりましたね。
私は地方で自然に囲まれてのんびりしながら
仕事をしたり静養する人が訪れる、交流する・・
という感じでイメージしていましたが甘かった・・(苦笑)
感染の有無がわからない見えない
ウイルスなので、
知らない間に持ち込み拡散させてしまう。
さらに、本当に追い込まれてから一気に人が
都会から流れ込む感じなので急激に人口密度があがりやすい。
そもそも、生活のために来るのではなく
遊びやレジャー感覚でやってくるので
地元で生活されている方にとっては迷惑になることもある。。
いきなりの長期滞在は生活に必要な限られた
リソースを取り合うことになりかねない。
などなど、不特定多数の方が身を守るために
急にやってくるのはリスクがあることなんだと理解しました。
私の親の出身地である島根県は未だに
感染者ゼロ
ということで、
県外ナンバーの車が増えているそうです。
普段なら観光業的には喜ばしいところですが、
今回は病気の持ち込みリスクがあるために歓迎ムードはなし。
人は本能的に命に関わることには
敏感になるのが当然で
場所に限らず、
ウイルス拡散の恐怖を味わいたくない
のは当然のこと。
コロナウイルスを経験して見えてくることは、
人口が多い都市(東京や大阪など)と地方での
関わりの難しさなのかと。
もちろん海外観光客との関わりも含めて。
これまで地方の生き残りとして、
定住人口よりも交流人口を
増やすという施策をめざしてきたところも
多いと思いますが、突然やってくる
都会からの未知なる人々への対応は
性善説だけでは成り立たないんですね。
誰でも来てOKという訳ではない。
例え、お金を落としてくれても。
コロナウイルスをきっかけに、
都会と地方の分断や意識の違い、、
なんかがよりはっきりしてくるかもしれません。
とは言っても、人口が少ない地域にとっては
都会の人が落とすお金は重要です。
アフターコロナを見据えて、どんな形で
地域外から人に来てもらうのか、
お金を落としてもらうのか改めて整理する
必要があるのではないでしょうか?
例えば、
●地域外から人にきてもらう
◇日帰り・数日の観光
観光施設を利用し、観光地を訪問。
いわゆる観光エリア内での
関わり。
◇長期滞在
長期滞在型の宿泊施設、生活
療養や仕事など生活しながら滞在。
地域住民の方との交流
●地域外にモノを売る
日本国内、海外へ地域産品、加工品などを売る
多様な価値観の不特定多数の人と関わる
煩わしさは少なくなる。
商品の魅力・価値での勝負
など、地域によっていろんな戦略は
とれると思いますが
地域全体でどんな政策をとるのか、
決めるのは難しい。
やはり様々な利害関係を調整しつつ、
同じ方向性を提示できる
リーダーがいるかどうか。
私は地方活性化に興味があり
ふるさとプロデューサー研修に
参加しましたが
そんなリーダーシップの難しさや
リーダーの不在を垣間見たので
簡単ではないことは理解しています。
しかしながら、とりあえずお金を落としてくれればいいので、
誰でで来てくれてOKなのか、
地域のことを知ってくれる、
ファンになってくれる、
地域との関わりがあるという人に来
てほしいのか、
ターゲット層は異なるので、
どちらを選ぶのか決める必要が
あるのかなと思います。
そんなことを考えていたら、
新聞に星野リゾート代表の
星野さんの記事が載っていました。
一部、印象に残った内容を書きます。
(日経新聞 朝刊15面 2020.4.7より)
・今後、治療薬やワクチンが出来てくるまでの1年から
1年半は自粛と緩和を繰り返す。旅行の目的自体が変化し
当面は社会に貢献する観光業が求められる
・自粛によるストレスや感染症による恐怖からの解放などが
重要なテーマになる。
3つの密を避け感染症を拡大させないことを
前提にしつつ顧客の目的に合う滞在をどう提供するか。
・リモートワーク時に利用できるプランや、家族で施設を貸し切れるプランを企画した。
観光業も社会にどう貢献できるかが
問われている。
・新型コロナをきっかけに仕事と
結びつけた滞在型の旅なども
広がる可能性がある。
・地方の集客力はまだ弱く、
東京五輪こを本来なら
全日本五輪にすべきである。
など、観光業全体の役割について
語られていました。
観光業は特に新型コロナで新しい動きが
加速しそうですね。
とにかく、新型コロナウイルスで
地方と都会の分断や
何かを押し付け合うのではなく、
新しい融合・共生のヒントを得る機会に
なればと私は思っています。