【ポルトガル語】「手を塗る」「手で塗る」「機械を塗る」「機械で塗る」
これは以前紹介したもの ⇓ の続きですね。
前回の記事では
「手を○○する」と「手で○○する」という
シンプルな文の比較でしたが、
今度は、
「手で手を塗る」と「手で機械を塗る」と
「機械で手を塗る」と「機械で機械を塗る」
といった、
直接目的語と間接目的語双方が登場する文の比較です。
⇓
「塗る」と訳した「pintar【ピンタール】」動詞は、
英語の「to paint」に匹敵するものなので、
「塗る」のみならず、
「(絵具などを使って)筆で描く」
という意味にもなります。
「a mão」と「à mão」
(どちらも【ア・マゥン】と聞こえます)
も
「a máquina」と「à máquina」
(どちらも【ア・マキナ】と聞こえます)
も、
見てのとおり
「a」にアクセントが乗っているか否かの違いのみです。
アクセント無しの「a」は
定冠詞(女性形)なので、
「~を」と訳されることになる直接目的語を示し、
アクセント付きの「à」は、
上に貼り付けた記事にも
昨日の記事にも記したとおり、
前置詞の「a」+定冠詞の「a」がリエゾンしたものなので、
「~に」・「~へ」などと訳されることになる
間接目的語を示すものです。
❇❇❇
「mão【マゥン】」(手)という語の成り立ちや、
それ故の複数形への変化の仕方などについては、
こちらの記事に記しております。
⇓
なお、
「máquina【マキナ】」(機械)はというと、
語学が苦手な人でも
「イタリア語などでは「chi」と書いて「キ」と読む」
といった雑学を身に付けておくと、
「あ、英語の machine とそっくりじゃん!」
と、すぐ気がつくようになりますね♪
❇❇❇
ところで
「手でする」か「機械でする」かの代表格と言えば
お裁縫です。
「縫う」は「costurar 【コストゥラール】」
というので、
「costurar à mão」が「手で縫う」、
「costurar à máquina」が「ミシンで縫う」
となります。
「ミシン」は厳密には
「máquina de costura」
伯葡語:【マキナ・ジ・コストゥーラ】
欧州葡語:【マキナ・ドゥ・クシトゥーラ】
というのですが、
これって要は
「縫製の機械」という意味なので、
「costura」と「costurar」の両方が
一つの文に出てくるようなことはなく、
「『縫う』と言っているのだから、
この「máquina」とはミシンのことだ」
と理解するのです。
ちなみに
ポルトガル語で機械の名前はこういうものが多く、
「máquina de escrever」
伯葡語:【マキナ・ジ・エスクレヴェール】
伯葡語:【マキナ・デシクレヴェィレ】
がタイプライター、
「máquina de lavar roupas」
伯葡語:【マキナ・ジ・ラヴァ―ル・ホウパス】
伯葡語:【マキナ・ドゥ・ラヴァ―ル・ロウパシ】
が洗濯機
といった塩梅ですので、
「escrever à máquina」であれば、
字ずらだけなら
「機械で書く」ですが、
訳す時には
「タイプライターで書く」、
「タイプで打つ」、
「タイプで文書を作成する」
などとなりますし、
「lavar a roupa à máquina」ならば
直訳は「機械で衣服を洗う」ですが、
訳すのであれば、
「洗濯機で衣類を洗う」
または、
日本語ではそこまで違和感がない
「洗濯機で洗濯ををする」
ということになります。
従って、
「à máquina」と書いてあったり、言われたりしたら、
手前の動詞の意味に頼って理解するようにして下さいね!
本日もお読み頂きありがとうございました!
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