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本当に大切なことが残る。〜手帳の佇まい(36)

数年前から、ある業界新聞2社の
連載コラムに寄稿している。
ともに長年お世話になっている
編集者からの頼まれ事だ。

1社は毎月、もう1社は四半期ごと。
ともにどんなテーマで書くかは自由、
かつ、ペンネームでの執筆。
とはいえ浅学非才ゆえ
枯渇しそうな知恵を絞り、悶絶しながら
何とか続けている。

そんな中で、
つくづく実感するのは、
文章作りとは、
決められた文字数内に
如何に収めるかの、
文字削りと磨き上げの作業だと。

例えば文字枠が560文字の場合、
だいたい650文字程度を意識して
内容と筋立てを決めて、
比較的無頓着に書き込んていく。

その上で、接続詞の必要性や、
展開と言葉のリズム、
若干の捻りを盛り込んで
削っては言葉を変え、
変えては削って、文字総数を減らす。

最後は、必要な言葉が
必要な順序で並んでいる。
仕上げたときは勿論、
自己満足だが光沢がある。

ところで、昨日会社で
2023年度の仕事を終えた。
月曜の4月1日は、
2024年度の仕事始め。
その支度として
今朝から手帳の手入れ。
オイルと布で本皮を磨き、
中身のページを吟味した。

僕はこの数年、
システム手帳のミニ6穴、
fILOFAXのNAPPA、
PocketSlimを愛用している。

手のひらサイズであり、
さほど厚みはない。

だからページ数に限りがあり、
如何に必要なリフィルだけを残すか、
この作業が悩ましくも
実は楽しくて仕方ない。

月間スケジュールページは
3ヶ月分しか入れず、
週間スケジュールは2ヶ月のみ。
あとのリフィルは
頻繁に確認する計数や情報、
自分にとって大切な言葉のページ。

これらを自分の好きな順番に
入れ替え、差し替えしながら
手帳を耕して、熟成させていく。

思えばこの作業、
文章作成の文字削りと似ている。
限られたスペースに
如何に大切なことだけを残すか、
最適な順番に配すか。
それは真に大切なものを
浮き彫りにする、知を伴うだけでない
心の作業である。

手帳と文章作成の違いは、
文章は読者のためにあり、
手帳は自分のためにあるということ。

いずれも、想いとか真心を宿して、
磨き上げれば、そこに喜びがある。
その喜びを手帳に刻んでいく。

今年度もお疲れさま、
来年も仕事も執筆も気張れよ!
と自分に言い聞かせ、
今日の筆を置く。

今日も最後までお読みくださり
ありがとうございました!!

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