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真の洋服好きの素質とは?/S&S OPEN TALK #25

SLOW&STEADY ではオープン直後から、お客様からの相談窓口として、LINE@を利用しています。
その内容は、商品の在庫状況の確認から始まり、商品ご購入後のアフターケアに至るまで多種多様ですが、そんな中「これは多くの方も同じようなお悩みをお持ちのはず」と感じるようなご質問も少なくありません。さらに、そういったご質問ほど短文では返しづらいのが正直なところで、そこでこの度、そんな魅力的なご質問の数々をピックアップさせていただき、ここnoteにてマガジンという形で回答させていただく、という試みを開始いたします。

名付けて『OPEN TALK』今回はこんなメッセージからです。

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「真の洋服好きの素質とは?」

先日「どうせ自分の格好なんか誰も見てないから洋服は適当でいいと思ってる」と友達に言われました。それも一つの答えだと思ったので言及するのは控えたのですが、人に見られる事を過剰に意識することで洋服に手を出した自分としては納得できないのが正直な思いです。自己満足でいいと先週岡崎さんは仰ってましたが、誰かに見てもらうことがセットになった私の自己満足は自己満足とは言えないのでしょうか?モヤモヤする質問で申し訳ありません(高知/jinta)

洋服に限らず、価値観の違いは誰にでも、誰とでも起こります。
僕自身、学生時代に同じようなことでよく口論になったのを思い出しましたが、経験上、洋服の趣味というのは他に比べてはっきりと視認できてしまうので、無作為に言及するのは大変危険です。

それを好きなのはその方ではなく、自分自身であり、その好きを他者に強要するのは多くの場合、間違っているわけですが、その友人が仮に、洋服をもっと好きになりたいのなら、友として助言をしてあげることは、間違いじゃないと思います。

ただ「自分の考えに共感する仲間をどんどん増やしたい」という気持ちと、「近い人なら誰彼問わずに仲間にしたい」という気持ちは全く似て非なるもの。少し話をしてみて興味を持ってくれなさそうであれば、そこら辺はきっぱり割り切らないと、友人関係に亀裂が生じます。

そもそも"洋服好き"にも多種多様な考えがあり、ひとつにまとめることなんて到底できないと、20年、"洋服好き"を見てきて強く思います。これほどに特定に絞った当店でさえ、自分の考えに本当に共感する仲間を見つける方というのは、非常に少ないものです。

実際に僕が店を始めて痛感した、苦い思い出があります。
僕は前の職場で11年、店長として洋服の販売や仕入れを経験して独立しました。「ついてきてくれるお客さんもたくさんいるし、僕がやるんだから絶対大丈夫」開業当時はそんないま考えても無根拠な自信に満ち溢れていました。
開業して1年目。多くのお客さんがついてきてくれた一方、ラインナップを見て、去っていった人たちも想像以上に多く、鼻っ柱を粉々にされ、心底自分が傲慢だったことに気付かされます。
ゼロからやり直す気持ちでリスタート。今も決して楽だとは言えませんが、2013年あの開業当時の毎日に比べれば、ずっと楽になりました。

何が言いたいか、つまり価値観とはそう簡単に人と共有できるわけがないものであるということ。そして、前提としてそう思っておくことが得策なのだということです。他者と価値観が真の意味で共有できるというのは本来、奇跡にも似た出来事なのだと、自戒しながら日々お客様と接します。

ただこれに対し、もし納得がいかないと言うのであれば、それはそれで、あなたには真の洋服好きの素質があるとも言えます。
洋服好きにも多種多様あるとは言いましたが、総じて、本当に洋服を自分のものにしている人ほど、(言葉にするしないに限らず)自己主張の強い方がとても多いのも確かです。癖、と言ってもいいかもしれません。そんな方は人から、特に「洋服に興味がない」人から疎まれる傾向にもあり、なぜか当店に多くいらっしゃるんです!全くもって近くにいてほしくない人種ですよね!もちろん、その中でもトップレベルと自負する、自分を含めて!

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今週は、以上です。
ここでは、あくまで僕の答えられる範囲内にはなりますが、このマガジンを使って、皆様からお寄せいただく「洋服に関するご質問やお悩み」を、ざっくばらんにご紹介しております。

個別の商品に関するご質問ももちろん歓迎です。ご質問は、LINE@の他に、下記メッセージフォームより随時受けつけております。どうぞお気軽にご連絡ください。

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