博士と犬とロック。 [ショートストーリー]
未だによくわからない終わり方をした恋がある。もう何年も前のことなのにわからない。わたしにはその理由が…わからない。自惚れているのではないと思いたい…。
わたしはのらりくらりと結局,大学院まで行って好きなことを続けて博士号とって研究者として働いている。なんかえらそうに白衣だって着る。だからって恋をしなかった訳ではない。夢中になって全てがおろそかになって盲目にもなった。今も恋人はいて不自由はない。でもたまになんか昔聞いていた曲や香水やらが五感を通じて入ってくると色の赤っ茶けた世