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日本橋小伝馬町 江戸通り界隈

スローリー余話
街の”なりたち”#38

千代田区大手町から台東区花川戸までの通称「江戸通り」は五街道のひとつ奥州街道にあたります。江戸の頃から主に公用の文書や荷物を運ぶ重要な役であった「伝馬」や牛馬を扱う商う「馬喰」などが地名に残る「大伝馬町」「小伝馬町」そして「馬喰横山」などの町名が現在も残る「江戸通り」の界隈は古くから商人の街として問屋街として栄えてきました。今も繊維関係の問屋が軒を連ねるこの街には明治のはじめに骨董商から牛鍋やに転じた老舗があります。

かつて江戸通りの鞍掛橋(写真提供:中央区立京橋図書館)

(以下2024年3月発売『東京Slowly² vol.3』より)

大切にいただきたくなる“すき焼き”
伊勢重

1869(明治2)年創業、東京で最も歴史のあるすき焼き店。A5等級の中でも厳選された黒毛和牛を熟練の職人が包丁で一枚ずつ丁寧に切り出し、特注の鍋台を使用した「水火鉢」と呼ばれる炭のコンロで、秘伝の割り下でいただくスタイルは世紀を超えて多くの人に愛されてきた伊勢重の『すき焼き』だ。「問屋街なので遠方の常連さんも多い」と語る七代目のご主人・宮本尚樹さん。名物の『牛佃煮』は土産物として重宝されたという。

牛肉と向き合いながら一枚一枚、手切りだされたお肉を優しいスタッフが炭火の様子を見ながら最高の状態で提供してくれる手間をかけた『すき焼き』を口に含めば美味しい余韻を残しながら“溶けるように”なくなってしまう。上等な牛肉と、受け継がれた技術と接客によって完成する唯一無二の贅沢な美味しさ。是非大切に味わっていただきたい

伊勢重
〒103-0001 東京都中央区日本橋小伝馬町14-9
03-3663-7841
営業時間:11:00-16:00 16:30-22:00
定休日:日・祝

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