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Tokyo Slowly Story #12

江戸東京料理と甘いもん #4

登場人物:
アツコさん
私立大学英文科の講師。2年前に米国人の夫と死別。
実家は神田淡路町の魚屋。浅野温子似の62歳。市谷在住
ダテさん
都立高校の社会科教師。なぜか独身。実家は神田淡路町の酒屋。
サンドウィッチマン伊達みきお似の62歳。神田在住

2023年12月4日月曜日午後4時半。
浅草 大黒家天麩羅

ダテさん、今日は赴任高に研修で来ている英国人の教師を
伴って浅草へ。浅草寺などの観光拠点を社会科教師として
アテンド。外国人観光客で賑わうエリアから喧噪を逃れて
北浅草の「浅草見番」へ。東京では数少なくなった「花街」
を紹介。

特別に「地方」のお稽古風景などを拝見して早目の夕食へ。
場所は、行列必至の「浅草 大黒家天麩羅」。
今は海外観光客で賑わっているが、ダテさんの思い出は
「おばあちゃんの好物」。
小学校高学年のころ、近所のアツコちゃんと
ルミちゃんと3人で自転車で花やしきへ遊びに行くと
同居していた祖母に話すと「じゃ大黒家で天丼食べておいで」
と小遣いをもらいはじめて食べた思い出。
こどもにしては大変なご馳走を小学生3人で食べる緊張感。
注文して運ばれてくるまで周囲の目を気にしながら
ドキドキしたあの記憶。

これまで食べたことのない「天丼」。


3人とも夢中で食べた後の満足感。
そのおかげで頼まれていた「おばあちゃんへのお土産」
を注文するのを忘れてしまった「大黒家デビューの思い出」。
英国人に話すと、その美味しさに理解してもらった様子。
江戸東京ならではの甘辛の美味しさは

今や世界でも通用する証し

(語り部)緒川 マチヒコ
「人生のやり残し」を集めて紡ぐ。自称・バーター職人(62歳)