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シャープペンからの心動。~手帳の佇まい45

ペン先が手帳の紙の表面を走るとき、
微かな振動が僕の手に伝わり、脳に渡る。芯の削れていく感触が心地よくて、もはや我が手帳になくてはならない存在。FABER CASTELLのシャープペンシル。

僕は会社員としての37年間、大抵ボールペンを使い、手紙や手帳に畏まった文章を書くときだけ万年筆を愛用してきた。シャープペンシルは学生が使うもの、あるいは設計士やデザイナー、漫画家やイラストレーターといった専門職が愛用するものと僕は決めつけてきたのだ。

数年前から木軸のシャープペンシルのビジュアルやコンセプトに惹かれ、使い始めるとこれが快感になった。その手に伝わる微かな振動に心奪われた。

これはなんだろう、と思いきや、
合点がいった。
万年筆と似た感覚だ。
万年筆のペン先が紙の上を走るとき、書く角度に応じて削れていく。その滑らかな書き心地、自分なりに自由に紙面を泳ぐような開放感。万年筆の持ち主の、個性としての書き癖がペン先に残る所以だ。

シャープペンシルの、ペン先に出た芯が紙上で削れていく感覚には郷愁がある。やはり遠い日、小学生の頃、ジャポニカ学習帳の縦列にぎっしりと同じ漢字を書き続けた記憶だ。

シャープペンシルは、万年筆ほど敷居が高くない。いつでもどこでも気軽に走らせられる。僕は今ごろになってそれに気づき、気付けばその沼で遊ぶ少年だ。

今、僕の愛用するシステム手帳 ASHFORD Drowingには、FABER CASTELLのシャープペンシルを備え付けている。太い軸と細身の両立てで、特に手に馴染む細身はグリップ感が愛おしい。ドイツの文具メーカーFABER CASTELLの気品と頑丈さも、この手帳に似合う。

僕はASHFORDの週間スケジュール、バーティカル型のリフィルを愛用しており、手帳に常備するのは1か月分だけ。というのも、スケジュール管理に使用するのではなく※、時間のマス目を無視して一行ごとに、その日のToDo項目をFABER CASTELLで書き込んでは、二重線で消し込んでいる。この習慣は実に快感。そして、1か月ごとリフィルを差し替える。
※スケジュールはパソコンで管理。

こんなふうに、
わが手帳とわがペンシルで
楽しみながら
我が線路を繋いでゆく。

還暦超えて、どこへやら。
でも、まだまだこれから。
命尽きるまで走り抜く。

今日もお読みくださり、
ありがとうございました。
いよいよ師走ですね。
年末年始に向け、
皆さまとご家族の健やかなる日々を
祈念します。
弥七




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