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2021年アジアの高成長企業トップ500にランクインしたフィリピン株の9銘柄

どうもshoheybeatzです。

2020年は金融緩和により、期待で株価が上がる「金融相場」でした。

景気悪化により企業の業績が悪いにもかかわらずストーリーだけで株価が上がっていたので、業績はあまり判断材料になりませんでした。


しかし今年の1〜3月期決算では個別企業の業績が昨年と比較してかなり回復してきているのがわかります。

そうなると今後は企業の業績により株価が上がる「業績相場」に移行してきます。

現に今、米国や日本はそうなってきていますが、近い将来フィリピンもそうなると思います。

とくに6月に入って業績が安定しているブルーチップ(優良)株が買われていることを考えると、もう業績相場に入ってるのかもしれないと考えるようになりました。

そうなると、今から業績がいい人気のブルーチップ銘柄を買いに行くのはいささか遅いかもしれませんので、まだ割安で、しかも今後高い成長が期待できる成長株を探し出したい・・。

そんな思いでフィリピン企業の業績、とくに成長率にフォーカスして色々と調べていたんですが、

そんな中、今月フィリピンのネットニュースBusinessworldに「FTランキング:アジア太平洋高成長企業2021年」にフィリピン企業20社が選ばれたという記事が掲載されていました。

そこで今回は、アジア太平洋高成長企業に選ばれた20社のフィリピン企業の中から、上場されている9銘柄をランク順にご紹介したいと思います。

FTランキング:アジア太平洋高成長企業2021年とは?

まずこのランキングのデータの説明からです。

FTランキング:アジア太平洋高成長企業2021年は日経アジアとリサーチプロバイダーのStatistaによって作成されたレポートです。

このリストは日本やインド、シンガポールなどを含むアジア諸国の企業の中から2016年から2019年までの収益の複合年間成長率(CAGR)によってランク付けされています。

データの検証が困難なことを理由に中国は除外されています。

またコロナが発生してから2021年6月現在までのデータは折り込まれていませんので、ついでに2020年と2021年第一四半期の決算も調べてみました。

なお、リストの企業は非上場企業が多いため、今回はその中からフィリピン証券取引所に上場されている9銘柄をご紹介します。

FTランキング:アジア太平洋高成長企業2021年にリストアップされているフィリピン企業


121位 
ダブルドラゴン・プロパティ・コーポレーション (DD)

業種: 不動産

ファーストフードチェーンのマング・イナサルとジョリビーの創設者が率いる不動産会社DoubleDragon Properties Corporationです。

2019年の複合年間成長率(CAGR)は75.9%で、収益は3億9,920万ドルでした。

今年5月に発表されているプレスリリースによると、2020年度の賃貸収入は前年比10.20%増の36.1億ペソ、連結純収入は60億3000万ペソでした。

2021年3月にフィリピンでは2社目となる不動産投資信託リートのDDMP REITの上場があり注目されました。


135位 
株式会社コンバージICTソリューションズ (CNVRG)

業種: 通信

2020年にIPOデビューを果たしたファイバーインターネットプロバイダーのConverge ICTは2019年の成長率(CAGR)が69%、収益は1億8,058 万ドルです。

2020年通勤の純利益は、2019年の19.1億ペソから78%増加して33.8億ペソ、連結売上高は、前年比71%増の156.5億ペソでした。

2021年第一四半期の純利益は、固定ブロードバンド加入者の増加と法人所得税率の低下により、15億4000万ペソで、前年同期の5億7400万ペソから増加しました。

同社は第1四半期に118万人の住宅加入者を記録し、前年比で92%増加しました。

2021年にフィリピン全世帯の35%に到達するために200億ペソを費やす計画を立てており、年末までに150万人の加入者数を目指しています。

またこれまでルソン島をメインに拡大してきましたが、第2四半期までにビサヤとミンダナオで商用展開を行う予定です。

176位
フルータスホールディングス株式会社 

業種: 食品サービス

食品および飲料のキオスクオペレーターであるFruitasHoldings Inc. はFruits、Johnn Lemon、Tea Rex、Halo Halo Islands、Babot's Farm などのブランドを持つ2019年に上場した企業で、2019年の複合年間成長率(CAGR)は57.3%でした。

コロナウイルスのパンデミックの最中に一部の店舗が一時的に閉鎖されたために2020年は4,800万ペソの純損失を記録し、連結売上高は前年の19億5000万ペソから54%減少して8億9200万ペソでした。

また2021年の第一四半期の総収入は、2020年の同時期の3億7,400万ペソから30%減少して2億6,100万ペソでした。

2020年12月にFruitasHouse ofDessertsブランドでドバイに最初のフランチャイズ店をオープンしました。 

Fruitasは店舗ネットワークを少なくとも2,000の場所に拡大を目指し、年間売上高を50億ペソ、年間純収入を5億ペソに改善する計画を立てています。

405位
BDO ユニバンク株式会社 (BDO)

業種:銀行

BDO Unibank inc(BDO)はSM財閥グループの銀行部門で、連結リソース、顧客ローン、預金、運用資産と資本、支店、自動預け払い機ネットワークの点で国内最大の銀行で、2019年の複合年間成長率(CAGR)は19.0%でした。

2020年の純利益が2019年の442億ペソから36.2%減少して282億ペソになりました。



 銀行の不良債権比率は、2019年に記録された1.2%から2020年には2.65%に達しました。一方、不良債権のカバー率は164.7%から109.5%に低下し、2021年第1四半期の業績をそれぞれ282億ペソおよび104億ペソと報告しました。

445位
センチュリー・パシフィック・フード株式会社(CNPH)

業種:食品

Century Pacific Group, Inc.の子会社で、Birch Tree Full Cream Milk PowderやCentury Tunaなど、200以上の製品と19の缶詰食品を製造・販売しているブランドを持っており成長率は14.8 %でした。

フィリピンで大人気のツナとコンビーフ製品の缶詰食品メーカーであるCenturyPacific Food Inc.(CNPF)は、200以上の製品と19の缶詰食品を製造・販売しているブランドを持っています。

パンデミックにより人々がさらに購入するようになったため、2020年の収入は前年の31億4000万ペソから24%増加して39億ペソと発表しています。

また2021年は輸出事業を後押しするために海外市場が再開したことを理由に、第1四半期の純利益が24%増加して12億8000万ペソとなっています。

468位
メガワールド・コーポレーション(MEG)

業種:.不動産

Megaworld Corporationは住宅、商業、教育、レジャーのコンポーネントを組み込んだ複合用途の計画コミュニティの不動産ディベロッパーで成長率は12.9%でした。

2020年は99億ペソの純利益を報告しました。

これは、同社のオフィスリース事業の増加にもかかわらず、45%近く減少しました。

収益は435億ペソに減少し、前年の673億ペソから35%減少、純利益は193億ペソから45%減少して106億ペソとなりました。

なお、Megaworld Corporationは今期フィリピン史上最大のリート上場を計画しています。


480位
シェーキーズ・ピザ・ベンチャーズ・インク(PIZZA)

業種: 食品サービス

Pizza Asia Ventures Inc. (Restaurants)、そのフィリピンのシェーキーズ レストランの独占的なフランチャイズおよび運営者

フィリピン全土でのロックダウンにより店舗ネットワークの91%が一時的に閉鎖されました為、2019年の8億6,200万ペソの純利益の逆転を反映して、2020年に2億4,700万ペソの純損失で終了しました。

しかし2021年最初の3か月間に2,900万ペソの純利益を記録しました。

481位
First Gen Corporation (FGEN)

業種: エネルギー

First Gen Corporationはフィリピンのクリーンで再生可能エネルギーのプロバイダーで、First Philippine Holdings Corporation の子会社です。

2020年の連結純利益はコロナウイルスのパンデミックが収益に影響を与えたため、1年前の4億1,420万ドル(215億ペソ)から3億9,370万ドル(196億ペソ)になりました。

483位
ピュアゴールドプライスクラブ株式会社 (PGOLD)

業種:小売

PuregoldPrice Club Inc.は2020年12月末時点で、全国に469店舗を展開する食料品チェーンです。

2020年の収益は前年の67.7億ペソから19%増加して80.5億ペソとなり、連結営業利益は2019年の同時期の114億ペソから17%増加して134億ペソでした。

2020年第一四半期の純利益は、純売上高が減少したにもかかわらず、1月から3月の期間で前年比17.6億ペソから14.6%増加して20.2億ペソとなっています。

まとめ

今回のリストに使用されたデータが2016年〜2019年の3年間のため、2020年以降に上場し、その後大きく成長をしているACエナジーやメリーマートなどは含まれていません。

今回のリストの中にはコロナに適応できている通信や小売業以外の業種のほとんどは、コミュニティ隔離による移動制限や外出禁止などにより売上が減少している企業が多いようです。

しかし、2021年6月現在はワクチン接種も継続され、フィリピン国内の規制が緩和されて経済復興の見通しができている中、ほとんどの企業の業績が回復してきていることがわかります。

そうなってくると、これまでストーリー性があれば期待で上がってきた金融相場から徐々にフィリピンも業績をしっかり出している企業は株価に現れてくる業績相場へ移っていきますので

今回のリストに選ばれた高い成長率を誇る企業は長期的に株価の成長が期待できる銘柄だと思います。




FTランキング:アジア太平洋高成長企業2021年https://www.ft.com/high-growth-asia-pacific-ranking-2021

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