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Make it so much better

昨夜、僕は新橋からの帰路、
揺れる電車の中で、ドアの側に立ち
オリビア・ニュートンジョンの名曲
「きらめく光のように」
(Making a good thing better)を
WALKMANで聴いていた。

イヤフォンから
心に入り込んでくる
オリビアの爽やかな声。

♫「Making a good thing better
But with luck it's gonna last forever
You'll see
Making a good thing better
That's the way we're gonna
stay together You and me」♪

オリビア・ニュートンジョン「きらめく光のように」(Making a good thing better)

そのときだった。
すぐ近くに座っている女性が
泣いているのに僕は気付いた。
20代だろうか
春の装いの服を纏い、
マスクをしていた彼女の眼は涙で赤く、
息苦しかったのかマスクを外した。
故に、泣いている事実が
明らかになった。

こういうときの凝視はご法度。
さりとて、しげしげ見ていても
やばいおじさんになるし、
何よりその女性に失礼。
僕は何度も目線を外しては
どこか心配になり、ちらりと見た。

僕の視界には、
俯き加減で泣いてるその人。
同時に僕の耳には、
オリビアの歌声。

♪「Make it so much better
It is better better
Make it so much better
Make it better better
Make it better better better
Make it better better better
Make it better better better
Better better」♫

オリビア・ニュートンジョン「きらめく光のように」(Making a good thing better)

出来過ぎてる、この場面。

今を打開する手は必ずある。
ベクトルや手法を変えたり、
何か必ず手立てはある。
今をより素晴らしく出来るのは
自分の選択でしかない。
他人は変えられないから。

電車が西大井に到着すると、
再びマスクを着けていた彼女は
はたと立ち上がり、慌てて降りていった。
電車はまた動き出した。
彼女の席には別の人が座った。

僕は偉そうなことを
言える人間ではない。
ただ、言い聞かせるように
心の中で刻む。

♫「Make it better better better
Make it better better better
Make it better better better
Better better」♪

オリビアはこの曲で
20数回、betterを発する。
Bestを尽くすべき、と人は言う。
確かにそう。プロならそうだ。

だけど、better、
一歩ずつで良いときもある。
いや、そういう場合のほうが多い。
だから、人生は捨てたもんじゃない。

やがて電車は横浜に着いた。

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