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日本橋川と日本橋 その壱

スローリー余話
川と橋と美味しいもの#17

写真提供:中央区立京橋図書館

江戸時代には五街道(東海道、中山道、甲州街道、日光街道、奥州街道)の出発点であった「日本橋」。この橋に全国から物が人が集まり、そして拡がっていきました。「日本橋」は徳川家康が関ケ原の戦いに勝利して間もなく五街道の整備がはじまった1604(慶長9)年には架橋されていたと思われます。江戸時代には火事によって何度か焼失しては再建され1873(明治6)年にセンターに馬車道、左右に歩道を配する西洋風に建て替えられました。現在の橋は1911(明治44)年に完成したものです。

(写真提供:中央区立京橋図書館)

1964(昭和39)年の東京オリンピックの際に橋上に首都高速道路が通りその景観は大きく変わりましたが、今また改めて高速道路の地下化など新たなステージを迎えようとしている日本橋で江戸から続く伝統料理を提供する新たな取り組みが始まっています。(以下、『東京Slowly² vol.3』最新号より)

江戸料理の五種盛

令和の日本橋で
江戸町人の食事を知る

江戸料理
奈美路や

2022年7月コレド日本橋にオープンした江戸料理『奈美路や』は“江戸の食文化を継承”することをコンセプトに誕生した。徳川幕府開府後各地から人が集まり発展した“町人文化”。なかでも働くひとの胃袋を支えてきた江戸料理は鰹の出汁に甘辛をベースにさまざまな“美味いもん”が誕生した。そんな江戸の食を愉しめる『江戸三昧コース』が一番人気。なかでも「五種盛」は私たちの味覚の原点を呼びさます逸品だ。

出汁6醤油1酒1の配分でいただく豆腐料理「八杯豆腐」

例えば「きらずまぶし」は鮪の中トロを漬けにしておからを煎ってまぶした“お菜”。冷蔵技術がなかった時代の知恵が生んだ美味しさだ。また当時の料理本のベストセラー“豆腐百珍”をもとにした『豆腐百珍コース』など江戸町人が“美味い”と感じた味覚を堪能できる。令和の日本橋で“江戸の美味しさ”できる価値ある一軒だ。

江戸時代、疲れた旅人を癒したという「たまごふわふわ」

江戸料理 奈美路や
〒103-0027 東京都中央区日本橋1-4-1 COREDO日本橋4階
03-6262-6777
営業時間:月-金11:00-15:00(L.O.14:30) 17:00-23:00(L.O.22:00)
土日祝17:00-22:00(L.O.21:00)
定休:なし(ビル休館日に準じます)