息子が2階から転落した話
ブラジルでのことです。
元夫がDIYで母の家の裏庭の物置の上に、
キッチン&トイレ付きの部屋を造り、
母と義母が同居していた時期がありました。
初孫であるうちの娘が生まれた年に
義父が亡くなり、
不便な地域で一人暮らしとなった義母にとっては
出掛けるのにも便利な町中の母宅、
うちの母にとっても、一人暮らしの一軒家では
危険なサンパウロのこと、
母が日本に行くようなことがあっても
自動的に留守番の人がいるという、
持ちつ持たれつの関係です。
文化も言葉も違う二人ですから、
食事もそれぞれ作って食べますし、
下手に細かいことまで話せないから
喧嘩にもならないという、
ちょうどいい距離の関わり方ができるというわけです。
で、
その部屋も完成間近、
あとは細かい仕上げと
階段や階段を上がってからドアに向かうまでの
犬走りに手すりを付けるだけとなったある日、
まだ元の家に住んでいた義母が部屋を見にきたので、
全員で出来かけの部屋を見て、
それでは下りましょうという時です。
皆でぞろぞろと手摺のまだない犬走りを歩いている時、
元夫となにやら話しながら、
最後から2番目に外に出た私が
うっかり前を歩いていた犬に足で触れてしまい、
驚いた犬が前に進んだ弾みで、
その更に前にいた、当時3才の息子につんのめり、
その弾みで息子が転落したのです!
「ギャーッ!」
一同が悲鳴を上げる中、
世界がスローモーションになり、
息子は木の葉のように
フワフワと右へ左へと数度バウンドしながら落ちて行き、
落下した地点から
2~3メートル離れた花壇にするスペースの土の上、
しかも何か資材を置いたあとだったのか、
何故か広げた新聞紙の上に
フワっと着地、
息子はすぐさま立ち上がって、
”Porque é que não me segurou?"
「なんで捕まえてくれないんだよ!」
と、文句を...。
どう見ても本人は全然平気だし、
それ以前に、
「あの地点」から落下して
「この地点」に着地するのは矛盾しているし、
(ちなみに落下した地点の真下はコンクリート)
全員スローモーションになったのを目撃しているし…。
それでも
「なんであれ2階から落ちたんだから」
ということで、
急いで病院に連れていき、
いろいろ調べてもらった結果、
やはりかすり傷一つ無いと確認しました。
そんなこんなで、
ここまで何本もの「不思議系」の記事を書いて参りましたが、
改めて
これがうちの「不思議の最高峰」だし、
当時は半信半疑というか、
なんとなくそういうことがある家だと
思っていたのですが、
こうやって記事にして並べてみると、
明らかに
「とてつもなく普通じゃない一家だ!」
と、思う次第です、はい ...。
今思えば、そんな小さな子がいるというのに
なんで誰も手を引いてやっていなかったのか
とも思いますし、
(これは建設中、何度も子供達は遊びながら
上ったり下りたりを繰り返していたため、全員が慣れてしまっていた。
ただ、そんな大勢で、前や後ろがつかえた状態だったことは
なかったというだけのことなのですが…)
そこまで不思議なことが起きたのに、
充分感謝をしていなかったとも思います。
(ちなみにあのとき手を差し伸べてくれたのは、
奴隷の子だったという元夫の祖父だたのかもと思っています。)
慣れとは恐ろしい!
で済ませられるレベルのものでもないような気がしますが、
「Note」を始めたことも、
当初予定すらしていなかったこのようなエピソードを
執筆する機会を得ていることも、
それら全てを見つめ直す機会として
与えられたもののような気がしてなりません。
そして何より
「あの話も書いてみよう、この話も書いてみよう」
というモチベーションが沸くのは、
読んで下さる皆さんがいらっしゃるからです。
いつも本当にありがとうございます!
この気持ちを忘れずに、
これからも書き続けられればと思いますので、
今後ともよろしくお願い申し上げます!
m(_ _)m
※ 「不思議の国の Shiomin さん」は、
こたつぶとんさんに画いて頂いた作品です。💗