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【2023ホーリーウィーク】今、フィリピンのエネルギー・鉱山銘柄が狙い目?

どうも、こんにちは。

フィリピン在住サラリーマン兼投資家ブロガーのShoheybeatzです。

2023年も3か月が終わり、4月に入りました。

日本は5月にGWウィークがありますが、フィリピンでは宗教的、文化的にも大変重要なホーリーウィークが4月6日からはじまり、来週月曜日まで5連休となります。

・・で、フィリピン株式マーケットはと言いますと、

3月最終週となった先週は3日間続けて上昇のあと、金曜日に長い連休前の早めの利益確定によりPSEiは長い大陰線を出して2.18%も下落してクローズし、週明けも下がり続けてます。


振り返ってみると、2月は高インフレによる金融引き締め懸念から売られ、3月は米国銀行の破綻やクレディ・スイスの問題など金融機関への不信感により続落し、ベンチマーク指数のPSEiは1月につけた7100レベルから一時期6300まで下がり約10%も下落しました。


とくに持株会社、銀行や不動産セクターなど今年に入ってからのリターンのほとんどを失う大変残念な結果となり、私も一部の保有株を除き利確、損切りせざるを得ない状況がありましたが、


そんな中、米国長期債、米ドルの下落により仮想通貨やフィリピンペソ、金や銀などの貴金属の価格が急騰したことにより3月はフィリピンの原油と鉱業セクターは大きく上昇しています。


そこで今回はフィリピンのエネルギー関連・鉱山株の状況と今後の予想について考えてみましたのでご紹介したいと思います。

フィリピンのエネルギーと鉱業セクター

フィリピンは天然資源が豊富な国として知られています。

国土の約900万ヘクタールを潜在的な鉱物が豊富な地域として特定されていますが、実はそのうちの約5%しか開発されておらず、約 1 兆ドル相当の鉱山資源が未開発であると推定されています。

鉱物、鉱石が豊富にもかかわらず、これまで経済に活かされてこなかった理由というのが、フィリピン政府による新規鉱業禁止と露天掘りの全面禁止などの規制にありますが、

コロナにより大打撃を受けたフィリピン経済の立て直しをサポートするため、ドゥテルテ政権末期に規制が解除され、マルコス・ジュニア現政権の下でも後押しを得ています。

昨年7月にマルコスジュニアの最高経済責任者は、鉱業が経済回復と長期的な成長の主要な原動力となる最大の可能性を秘めていると述べており、

国家経済開発庁のローズマリー・エディロン次官もフィリピン開発計画 (PDP) 2023-2028 の中でフィリピンの鉱業部門の活性化を優先事項と発表しています。

2023年4月現在のコモディティ価格と見通し

では次にエネルギーと鉱業セクターの上昇に大きく影響を及ぼすUSドル指数と各コモディティについて確認します。

DXY指数

昨年末まで米ドルはFRBによる金融政策の引き締めに伴い上昇していましたが、金融環境の緩和の見通しから下落に転じ、以降下がり続けていました。

しかし1月末に反発してから2月も順調でしたが、3月に入りシリコンバレー銀行の破綻やクレディ・スイスの経営問題により現在の銀行システムへの懸念が下向きの圧力をかけ、過去4週間下落し、8.8%も下落。

今後数か月でさらに下落する可能性があると見られています。

ゴールド


米ドル指数と逆の値動きをする金先物価格は、米国債の利回り低下、米ドルの下落、さらに銀行破綻のニュースにより、投資家が安全資産と呼ばれる金に資金を避難したため3月に入ってから約8%上昇し 2,014.90 ドルに達し、2020 年 7 月以来最大の上げ幅を記録しました。

UBS のエコノミストによると、金はより不確実な市場での安全な避難所としての魅力から恩恵を受け2024年3月末の目標である2,100ドルに予想より早く到達すると考えられています。

シルバー

銀価格はゴールドと同様に米ドルの弱さと米国債利回りの低下により、堅調な上昇トレンドにあり、過去2か月のレジスタンス トレンドラインを突破し、8週間ぶりの高値である 23.92 ドルに達しました。

ニッケル、銅


世界のニッケル市場規模は、2022年に330億5,671万米ドルと評価され、予測期間中に 7.98% の CAGR で拡大し、2028年までに 52億3,930万米ドルに達すると予想されます。

ニッケル及び銅価格は、3月最終週に反発する前に、中国の控えめな経済予測と最近のアメリカの銀行の破綻に対する懸念が世界の見通しや需要の低迷によりニッケルは過去約7週間で28%も下がっています。

しかし3月末からニッケル在庫減少により、ニッケル価格が急騰していますが、アナリストは2023年については弱気で、今後もニッケル価格の下落は続くと予想しています。

原油

原油価格は、4月に入りOPECプラス生産国が突然の減産を発表したため急騰していますが、3月はヘッジファンドが過去10年以上で最速のペースで売却したと報じられるほど下落が続いていました。

米国Dow Jones Market Dataは、WTI原油先物は銀行セクターの問題が緩和されるにつれてここからさらに上向きになる可能性があるとの述べていましたが、バークレイズ、ING、ゴールドマン サックスなどの大手銀行や世界の現物石油トレーダーなども今後数か月で原油価格が上昇すると予想しています。


天然ガス

フィリピンのエネルギー省によると、近年国内での天然ガスのシェアが急上昇しており、2040年までに天然ガスが国内の主要な発電燃料源として石炭に取って代わるという予想を発表しています。天然ガス価格は2022年の夏以降一貫して下落傾向にありますが、3月に入ってから2月の最安値であるサポートを固める動きをしてきており、このことから下向きの勢いが衰えて、今後上昇する可能性があると予想されています。

石炭

米国の石炭価格とオーストラリアのベンチマーク石炭価格は、例年より穏やかな天候と天然ガス価格の下落の中で、低迷しています。ウォール ストリートジャーナルによると、石炭価格は1 年前から64%急落していますが、天然ガスとの競争力を取り戻すためには、今後さらに下落する必要があると報じています。

エネルギーと鉱業セクター銘柄

PSE Mining and Oil Index は、 PSE の 6 つの指数の 1 つで鉱業および石油会社のサブインデックスです。なお、Mining and Oil Indexの構成銘柄は年二回のPSEiのリバランス時に入れ替えがあります。詳しくは下記を参照してください。

https://www.pesobility.com/stock/mining-and-oil

次に2023年現在フィリピン証券取引所に上場されているエネルギーと鉱業銘柄を紹介したいと思います。

(1ペソ未満の株は除く)

Shell Pilipinas Corp.

(SHLPH)

ガソリン、ディーゼル、燃料油、航空燃料、船舶用燃料、潤滑油、ビチューメンなどの石油製品をフィリピン全土の顧客に販売しています。 同社の2022年に純利益が40億8000万ペソで前年の5.7%増加でした。

Petron Corporation

(PCOR)

フィリピン最大の石油精製およびマーケティング会社であり、マレーシア市場の主要プレーヤーです。 1日あたり 268,000バレルの精製能力があり、2022年は販売量が37%増加して純利益が9%増加し67 億ペソと報告しています。

ENEX Energy Corp.

(ANEX)

AyalaグループのACENの子会社にして、以前ACE Enexor, Inc(ACEX)という名前で登録されていた同社は原油と天然ガスの探査、開発、生産行っていて2023年後半までにルソン島南部バタンガスで1,100MWの天然ガスの発電施設の稼働を目指しています。

PXP Energy Corporation

(PXP)

Philex Miningの子会社で原油と天然ガスの探査と生産を行っています。


Apex Mining Company, Inc.
(APX)

金、銀、銅などを発掘、販売している企業で国内外に幾つかの鉱山を持っています。昨年は60%の上昇後1月から下落していましたが金価格急騰により再上昇中で前回の高値2.2をトライしています。


Philex Mining corp

(PX)

1955年に鉱山会社として設立され、銅、金、銀を含む銅精鉱を生産するための探鉱と採掘を行っています。PHILEX Mining Corp. は、コストと費用が増加する一方で収益が減少したため、2022年の純利益は前年の24億3,000万ペソから18億ペソに26.9%減少しました。

Atok-Big Wedge Company, Inc.

(AB)

鉱業(主に金と銀)、石油、ガス、その他の天然資源の探査と開発に従事しています。

Nickel Asia Corporation

(NIKL)

ラテライトニッケル生産の国内第一位で世界最大の輸出企業で2022年はニッケル価格の上昇により、前年より1.5%増加し、79億3,000万ペソを計上していて、昨年は11月から60%オーバーのリターンを産み出したものの、3月以降はニッケル価格の下落にともない6.37から6.76のレンジを推移しており、さらなる下落もありそうです。

Global Ferronickel Holdings Inc.

(FNI)

国内で2番目に大きいニッケル鉱石生産者で、世界で最大の単一ラテライト鉱山輸出企業です。2022 年の純利益はパラワンでの事業開始により前年の9%増で21億6000万ペソと発表しています。

Atlas Cons. Mining and Dev't Corp.

(AT)

金属鉱物の採掘と探査に従事し、金と銀を含む銅精鉱とマグネタイト精鉱を生産するフィリピンを拠点とする会社です。

Semirara Mining and Power Corporation

(SCC)

国内最大の石炭採掘と自社で採掘した石炭で電力供給を行なっている電力会社です。

フィリピンの原油と鉱業セクターは今が買い?

ここから個人的な意見です。

金利に敏感な米ドルが下落している今、コモディティにとって良い状況になっていると思います。

私は2023年後半に向けてインフレは徐々に収まっていくと思っていますが、そうなるとさらに金融引き締めが緩和され金利上昇に歯止めがかかるという予想から米ドルはさらに下がり、米ドルと逆相関の関係にあるコモディティ価格の上昇が考えられます。

このシナリオ通りであれば、資源や原材料価格が上がれば利益が増えるエネルギー関連、鉱山会社はこれまで長く株価が下落傾向にありましたが、ここにきて息を吹き返して、さらに今年は2020年以来の強気相場がくるのではないかと期待しています。

個別銘柄では3月におきた一連の銀行破綻ニュースにより、安全資産と呼ばれる金が買われ、PXやAPXが上昇を見せていますが、短期的にさらにここから上昇するのはちょっと厳しいように思えます。

むしろねらい目としてはこれまで下落していた原油や天然ガス関連企業に注目していて中期的にはシェルやぺトロンなどのエネルギー関連の銘柄は買いだと思ってます。

また米中の経済見通しにより、ニッケルや銅などは目先はまだ下落する可能性があると言われていますが、昨年末までの価格と比べ2023年4月現在かなり低水準で取引されているため、長期的に見れば上昇する可能性があります。

ただし注意点としては、コモディティ市場はボラティリティが高く、ハイリスクハイリターンで私も何度か大きな損失を出した苦い経験があります。とくに2023年の不安定なマーケット環境において株価の予想は困難です。

ですので、あくまでポートフォリオの一部として、全体の2~30%にとどめてリスクマネジメントが重要だと思っています。


まとめ

フィリピンは4月の大型連休「ホーリーウィーク」に入りました。

株式市場は高インフレや利上げ、金融機関の破綻ニュースなどにより2、3月と続落していて、年始から10%下がりほとんどのリターンが失われてしまいました。

しかしそんな中、仮想通貨やフィリピンペソ、金や銀などの貴金属価格が上昇中です。

今年は後半までにインフレ率が下がり、金利が落ち着いてくると見られていますが、そうなると米ドルもさらに下落していくと予想され、フィリピンのエネルギー関連・鉱山株にとって追い風となります。

とはいえ、コモディティ取引はボラティリティが高くリスクも大きいためポートフォリオの一部にとどめてリスク管理していくことが大切だと思います。


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※これは投資3年目の超ビギナーの考え方によるものですので、必ずしもそうなるとは限りませんので、その点はご理解お願いします。

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