安定化池に馬、沈殿池に子供...
引き続き20年程前の
ブラジルの地方都市の下水処理事情です。
郊外を含む大都市圏の台帳に載っている処理場を
片っ端から見学してまわった時のこと、
案内してくれた政府職員の女性が、
「実は今から行く安定化池は、
台帳上存在するとは知っているのですが、
一度も行ったことがなく、場所が定かではありません」
とのことで、
何度も道行く人に訊ねながら向かいました。
ちなみに安定化池とは、
自然界の微生物による分解や
藻類の光合成による酸素の発生などによって、
溜めた下水を浄化する施設です。
ようやく辿り着いた
その「安定化池」とやらは
とても下水道処理施設台帳に載っているようには見えない
ただの素掘りの池で、
担当者もなにも人は一人もいませんでした。
その代わり、
あろうことか、お馬さん達が行水中でした…。 >爆!
ちなみにお馬さん達も、
ポルトガル語圏のお馬さんだからか
我々が行っても、頓着する様子などまるでなく、
ボーっと、気持ちよさそうに浸かっているだけでした。 >笑
なので、
そこではそれ以上見るものもないので、
取り敢えず、
「お馬ちゃん、その水ばっちいよ!」
とだけ馬に声を掛け、立ち去ることにしました。
*****
お次は同じ調査で訪れた「沈殿池」とされる施設です。
「沈殿池」となると、素掘りだったりはせず、
通常の下水処理場にも必ずある施設なので、
「沈殿池」とだけ記されているのは不自然に思えました。
そして、いざ辿り着いてみると、
なるほど…、
そこには50mプールサイズ程度の「沈殿池」が
一基ポツンとあるだけで、
台帳を見ても「non-operational」と記されているので、
稼働はしていません。
自然流下で流入しても、
施設は稼働していないため、
結局溢れた順に垂れ流しているという、
ま、滞留時間ができることで、
多少は「安定化池」としての役割を果たしているかも…程度の
「何やってんだい!」な状況です。
しかも、あろうことか
子供が2~3人入り込んで泳いでいました!!
それぞ、
「何やってんだい!!」
です…。
これにはさすがの案内訳の女性も呆れて、
「この水はウンチやオシッコが混じっていて汚いのよ。
あなた達、すぐ出て帰りなさい!」
と、慌てて子供達を追い払いました。
日本人にこのような状況を見られて動揺もしているようでした。
その後の彼女の説明によると、
その「沈殿池」は
とある研究機関が研究用に造ったもので、
その後、研究プロジェクト毎頓挫して、
それ以降放置されている...
とのことでした。
それにしても、
稼働していないからって、
誰でも簡単に侵入できるようにしておかないでよ…! orz...
という、
なんともびっくりな20年前のブラジル地方都市の
下水処理事情でした。
ばっちい話で失礼致しました!
※ 「水を滞留させて頂ければ、私が出ますプ~ン!」、否、
「蚊 笑顔」はこたつぶとんさんの作品です。