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日本橋人形町 旧住吉町界隈
スローリー余話
街の”なりたち”#46
東京市電気局が開局し路面電車事業と電気供給事業(発電事業)を開始した1911(明治44)年頃の古地図をみると現在の人形町通りには既に路面電車が通り人形町交差点から小伝馬町方面への路線と浜町方面への路線が分岐しています。この路面電車は水天宮から上野方面と両国方面を繋ぐ路線だったようです。同じ古地図には、現在の日本橋人形町二丁目あたりは「蛎殻町」「浪花町」「住吉町」と表記されています。今も趣ある日本家屋で伝統の江戸前寿司を提供してくれている『㐂寿司』は柳橋に並ぶ花街だった「芳町」に隣接する「住吉町」だった場所にあります。(以下2024年3月発売『東京Slowly² vol.3』より)
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世紀を超えた美味しさ
人形町の江戸前鮨
㐂寿司
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人形町が芳町という町名で東京を代表する花柳界として栄えていた1923(大正12)年に柳橋から移転して百年。今も江戸前鮨の美味しさを伝え続ける『㐂寿司』。再開発が進む人形町エリアで変わらぬ佇まいで迎えてくれる希少な建物で四代目のご主人・油井一浩さんが先代から受け継いだ“江戸前の仕事”は世代や国境を越えて多くのゲストに“美味しい喜び”を提供してくれている。魚河岸で多くの鮨職人から尊敬されていた先代同様、しなやかな振る舞いで職人気質の気難しさは感じさせない四代目。伝承の技でリズム感よく握られる“にぎり”は世紀を超えた美味しさ。この先百年も是非続いていただきたい東京を代表する“人形町の江戸前鮨”だ。
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㐂寿司
〒103-0013 〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-7-13
03-3666-1682
営業時間:11:45-14:30 17:00-21:30 (土21:00)
定休日:日・祝