「君は独りじゃない」と訳す
雨降りしきる昨日の夜、ギタリスト、
住出勝則さん(Masa Sumide)さんの
ソロ演奏をYouTubeで聴いていた。
曲はバート・バカラックの
「雨に濡れても」
(「Rain Drops Keep Falling On My Head」)
なる程、この英語を意訳すると
「雨に濡れても」になるのだなと。
直訳してもなかなか趣きがあると思う。
「雨粒が私の頭上に降り注ぐ」
→「いくつもの冷たい雨粒が、
弾けるように私に降り注いでも」
それでも私は大丈夫、それもいと楽し。
そんなふうに発想を転じていく。
ところで、住出さんの他の演奏を
検索すると出てくる出てくる
洋画やジャズの名曲が。
その中に、「I Will Wait For You」
という、僕の知らない曲がある。
どれどれと、興味津々聴いてみた。
すると出だしからすぐに
フランスのあの大女優、
カトリーヌ・ドヌーヴが
僕の中で微笑んだ。
そう名作「シェルブールの雨傘」の
テーマ曲なのだ。
そうか、「I Will Wait For You」。
なるほど、あの悲恋の物語に即した英訳。
ドヌーブ演じる主人公の立場なら
「愛する彼を私は待ち続けます」となる。
なる程、納得。
住出さんが奏でるギターの音色、
美しくも哀しいあのメロディが
僕の心の奥底まで響き亘り、
時間を忘れ、時が止まる。
英語訳と言えば、
僕の愛読している月刊ビジネス情報誌
PHP「THE21」の常設コーナーに
「心をつなぐ英語表現ワンフレーズ」がある。
職場で英語を使う人、必読のページだ。
7月号の同コーナーで取り上げているのは、
「話がしたいときは、いつでも話してね」。
英語では「When you need someone to talk to、
you always have me.」
外資系勤めでない僕は、
この英語に底知れぬ情緒を得る。
口語で意訳すれば確かに
「話がしたいときは、いつでも話してね」
でも文語に訳すと実に沁みる。
「誰かと何か話したくなったら、
僕、いつでも」と連想し、
「君は独りじゃない。
困ったらいつでも僕を頼ってほしい」
年甲斐もなく少しキザだが
そんな温かいメッセージを想起していく。
梅雨本番。
7月は大雨の要注意の月。
慈雨というより豪雨、
情緒を見出すゆとりはないが、
だからこそせめて、
音楽やちょっとした会話の中に
趣きを探したい。
冒頭の住出勝則さん(Masa Sumide)の
ギター演奏はブルージーでファンキー、
ときに哀切、哀歓があり、
僕は、スマホで視聴しながら
お酒が飲める。
ウイスキーやワインなど洋酒も合うし、
熱燗もいける。