
いつまでも無事でいてほしい、また行きたいモザンビークのホテル... in Pemba
モザンビーク北部
カーボ・デルガード州ペンバ市に
ペンバ・ビーチ・ホテル&スパ
(Pemba Beach Hotel &Spa)
という
ちょっと素敵なホテルがある。


私自身1度だけ泊まったことがあるのだが、
それは美しいビーチに面しており、
アラビアンナイトの物語に出てきそうな雰囲気で、
イスラム系の会社が運営しているのに
お酒も出すし、
ちょっとしたパラダイス気分で過ごせるホテルだ。









Tripadvisor やBooking.comにも
まだまだ素敵な写真が載っている。
ホテルの様子を見ることができる
Youtube 動画
🏰⛱🏰⛱🏰
この美しくも快適なホテルは
今も営業しているが、
心配なのが
このホテルがある
Cabo Delgado【カーボ・デルガード】州だ...。
というのも、
外務省海外安全情報 - 外務省 海外安全ホームページを見ると
このように ↓ 記されている。
1 概況
(1)北部カーボデルガード州では、2017年10月以降、武装集団による襲撃事件が多発しています。当該武装集団と「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)との直接の関連性は不明なるも、2019年6月以降は「イスラム国中部アフリカ州」(ISCAP)名義での犯行声明が度々発出されています。ISCAPの声明では、イスラム法による統治の実現や政府に対する反感について言及されており、一般市民に加え、軍・治安機関関係者も武装集団の標的とされるなど、甚大な被害が発生しています。
2 各組織の活動状況または各地域の治安情勢
(1)北部カーボデルガード州
ア カーボデルガード州では、2017年10月以降、武装集団による襲撃事件が相次ぎ、多数の住民や軍・治安機関関係者が殺害されています。当該武装集団とISILとの直接の関連性は不明なるも、2019年6月以降はISCAP名義での犯行声明が度々発出されています。襲撃による死者数はこれまでで2,600人以上に上っており、住民約70万人以上が居住地からの避難を余儀なくされています。
イ 2020年8月には、モシンボア・ダ・プライアの市街と港湾が武装集団により襲撃・占拠されました。また、2021年3月には、国際液化天然ガス(LNG)事業サイト付近のパルマが武装集団の襲撃を受け、銀行を含む多数の建造物が破壊・略奪の被害にあったほか、外国人を含む数十名人が殺害され、住民数千人が避難民となるなど、甚大な被害が発生しました。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcterror_123.html
要はテロの脅威に脅かされている地域なのだ…。
ホテルのあるペンバ市と
上の情報に出てくる
モシンボア・ダ・プライアとパルマの位置関係は
下の図のとおり離れてはいるものの、

同じ州内であり、
昨年のパルマへの襲撃の際は、
多くの住民が州都ペンバに避難したりもしている。
(※ 「州」と訳しているのは日本の外務省がそのように定めているからで、厳密には「県」とするべき行政区分だ。⦅葡語:「província」⦆)
現在は小康状態で、
上の引用文にもある国際LNGプロジェクト(日本の会社も参加)についても
今年中の再開が囁かれてはいるが、
なにせ ISIL の直接的関連は不明とされるものの、
イスラム過激派絡みであることは間違いない。
しかも襲撃してきた犯人の多くは
洗脳された地元の若者…とのこと...。
ましてや現在の世界情勢だ...。
複数の鉱区から成る西側諸国の大型プロジェクトが
対象とするガス田を
簡単に諦めるとも考え難い。
モザンビーク政府は軍の投入を強化して
まだ森林に隠れていると見られる
テロリスト集団を追っているが、
このテロ集団の上層組織が
本気を出したら間違いなく恐ろしい...。
☠☠☠
襲撃されたモシンボア・ダ・プライアの教会 ↓

避難する住民 ↓

パルマへの襲撃で倒壊した建物 ↓

パルマを襲ったテロリスト達 ↓

LNGプロジェクト関係者を含む
12人の欧米人が犠牲になった
アマルーラ・ホテル(襲撃前)↓

BBC ドキュメンタリー
(閲覧注意。ご覧になる場合は
「YouTube で見る」をクリックして下さい。
↓
パルマ襲撃後の Sky News
(こちらの方がよりショッキングな映像在り。)
↓
☠☠☠
先日
ポルトガル時代の立派なホテルが
今は垂直スラムになっている件についての
記事を書いた
↓
同じモザンビークにある
ペンバ・ビーチ・ホテル&スパ...。
現在ニュースで毎日報じられるロシアによる軍事侵攻は
一見モザンビークからは遥か遠くの国の出来事。
それでも
天国のようなペンバ・ビーチ・ホテル&スパは
紛争地の地獄絵図と表裏一体だということだ…。
とくに最近中東諸国が次々に
ロシア側の支援に回っていることも
懸念を助長させる…。
😞😔😞
実は私は2018年までは1年に1~2回、
カーボ・デルガード州の隣の州を訪れていた。
仕事ではあるが、
何年にも渡っての仕事だったので、
当初は
ひょっとしたら
以前(2005年前後?)訪れた「天国」のような
ペンバ・ビーチ・ホテル&スパを
再び訪れるチャンスがあるのではないかとすら思っていた。
しかしながら
そのようなチャンスが訪れないまま、
気付けばモザンビーク北部は
日本国外務省の渡航回避勧告が常時出ている状態に...。
未だそこにあるビーチパラダイスへは
行きたくとも行けなくなった..。
ちなみに
こちらがモザンビークの
LNG 開発プロジェクトの概要/鉱区割りだ。
↓

⛈⛈⛈
未だ無事にそこにある
快適で素晴らしいホテル...。
出来るものならもう一度行きたいビーチリゾート...。
今は平和が取り戻されつつあると
報じられている地域に位置する素敵なホテル...。
報道どおり平和が戻り、
各国の大手企業が関わるプロジェクトが成功してほしいと思う...。
でも間違いなく
脅威はそこに存在し続けている…。
このホテルがある地域からは
遠く離れた国の紛争について報じられる度、
何故かこのホテルのことを思い出す。
そして
人間が創りだす「天国」が
如何に儚くあり得るかについて考える今日この頃だ...。
色即是空空即是色
本日もお読み頂き、誠にありがとうございました。

※ 「世界が平和でありますように!」、こと
「癒しの魔法使い 猫」はこたつぶとんさんの作品です。