前回に引き続き、好きな芸術家(アーティスト)について書こうと思います。また、そこから私にとっての、理想の作家像を少しずつ考えてみたいと思います。
全4回で各作家さんの紹介のあとに、自身の感想やエピソードを添えて書いてみます。
今回は3回目で、「トミ・ウンゲラー」さん。
・トミ・ウンゲラーさんについて
・少年時代、米国時代、隠れ家、の3つの時代に分けて紹介
・「ゼラルダと人喰い鬼」のあらすじ
・作家の好きなところ、自身のエピソード
幼いときに凄く好きだった本が、トミ・ウンゲラー作の「ゼラルダと人喰い鬼」でした。幼いときドキドキしながらお母さんに本を読んでもらっていたのを、思い出します。また同時期にグリム童話の「七匹のこやぎ」も好きでした。この二つの作品は似ていて、怖いけど見たい、という感覚を持たせてくれました。この感覚はホラーとは違って、日々意識していなくても食べることにおいて、そうしている食物連鎖や弱肉強食についても、意識させてくれるものでした。
私たちは鶏や豚などをたべる動物からしたら鬼であり、子供という立場でいうとまだ大人に従う弱い立場であること。ゼラルダとしても人喰い鬼としてもどっちの視点でもみれる面白さがここにはあるように思いました。
またトミ・ウンゲラーさんの絵本には子供向けであってもブラックユーモアが富んでいて、「ゼラルダと人喰い鬼」の最後のページの絵に、子供が赤ちゃんを見ながら後ろでナイフとフォークを持っているシーンがあるのですが、それもまたクスッと笑えるポイントです。
少し美女と野獣の物語と似たものを感じますが、絵の生き生きした構図や色合いが唯一無二の絵本に仕上げています。
ちょうど今、絵本のラフ画を考えている時にトミ・ウンゲラーの絵本を見つけました。本に出てくる女の子の純粋さに惹かれました。先入観でものや人を見るのではなくて、本質を見つめる眼差しを育ててくれるお話しだと思いました。絵本のタイトルや表紙も、武器をもってたり、鬼がいますが、必ずしもそれが悪ではないことを教えてくれます。
道徳的に当たり障りのないことを書くことはそう難しくはないと思うのですが、トミ・ウンゲラーのようにユーモアやダークさを含めたユニークな物語はなかなかに難しく、唯一無二で、作者の哲学的な部分に憧れを感じました。
物語といえば、twitterとinstagram、noteで漫画をNEZAMEというユニットで制作していました。姉が物語を書いて、わたしが絵を担当していました。タイトルは「悪ガキになれない」です。悪ガキに憧れているけどなかなかなれない女の子の日常を八コマ漫画で描きました。下記にリンクを貼ります。
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↓こちらは「悪ガキになれない」その1です。
制作している側からみる作品の輪郭と、それを鑑賞する側とではまた見え方が変わってくるのかもしれません。鑑賞する側から好きなのはトミ・ウンゲラーのようなダークユーモアな作品で、自然と出てくるものは真面目な女の子のお話しだったり…。 そういえば、画家デイヴィッド・ホックニーの言葉で、「自分に深刻になるな、 昨日に真剣になれ。」というのがありました。 わたし自身が自分を見失っている場合ではなくて、作品に対して真剣に完成度の高いものを目指したいと思いました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Thank you for reading.