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自分が確かなら、それでいい。

「他人がどう思おうが、
それは重要ではない。
自分が確かならそれでいい。」

大切なのは自分を信じること。
その弁護士は毅然とそう言った。

スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の映画「スパイ・オブ・ブリッジ」(2015年)を僕は十数回は観返している。

アメリカに逮捕されたソ連側のスパイを法廷で担当することになった弁護士ドノバン。彼は、その直後にソ連に捕獲されてしまったアメリカ側のスパイを救出すべく、両国間のこのスパイ交換をドイツのグリーニッケ橋で果たす。実話に基づくストーリー。

物語の終盤、グリーニッケ橋で米国(CIA)に渡され無事に救出されたスパイ、パワーズは、飛行機の中でCIAの担当管に、自分は(ソ連の拷問にあったが)米国の機密は何も話していない、と説明する。しかしCIAは冷淡な表情。

信じて貰えず落ち込むパワーズに
ドノバンは言う。

「他人がどう思おうが、
それは重要ではない。
自分が確かならそれでいい。」

自分が何をしたか、
間違ったことをしていないことを
一番良く知っているのは自分だと。
あるいは天だろう。
天に恥じることがないのなら、
萎縮したり怖じけずいたりすることはない。

この「スパイ・オブ・ブリッジ」を
僕は大仕事を控え、自らを鼓舞したいとき、すがりつくように、むさぼるように堪能する。信念の弁護士ドノバンに会いたくなるのだ。

この半年、随分と大きな仕事が立て込んで僕は慌ただしかった。土日に時間を見つけては、「スパイ・オブ・ブリッジ」を観返した。

この作品でもうひとつ、繰り返して観る場面がある。ほぼラストのシーン。

ドノバンが見事に交換劇を果たし、ブルックリンの自宅に帰る。彼が玄関口に戻った頃、妻や子供たちはTVニュースを観て、ドノバンが世界的な人質救出を成し遂げてきたと初めて知る。休暇で釣りにいってきたのだと思っていたのだ。

帰宅したドノバンは、真っ先に寝室に向かい、服を着替えず、ベッドの上でうつ伏せに眠りにつく。
妻は彼の様子を見に部屋にいくと、夫は疲れ果て、安らぐように寝入っている。彼女は羨望の眼差しを夫に注ぎ、微笑む。

大仕事を終え、しばし安らぐ。
そして、また次の仕事へ。
やはり、いくつになっても
出来る限り、誰かのために
何かをし続けていたいものです。

さすが、スピルバーグ&ハンクス、
「スパイ・オブ・ブリッジ」
大好きな作品です。

今日もお読みくださり、
ありがとうございました。
皆さまの安らかな一日を
祈念しています。
弥七

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