京橋二丁目 鍛冶橋通り界隈
スローリー余話
街の”なりたち”#45
かつて江戸城外堀に架かっていた「鍛冶橋」を起点とする「鍛冶橋通り」は外堀通りから八重洲、京橋、八丁堀、新川を経て永代橋西詰まで続く通りです。1968(昭和43)年まで都電が走っていたこの通り。昭和初期の古地図をみると「明治製菓」の表記があり当時もビジネス街であったと思われます。2013年オープンの「東京スクエアガーデン」や2016年「京橋エドグラン」に加えて今年4月には東京都から「京橋三丁目東地区市街地再開発組合」の設立も認可され大規模な再開発がこれから進む京橋エリア。この街には1951(昭和26)年から愛され続けている洋食があります。(2023年10月発売『東京Slowly² vol.2』より)
昼は洋食。夜はフレンチ
ビジネス街の実直な食堂
京橋
レストラン サカキ
最近、再開発による複合施設が誕生した京橋は、商業地の日本橋と銀座の間にあって落ち着いたイメージの働く大人の街。この地で1951(昭和26)年から営む『レストラン サカキ』は、昼は洋食、夜はフランス料理を提供している。洋食にはじまりはフランス料理を日本人が主食とする「ご飯」に合うように改良された結果、誕生したと言われている。つまりこの『レストラン サカキ』は、洋食のルーツとされる本格的なフランス料理も愉しめる言わば“親と子”もしくは“本家と分家”の美味しさを提供するレストラン。特に、平日ランチ時間の行列は、もはや京橋の日常風景と言っても過言でない人気店である。
四代目のご主人・シェフの榊原大輔さんは京橋生まれ。四谷のフレンチ『北島亭』で修行後に渡仏。四年間、パリやニース、マルセイユなどのレストランで働き、各地の特徴あるフランス料理を学んだ後2003年にシェフとしてお店を継承。土地柄、昔からの食通の常連客も多く学ぶことも多いという。「昼は先代から引き継いだ洋食。夜は、食材にこだわったスタンダードなフランス料理を提供してます」と語るシェフ。早朝、自転車で豊洲に向かい食材を仕入れ、連日行列のランチの仕込みを始めるのが毎日のルーチン。実直な人柄が、その美味しさに表れているビジネス街の隠れた名店。行列を避けたいなら予約ができる土曜日の昼のコース料理がおすすめだ。
レストラン サカキ
〒104-0031 東京都中央区京橋2-12-12 サカキビル 1F
03-3561-9676
営業時間:11:30-13:30(L.O.) 18:00-20:30(L.O.)
定休日:日曜・祝日