2023年末は超悲観ムード?どうなるフィリピン株!?
どうもShoheybeatzです。
2023年も残すところあと1ヶ月となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
12月の初日となった金曜日フィリピン証券取引所指数(PSEi)は0.34パーセント(21.45ポイント)上昇して6,245.18でクローズしました。
PSEIは2022年-7.8%でしたが、2023年も年初から4%近くマイナスしていて、このままでは2年連続でマイナスでクローズする可能性が出てきましたが、
年末までこのままマーケットは低迷し続けるのでしょうか?
今回は2023年11月までのマクロ経済ニュースと株式マーケットの状況のまとめから、2024年に向けた投資戦略についてご紹介します。
フィリピン経済ニュースまとめ
まずは直近のフィリピン経済について確認しましょう。
フィリピンのインフレ率は1月のピーク8.7%から7月には4.7%と6カ月連続で年最低水準まで緩和した後、8月は5.3%、9月は6.1%と2カ月連続で加速しました。
これで1月から9月までのインフレ率は平均6.6%となり、フィリピン中央銀行(BSP)の目標範囲2─4%を大きく上回りました。
このことを受けてBSPは10月にオフサイクルの25ベーシスポイントの利上げを実施し、ベンチマーク金利が16年ぶりの高水準となる6.50%となりました。
またフィリピン経済は第2四半期の4.3%、第3四半期に5.9%成長し、9カ月間の経済成長率は平均5.5.%だったとはいえ、第4四半期に7.2%以上なければ政府目標の6─7%の下限に到達できません。
しかしバンク・オブ・アメリカによると、2023年第4四半期はフィリピン経済成長が鈍化すると予想していて、先日ASEAN+3マクロ経済調査局(AMRO)も2023年のフィリピン経済成長率予測を5.6%に下方修正しました。
2023年11月のPSEマーケット
次に2023年11月までのマーケットの動向を振り返ってみましょう。
フィリピン株式指数(PSEi)は11月末に第3四半期がかなり好調だったことを受けて5.0%上昇しましたが、依然として高インフレによる成長鈍化懸念の中で下落トレンドから抜け出せておらず、年始から2月まで上昇しましたが、以降ずっと下落しています。
ブルームバーグの報道によると、東南アジアの国から外国人投資家の流出が続く中、フィリピン株は他のアジア近隣諸国の株式市場と比べても過去13年間で最も安い水準付近で取引されていると報じています。
その理由として、米国の金利上昇で新興国資産の魅力が損なわれたことやフィリピン国内のインフレと借入コストの高さが投資家心理を悪化させていることです。
その結果として、外国人投資家は今年10月まで8億5,700万ドル相当のフィリピン株を売り越し、今後も売りが継続されると見られており、2023年は海外投資家による6年連続の撤退となる見込みです。
なお、BDO証券の調査責任者、アビゲイル・チュウ氏は、PSEiは6,900の「弱気」シナリオで年末を迎えることになるだろうとInquire紙で述べています。
また、レイエス・タカンドン・アンド・カンパニーのシニアアドバイザー、ジョナサン・ラベラス氏は、2023年に投資家が直面した逆風が2024年も続く可能性が高いとして、来年度も引き続き厳しい状況が続くと予想されています。
2024年のマーケット予想
年末までにPSEインデックスが7000に到達できないというのはかなり悲観的なムードです。
最後に2024年に向けた投資戦略について解説する前にまずはこちらの記事を紹介します。
FEBは30日、利上げサイクルが終了した可能性があると示唆し、同時に、物価を巡る進展が停滞すれば追加利上げの可能性を否定せず、市場で出ている早期利下げ着手の観測を退けた。-ロイター
もちろんこの記事にある通り、これで利上げが終わったと考えるのは 「判断は時期尚早」と言えますが、間違いなくこのニュースは新興国市場にとって明るい兆しだと言えます。
またモーガンスタンレーのストラテジストは、金融政策による世界成長へのリスクは依然として高く、収益への逆風は回復が本格化するまで2024年初頭まで続くとして、
2024年上半期については、投資家が辛抱強あることを推奨していますが、下半期にはインフレ率の低下が金利低下、米ドル安につながり、新興国市場への資金流入を促すと予想しています。
このことからフィリピン株式も2024年後半から回復の兆しがあるかもしれません。
今後の投資戦略
フィリピン経済は2023年末、2024年に鈍化するとみられていますが、それでもアジアの中でもとくに成長している経済国の一つです。
その原動力は若くて活力に満ちた人口と消費の拡大、OFWの海外送金などにより、今後も経済成長を促進すると考えています。
そして2023年末現在、フィリピン株の多くは世界基準からすると超過小評価されています。
フィリピン株はアノマリー的に年間を通して12月と1月がもっとも株価が上昇しやすい傾向にあり、これをクリスマスラリーと呼ばれていますが、今年はくるのでしょうか?
また、フィリピンでは年末の13ヵ月ボーナスやバーゲンセール、クリスマスなど宗教的なイベントが多く、1年間を通して企業の稼ぎ時でもあります。
上記を踏まえると、現在のフィリピン株のバリュエーションは我々投資家にとって、低コストで将来有望な企業の株を購入できるチャンスだと言えなくもありません。
まだまだ下落リスクはあるものの、長期的に考えれば大きな利益につながる可能性があると言えますのであきらめずに、必ず上がると信じて投資を続けたいと思います。
とくに現在大きく売られている持株会社(AC、GTCAPなど)、不動産はSMPH、RLC、MEG、電力会社 (AP、ACEN)、観光やゲーミング(BLOOM、PLUS)、金鉱山銘柄(PX、APX)などに引き続き注目して押し目で拾っていきたい思っています。
まとめ
2023年最後の月となったフィリピン株ですが、
11月までは海外投資家の徹底や国内の高インフレ、高金利に悩まされて年始から4%以上下落していますが、こういった厳しい状況は年末、そして来年まで続くと予想されています。
しかし一旦利下げが行われると、米ドル安となり、新興国にとってプラスになる可能性があります。
そのため、現在世界的に見ても過小評価され過ぎているフィリピン株ですが、
長期的には上がると信じて、あきらめずに投資を続けていきたいと思っています。
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