自分に関わる者全ての幸せを願い、そのために動ける子、それが弓子
「自分と友人を救ってくれたQ(監視役)を救いたい!」その気持ちだけで猛進する弓子。
呪いがとけたのは弓子のQだけなのか?Q全てなのか?
弓子の行為によって、ブラドもQの呪いをとく術がわかったから、Q全ての呪いがとかれてもおかしくない気もするけど…お披露目式制度が残っているということは、他のQの呪いはそのままで、脱吸血鬼化の儀式も残っているのかも。柵の中の淡い光の中でのできごとは、ブラドには見えてないのかもしれないし。
普段、人間以外が主人公の小説を手に取って読むことは、まず無いので…自分の好みとは異なる分野の本に触れられるのは、#読書の秋特集の素敵な点ですよね。人間以外という言葉を使って、人間とその他を区別している時点で、弓子にたしなめられそうですが…。
全身トゲトゲになることで、物理的にも心象的にも人と距離が保たれ、守られるというQの設定が、傷つくことを避けがちな自分の心を見せつけられているようで、身につまされました。痛い思いをしても、抱きしめて、の部分に触れようとする弓子とは、対照的だな、私。