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⑥抗がん剤治療開始(メソトレキセート筋注レポ)【胞状奇胎】

前回のお話し

深夜の大出血後の各検査の結果、臨床的侵入奇胎(肺&膣への血行性転移の疑い)により抗がん剤治療が始まった。
※妊娠発覚から2ヶ月半、流産から1ヶ月半経過時点

メソトレキセート単剤療法について

薬剤名 :メソトレキセート(MTX)
投与経路:筋肉注射
スケジュール:5日連続投与→9日間休薬の14日周期×約10クール(陰性後の地固め3クール含む)

ちなみにこの筋肉注射は3ccなので、
か!な!り!痛い。
腕や脚、お尻に打つが、腕は‥本当にやばい。
絶対お尻がおすすめ。
打つ位置の微妙なズレや投与者によっても痛みがかなり変わるので毎回ドキドキ。

投与中終盤から投与後5〜10分程度唸り続け意識が飛びそうな程の酷い鈍痛が続く。

それが終わればケロリと元通りだが、5日間連続投与を隔週で半年間続けると思うと‥‥ワナワナ

<1クール目:day1〜5💉>

なぜか1クール目は、男性医師だったこともあってか連日腕に打つ羽目になり毎日悶絶。
(あとからTwitterを見てお尻に打つのが主流と知る。)

💉day1 @左腕
『少し痛いですが、ワクチンの筋肉注射みたいな感じです〜』

→確かに針自体の痛みはほぼ無し。
しかし投与終盤から投与後5分間程、筋肉がジュワーっと焼けるような、鼻を正拳突きされたような痛みに襲われ、あまりの痛さにヴァアァアと唸りながら悶え続け頭の周りをひよこが飛びまわる🐥🐥🐥

副作用:特に無し

💉day2 @右腕
→相変わらず、投与直後が凄まじく痛い。

副作用:夜に唇に口内炎が1つ発生

💉day3 @左腕
→痛み変わらず。

副作用:翌朝に嘔吐、ロキソニンも効かない強めの頭痛、口内炎育つ

💉day4 @右腕
→この日の女医さんはかなりゆっくりと注入して下さり、前日までの悶える痛みは無かった。
コロナワクチン程度の痛みで済み、これまでの恐怖心が無くなった。

副作用:口内炎引き続き育成中、下痢、排尿痛🆕

💉day5 @左腕
→痛い。回数重ねても慣れないタイプの痛み。

副作用:口内炎、下痢、前夜から排尿前後に自力で歩けないほど猛烈な痛みに襲われる。

<休薬期間:day6〜14🏠>

🏠day6〜7
→副作用:微熱(37.8)、口内炎が悪化、下痢、排尿痛、倦怠感、痔

🏠day8
→副作用:排尿痛は若干軽減、微熱、口内炎、倦怠感、痔

🏠day9〜14
→副作用:このあたりから怒涛の口内炎祭りがはじまる。
倦怠感&口内炎&痔も酷くて全身超絶最悪なコンディションで全てがロートーン。ご飯の味見どころか発声も出来ず、会話も絵本も殆ど出来なくなり娘もストレスから暴君に変貌。

💉⇄🏠1クール(14日間)まとめ

▶︎投薬5日間💉注射の痛みと猛烈な倦怠感
▶︎休薬前半🏠微熱と倦怠感と痔
▶︎休薬後半🏠剃刀を噛み砕いたような口内炎に見舞われ激痛で疲弊&痔
→口内炎が直り切らないまま、また投薬日を迎え振り出しへ戻る。

抗がん剤の副作用:口内炎について

抗がん剤投与後、通常口内炎が5日ほどで発生し、その後10日ほどかけて自然治癒していく。

胞状奇胎の治療は休薬の中日が9日間しかない為に、口内炎が治り切る前に週を追うごとに増強されていく実感があった。

『剃刀を噛み砕いたような口内炎』と表現されるほど、メソトレキセートの口内炎は有名らしい。

私の場合、2クール目休薬期には育児との両立に限界を迎え、深夜に娘と共に大泣きしながら実母に電話で助けを求めた。15分後にはインターホンが鳴り、スーパーウーマン登場。
とてつもない安堵に久しぶりに熟睡し、それからしばらく一緒に生活をしてもらうこととなる。

この歳にもなって親に頼り切りになってしまうのは情けないが、家に大人の話し相手がいることでどれほど心が支えられたことか。

今も前を向いて病まずに治療ができているのは、
いつも通りそっと寄り添い自然に振る舞って明るい空間を作ってくれている両親のおかげでもある。

そして3クールを終えたあたりで、文字通り口の中がズタボロに。

両頬内側の全体に赤白い炎症が張り巡り、唇に2cmの特大口内炎、舌の両側に歯形の3cmほどの舌炎、扁桃腺に白い無数の潰瘍。薬を塗ろうにもティッシュで少し触れただけでもすぐにダラダラと出血。

最終的には上記に合わせて呼吸も難しくなるほど喉が腫れてしまい、食事は愚か水分も全く取れず真夏も相まって脱水症状でフラフラに。

緊急入院の末1週間点滴のみで栄養と水分を入れていただき療養。

【追記】抗がん剤の口内炎治療に詳しい院内歯科医の先生の勧めで、このあと上下マウスピースを作りました🦷🦷🦷抗がん剤投与をすると口の中がむくみ、歯があたり口内炎が出来やすくなってしまうそうですが、マウスピースをつけることでこれを軽減できる可能性があるそうです。
私はMTX中には用意できませんでしたが、この後も次の薬ではマウスピースを装着するようにしてから、口内炎は少なくなり治癒も格段に早まりました。ぜひお困りの方は主治医の先生経由で院内歯科医にご相談を!!!!!

MTX中止、アクチノマイシンDへの治療変更

この入院中に【口内炎グレードⅢ】の診断と合わせて好中球も800を切ってしまったことから、副作用を理由にメソトレキセート中止となる。

次に控える選択肢はアクチノマイシンD単剤(中等度の脱毛を伴う薬剤)のみ。

主治医から「口内炎がグレードⅢになると、危険を伴う為ガイドライン上医師としては薬剤変更せざるを得ない。髪の毛はまた生えてくるから、命を優先ないとだめ。」との説明を受け、撃沈。

痛みに耐え抜けず救急受診してしまったことを深く後悔し、ここにかかり始めてから初めて医療者の方々の前でボロボロメソメソ泣き続けるメンタル崩壊患者モードに突入する。

つづく

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