見出し画像

ポルトガル語の「曜日の名前」とそれに纏わる雑学など


ポルトガル語で曜日の名称は次のとおりです。

日曜日:
domingo【ドング】

月曜日:
segunda-feira【センダ・フェイラ】

火曜日:
terça-feiraルサ・フェイラ】

水曜日:
quarta-feiraクァルタ・フェイラ】

木曜日:
quinta-feiraンタ・フェイラ】

金曜日:
sexta-feira 
    
伯葡語:【スタ・フェイラ】
欧州葡語:【シタ・フェイラ】

土曜日:
sábadoーバドゥ】

🌞🌞🌞

よく見ると、日曜日domingo)と
土曜日(sábado)以外は
「○○-feira」という形に統一されていますね。

この「feira」とは
いち(とりわけ屋外の「青空市」)
という意味で、

「○○-feira」「○○」の部分に入っているのは
「2番目」~「6番目」を意味する序数なので、
直訳すると、

月曜日(segunda-feira)= 「二番目の市」⇒「ニの市」
火曜日(terça-feira)      = 「三番目の市」⇒「三の市」
水曜日(quarta-feira)   = 「四番目の市」⇒「四の市」
木曜日(quinta-feira)   = 「五番目の市」⇒「五の市」
金曜日(sexta-feira)     = 「六番目の市」⇒「六の市」

といったところでしょうか。w

ちなみに
ポルトガル語の序数の「1番目」から「10番目」を見てみると、
このようになっています。

                              男性形     女性形
                           
1番目:   primeiro     primeira
      
   2番目:   segundo    segunda
         3番目:   terceiro      terceira
         4番目:   quarto          quarta
         5番目:   quinto        quinta
            6番目:   sexto          sexta
        
7番目:   sétimo        sétima
            8番目:   oitavo        oitava
            9番目:   nono          nona
           10番目 :   décimo         décima


見てのとおり、
「3番目」「terceira」「火曜日」では「terça」になる以外、
ウィークデーは
そのまんま「序数の女性形」に「-feira」を付けたものです。

※ ちなみに違って見える「terça-feira」の「terça」も、実は「terceira」
  の別の言い方です。
        例えば英語ならば「3度目」は「third time」、「3分の1」は「one
        third」と、同じ「third」を用いますが、ポルトガル語の場合は、
      「3度目」は「terceira vez」、「3分の1」は「um terço」といった
  ように、使い分けがなされるということです。

また、
「序数+『-feira』」の形式の曜日については、
そもそもが序数なので
このような略式表記もよく見掛けます。↓

※ ちなみに会話では「-feira」を省いても OK です♪

一方、
日曜日
を意味する「domingo」は、
スペイン語やガリシア語と完全一致しますし、

イタリア語の「Domenica」や
フランス語の「dimanche」などとも
語源が一致します。

そして
その語源は、国名としても存在する
「Dominica」という単語で、
「神の日」⇒「安息日」
ということになります。

また、
土曜日を意味する「sábado」
スペイン語を初めとするラテン系の言語と
一致、ないし類似し、

ヘブライ語で「安息日」を意味する
 Shabbat (שַׁבָּת Šabat、英: Sabbath)が
語源だとされます。

つまり、
どちらも宗教的意味合いのある単語だということですね。

さて、
しかししかし…、

何が珍しいって
曜日に数詞を用いるというのは
少なくとも西洋では
ポルトガル語だけだという点なのです。

親戚同然の
スペイン語やガリシア語やカタルーニャ語であっても、
日本語や英語やフランス語同様、

月、火星、水星、木星、金星をベースにした
単語で曜日を表すというのに、

なんてったって
ポルトガル語だけが
「2番曜日」、「3番曜日」みたいな呼び方なのか...。

???


これについて私が習ったのは、

私がヘンテコな歴史の先生

や、

ビックリ仰天な国語の先生

と巡り会った学校でのことでした。

この ↑ 国語の先生だったか
もう一人の先生だったかは定かではないのですが、

ある時先生が唐突に

「そういえば、曜日の名前に
『〇番目』なんて言葉を使う言語って
ポルトガル語だけって知ってる?」

と聞いてきて、

皆で首を横に振ると、
下記のように説明してくれました。

「ローマ時代から曜日は
日、月、火、水、木、金、土
と、
英語みたいに天体の名前が付いていたのだけれど、

紀元後になって
キリスト教が力を持つようになると、

当時の、今で言う『教皇』に相当する人が

『神が世界を造った日々の名前に
天文学のような科学に由来した言葉を
用いるとはけしからん!
"1日目"、"2日目" などとしなさい!』

という御達しを出したんだそうな。

すると敬虔なクリスチャンの国々は
一応従おうとはしたのだけれど
試み止まりで定着せず、

結局ポルトガルだけが
実質的にこれに従い、
そのままその名称が残ったんだ」

とのこと。

この知識は当時結構目からウロコ
私の脳裏に強く刻まれていたのですが、

今回念のため調べてみたところ、

6世紀から勢力を強めた
ブラガの聖マルティン

(葡語:São Martinho de Braga、英:St. Martin of Braga)
の教えの流れを汲む宗派には

「魔」の名前(「聖」の世界のものでない名前)を
人や物に付けることを強く拒む傾向があったことが
要因のようだと判明しました。

ちなみに「ポルトガル」という国が
まだ建国していない時代のお話です。


なるほどφ(-Ò。Ó-”)メモメモ



さて、お次は
曜日の訊き方ですが…、

「曜日」そのもののことは

「dia da semana」

伯葡語:【ーア・ダ・セーナ】
欧州葡語:【ディーア・ダ・スーナ】

といい、

「今日は何曜日?」と聞くのであれば、
正確には

「Que dia da semana é hoje?」

   伯葡語:【キ・ーア・ダ・セーナ・エ・ージ?】
  欧州葡語:【ク・ディーア・ダ・スーナ・エ・ージュ?】

となるのですが、

これでは長くて面倒なので、

「Que dia é hoje?」

      伯葡語:【キ・ーア・エ・ージ?】
     欧州葡語:【ク・ディーア・エ・ージュ?】

と、略式で聞くのが通常です。

が…、

これだと、「今日は何日?」と一致してしまうので、

話の流れで意味を汲み取って、
訊かれた人が

「(Dia)da semana? É segunda.」

    伯葡語:【(ーア・)ダ・セーナ? エ・センダ】
   欧州葡語:【(ディーア・)ダ・スーナ? エ・センダ】
(=「曜日?月曜よ。」)

と答えたりしている様子がしばしば見られます。

※ 月日は「dia do mês」といいます。

😅😅😅



こちら ↓ は
ブラジルの子供向けの曜日の歌、「Dias da Semana」です。
短い歌を2度繰して合計0分56秒という短い動画で、
歌詞を見ながら聞けるので、覚えやすいかと思われます。

     
     歌詞と意味
     タイトル:「
Dias da Semana」 (曜日)
 
     Sete dias a semana tem(一週間は7日だよ)
     Quando um acaba, outro logo vem(一週終わればすぐ次だ)
     (繰り返し)
 
     Domingo(日曜)
     Segunda(月曜)
     Terça-feira(火曜日)
     Quarta-feira(水曜日)
     Quinta-feira(木曜日)
     Sexta-feira(金曜日)
     Sábado, que bom! (土曜だ、嬉しいな!)

※ この Shiomin による「訳付き歌詞」については、曜日の名称が全て
  文頭にあるので頭文字を大文字にしましたが、文頭以外にある場合は
  「必ず全て小文字で表記のこと」というルールがあるのでご注意下さい。


最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました!

※ 「日本人にとって一番ネックとなるのは
『quinta-feira【キンタ・フェイラ】』が『木曜日』だということ。
(だって『金曜日』かと思っちゃうものね…。)
だから、これについては意識して覚えてね♪」、
否、
「学者風 電球2」はこたつぶとんさんの作品です。


いいなと思ったら応援しよう!