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日本人に「堪忍袋」があるのと同じでブラジル人にも「袋」があるんです…。w

まずはこちらの漫画をご覧下さい。

解説なしでは

「んっ?!?!」


ですよね…。w

なので解説しようと思います。w

👍👍👍

壁に寄り掛かっている男性は
「今日はそんな気分じゃない」
と伝えるのに

「Hoje tô sem saco pra isso」

ージ・トーセンック・プラッス】

と言っています。

これは直訳すると、

「今日はそのための袋がない」

になるのです…。w

「sacoッコ】」
             👆ほぼ「ク」
というのが「袋」なわけですが、

例えば
「もう沢山だ!」、
「もう嫌になった!」
「もう我慢できない!」

といった場合は

「Estou de saco cheio!」

【エスウ・ジ・ック・シェイウ】
(直訳:「私はもう袋がいっぱいだ!」)

と言ったりするのです。

ほぅら、「堪忍袋」みたいですよね!👀
(緒が切れるわけではないですけどね…。w)

ただ、
日本語の「袋」「堪忍袋」ならば
ポルトガル語の「saco」
「忍耐袋」とでも言うべきものです。

というのも、「saco」とは
相手にイライラして𠮟りつけるか否か…とかではなく、
自分が何かをするに際して
それをするだけの「忍耐力」というか「気力」というかが
あるか否かという話に用いられるもので、

また、そこから派生して、
そんな「『忍耐力』や『気力』を要する事」
つまり「面倒なこと」をも指すのです。

ですから

「Não tenho saco para fazer isso!」

【ヌンーニュ・ック・プラファッス】!
(「そんな面倒なことするのは嫌!」)

などという表現も存在しますし、

面倒だけれどやるという場合には、

「Ai que saco!」

【アイキック】
(「なんて面倒なの?!」)
《直訳:「なんという『saco』だ!》

などという表現が飛び出したりもするのです。

❇❇❇

ところで今回の漫画は、
ブラジルのポルトガル語(伯葡語)の
ハチャメチャぶりが光る(?)作品なので、
もう一度貼り付けた上で
表現等の説明をさせて下さい。

「E aí !」: 【イーアーー】と読みます。
      そして厳密には「?」を付けて、「E aí ?」とし、「で?」と
      相手に返事を促したりする表現なのですが、友達同士の場合は
       「やぁ!」といった挨拶としてもよく使われます。

「Mano」:ーノ】は「兄ちゃん」。実兄をこう呼ぶ人も実際います。
        👆 鼻音ね♪
      「お姉ちゃん」の場合は、勿論「Manaーナ】です。
                          👆 勿論鼻音ね♪

「Bora」:  【ーラ】。
                       👆 開口音。「バ」と言う時の口の形で「ボ」と言ってね!
         これに動詞の原形で「○○しに行こうや!」といった表現に
       なるのですが、これは「Vamos embora【ヴァーモス・エン
       
ーラ】」の略で、外国語としてポルトガル語を学ぶ場合は、
       当初「『Vamos embora』とは『帰りましょう』という意味
       です」
と習う人が多いこともあり、7才でブラジルに渡った私
       でさえ、最初の頃は「帰りましょう」と言いながらどこかへ
       行くのは変だと感じたのを覚えています。w

「Ali」:  【アッ】と読みます。「あそこ」という意味です。
       「Aqui【ア】」(ここ)
       「Aí【ア】」(そこ)
       「Ali【アリッ】」(あそこ)
         なので、日本人にはわりと分かり易いです。(英語のように
       「there が『そこ』だったり『あそこ』だったり」というよう
      なことはありません。✌

「Não」:ゥン】
      英語で言うところの「ノー(No)」ですね…。
      ただ、ポルトガル語の「Não」の場合は英語の「not」の役割
      も果たすので、その場合は、それに続く動詞の一部のように、
       【ヌン○○】といった感じに発音します。

「Tô」:  【トー】。これは状態を表す「estar【エスール】動詞の
        一人称単数・現在形 (estou【エスウ】)の「トウ」の部分)
        です。
                      ラフな会話では皆、「estar」動詞の「tar」の部分しか言いま
      せん。

「sem」:    【ン】。「com」が "with"、「sem」が "without" です。 
                   (ちなみに 100(百)を意味する「セン」は「cem」です。)

「saco」:  【ッコ】(ほぼサックと聞こえる)。本日の主人公である
       「saco」は本当にただの「袋」という意味です。結果、男性
      の下半身にある「袋」のことも「saco」と言うので、上で
      説明したような表現以外で「saco」と言ったら、笑われた
      などという経験をしたなら、それは変な連想をしてからかわ
      れたのだと思って下さい。💦

「pra」:  【プラ】。これは「~に」、「~へ」、「~のために」などと
        訳される前置詞の「para【パラ】の、会話をしている際の
        発音に似せたもので、チャットや漫画などでは頻繁に使われ
        ますが、無論正式ではないので、作文などには使わないよう
        お気を付け下さいね♪

「isso」:  【ッソ】(概ね【ッス】と発音)。「それ」という意味
        です。 「これ」「isto【イストゥ】」というのですが、
                      【ストゥ】と【ッス】では【ッス】の方が素早く楽に
        発音できることから、会話ではなんでもかんでも【イッス】
        で済ませてしまう傾向がありますが、これも文法的には NG
                        です。むしろそのせいで、本来の「これ」と「それ」の違い
        はともかく「isto (これ)」はフォーマル、「isso(それ)」
        はインフォーマルだと断言する人も少なくないようです。
        よって、作文でどっちかな?と悩んだ場合は「isto (これ)」
                        にしておいた方が点数に響きにくいかと思われます。w

「Te empresto um【チンプーストゥーン】」( 一個貸してあげるよ):

「empresto
【エンプーストゥ】「emprestar【エンプレスール】
  動詞の 一人称単数・現在形です。
「emprestar【エンプレスール】動詞は、ここでは「貸す」という意味
  ですが、実はこの動詞、ここ ( https://kotobank.jp/ptjaword/emprestar ) に
  記されているとおり、 「貸す」という意味のみならず、「借りる」という
  意味も兼ね備えている   「曲者」です!👀 (この問題については、いつか
  改めて記事にしますね♪)

「Te empresto」となると、「君に」/「お前に」という意味の「te【チ】」
 
があるため、「君に貸す」話だと理解できるわけですが、この「te」は、
  目的格代名詞なので、文頭に出て来るのは、文法的には間違いです。

 多少なりともブラジルのポルトガル語(伯葡語)に馴染みのある方なら、「でも、皆使っているじゃない!」「これが間違っているなら『Te   amo』(「愛してる」)はどうなるの?」等々思われるかもしれません。

それでも残念ながら、文法をきちんと心得た教師であれば、文中の「会話」として以外、つまり作文の本文に「Te」から始まる文があれば、修正する
ことになります…。(とりわけポルトガル人を初めとする欧州葡語話者の
教師がこのような文を見た日には総毛立つこと間違いありません。w)

てなわけで、
今回は
非常にブラジル人らしい言葉遣いだけれど(だからこそ?w)
お堅い国語の先生や欧州葡語話者が
最も嫌う要素がテンコ盛りな漫画を扱ってみました!w

本日もお読み頂き、まことにありがとうございました!


ここ☝では「まったくもう!」といった感じで「Que saco!」と言っていますね!
https://tenor.com/ja/search/sacocheio-gifs






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