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もしかしてロシア語が由来?と思われるポルトガル語の表現:「Cadê【カデ】」

ポルトガル語の口語にちょっと面白い表現があります。

それは「Cadê【】」
というもので、

これだけで「~はどこ?」
という意味があります。

つまり、動詞を必要とせず、
「Cadê ○○」だけで
「○○はどこ?」という意味になるのです。

これは
形式的には疑問詞とされるものの、

例えば本来の「どこ」を意味する疑問詞の
「Onde」(伯葡語:【ンジ】、欧葡語:【ンドゥ】)であれば、
「Onde está ○○?」(「○○(物や人)はどこにある/いる?」)

「Onde é △△?」(「△△(場所など)はどこですか?」)

といったように、
英語の「be 動詞」に相当する
ser 動詞」や「estar 動詞」を伴わなければ文になりませんから、

動詞も兼ねた「Cadê」は他に類を見ない
特別な言葉なのです。

※ ここでポルトガル語に馴染みのない方のために
「ser 動詞」と「estar」動詞の違いをちょこっとだけ。


それぞれの現在形の変化は
Ser:   sou, és, é, somos, sois são
Estar:   estou, estás, está, estamos, estais, estão

で、

「Ser」は本来の性質など、不変な物や状態を表す場合の「~です」、
「Estar」は居場所や変化する性質や状態を表す場合の「~です」
なので、

例えば「彼女は病気だ」という場合、
それが一時的に風邪などをひいているのであれば
「estar」動詞を用いて、「Ela  está doente」
というのですが、これをうっかり
「ser」動詞を用いて「Ela é doente」
と言ってしまうと、
「彼女は病気持ちだ」、「彼女は病的だ」
のように聞こえてしまいます。


さて、本題に戻りましょう。

この「Cadê」について調べても、
「語源は不明」だとか、
ポルトガルでも使われるのに「ブラジル特有の表現」だとか、
「『que é de(英語で "that is of")』 を省略したもの」だとか、
納得できるような説明が出てこないので、

ここへ来て、
改めて昔聞いた「説」が正しいと思うようになりました。

その「説」とは、ロシア語を学んでいた元夫から聞いたもので、

「『Cadê』は、ロシア語の『グディエ (Где)』が語源だ」」

というものです。

この「グディエ」とは、 ○○」同様、
「グディエ ○○」「○○はどこですか」という意味になります。

違うところといえば、「グディエ」
道を訊ねるような場合にも使えるようなのですが、
は、基本「Onde está」という意味なので、
「Onde é」の代わりにはならない、
つまり
その時々で場所が違ってしまうようなことがない建物などについて
道を訊ねるようなシチュエーションには不向きだという
特徴があるということだけかと思われます。

※ 但し、建物などの場合でも、あちこち歩き回っているうちにさっきまで 
  見えていた目印の建物がどこだか分からなくなってしまったような場合
  や、風景を眺めながら「そこが○○なのなら、ええっと、△△はどこ?」
  といったシチュエーションでは自分目線が起点になっており、その起点
  をどこに置くかによって、対象物があっちだったりこっちだったりする
  ことになりますから「Onde está ○○?」や「Cadê ○○?」を使うことに
     なります。(やっぱりポルトガル語ってややこしいですね…。>笑)

2021-07-15 (15) - コピー


いやはや、
どうもポルトガル語の細かいところを説明しようと思うと
くどくなってしまい、恐縮なのですが、

要は、

「マリアさんはどこ?」と聞きたい場合、

ロシア語ならば「グディエ マリーア?」、

ポルトガル語ならば「カデ マリーア?」

と言えば通じるよ♪

というだけのお話でした!

(^^♪

長々と大変失礼致しました!

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※ 「猫の落語家」はこたつぶとんさんの作品です。




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