なぜ今、フィリピンで鉱業株が積極的に買われているのか?
どうもshoheybeatzです。
最近フィリピンで再エネ株が非常に注目されているという話を先日したところなんですが
再エネ株の他に昨年から注目されているのがマイニング(鉱業)株なんです。
今年の1月からはフィリピンのマーケット全体で売りが続いていますが、エネルギーや鉱業は依然として買われ続けています。
今回はなぜ今フィリピンのマーケットで鉱業株が注目されているのかそのワケについて調べてみました。
天然資源が豊富な国フィリピン
実は、フィリピンは世界で5番目に鉱石が多い国としてランク付けされており、銅、金、ニッケル、亜鉛、銀の未開発の埋蔵量はなんと、推定1兆米ドル以上あると言われています。
なお、金は、推定1億160万メートルトンで、世界で3番目。銅の埋蔵量は41億トンで4番目で、ニッケルの備蓄量は5番目に多い国です。
しかし、採掘対象となっているのがフィリピン国土の2%だけで、経済への貢献はGDPの1%、雇用の1%、輸出は6%のごくわずかです。
鉱物、鉱石が豊富にもかかわらず、これまで経済に活かされてこなかった理由というのが、フィリピン政府による新規鉱業の一時停止と露天掘りの全面禁止にあります。
今マイニング(鉱業)株が注目されているワケ
鉱業株が急に注目されはじめた理由の一つとして、フィリピン政府が鉱業に対する法律の再検討をはじめたことです。
昨年フィリピン鉱山会議所(COMP)がフィリピン政府に対して、鉱業に関する政策の変更を要求し、
コロナにより大打撃を受けているフィリピン経済の回復に鉱業の収益は必要不可欠だと、訴えたのです。
そこで政府はその裏付けをとるためにオーストラリアとカナダの金鉱会社と契約し、徹底的な調査を実施。
その結果フィリピン国内で数カ所の採掘場の再開と国有鉱山の民営化につながりました。
そしてついに長年にわたり政府が拒み続けていた露天掘り禁止と新規採掘プロジェクトの停止の解除を検討するようになったのです。
そして鉱業株が注目されてきているもう一つの理由は世界的にニッケルや銅などの価格が上昇したことです。
とくにニッケルは世界的にEVの販売台数が伸び、バッテリーに使用するニッケルの需要が増加。
ニッケル生産世界一のインドネシアがニッケルの輸出規制を行ったことで、フィリピンのニッケル採掘企業が注目されました。
こういった背景により年末年始にかけてNickel Asia(取引コード:NIKL)やGlobal Ferronickel(FNI)などの株価が上昇したようです。
フィリピンのマイニング(鉱業)銘柄
フィリピンの鉱業株の一部をご紹介します。なお、鉱業株はかなりの数がありますので、1ペソ以下の株は割愛させて頂きます。
(株価は2021年1月31日時点)
Semirara Mining and Power Corporation (SCC)
国内最大の石炭採掘と自社で採掘した石炭で電力供給を行なっている唯一の電力会社で、フィリピン総合指数PSEiを構成するブルーチップ銘柄(優良株)にも選ばれています。
Dizon Copper Silver Mines, Inc.
(DIZ)
1966年8月18日に設立され、フィリピン及び海外での鉱山、鉱業権、土地または鉱脈の取得、購入、リース、保有、作業、運営を行っている会社です。
Nickel Asia Corporation
(NIKL)
あらゆる種類の鉱石、金属、鉱物の採掘事業、および発電、送電、流通、供給事業を行っている会社です。鉱石の一部を日本にも輸出しています。
Philex Mining Corporation
(PX)
PXとその子会社は、主に鉱物資源の大規模な探鉱、開発、利用に従事し、銅、金、銀を含む銅精鉱を生産しています。
Atok-Big Wedge Company, Inc.
(AB)
鉱業を主な目的として、主要製品として金を、副産物として銀を生産しています。 子会社がガスおよび石油の探鉱、生産を行なっています。
Atlas Cons. Mining and Dev't Corp.
(AT)
ATの子会社が金属の採掘と鉱物の探査と開発を行い、生産した銅の100%を中国と韓国の製錬所に輸出しています。
Apex Mining Company, Inc.
(APX)
金、銀、銅、鉛、真ちゅう亜鉛、鉄、鋼、およびあらゆる種類の鉱石、金属、鉱物の鉱業、製造、販売を行なっています。
NiHAO Minerals Resources Int'l, Inc.
(NI)
金、銀、銅、鉛の採掘、製粉、濃縮、変換、製錬、市場準備、製造、購入、販売、交換、その他の生産と取引を行っている会社です。
Global Ferronickel Holdings, Inc.
(FNI)
ニッケル鉱の鉱物資源の探査、採掘、および輸出に主要な事業利益を有する持ち株会社です。
Century Peak Holdings Corporation
(CPM)
子会社が建設関連、不動産開発、鉱業活動および鉱業関連活動、電力およびエネルギー、ならびに電力供給を行っています。
私個人の考えとしては、2021年2月現時点てはまだ露天掘り禁止や新規採掘の停止が解除されたわけではありませんので今後の政府の動き次第かなと思ってます。
エネルギーや鉱業株は今大人気ですが、各企業のバランスシートを見てみると、特に2020年以降は良い決算が出せてないところがほとんどです。
しかし今年はエネルギーやコモディティのローテーションがあると言われていますので、引き続き注意して見てみています。
まとめ
調べてみてわかったのですが、鉱業株は(semirara mining以外)ほとんど10ペソ以下の株価でした。
もしかして、これがフィリピン政府によってこれまで採掘が禁止され、経済に貢献していなかったことで注目されて買われてこなかったこと故なのかもしれません。
しかしこれから露天掘り禁止と新規採掘の一時停止を解除されたら、間違いなく株価が上がる銘柄も出てくると思います。
そのため、遠くない未来を見据えて、昨年から鉱業株が買われ出したのだと思います。
引用:
https://www.philstar.com/business/2021/01/04/2067921/mining-sector-help-economy-recover
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?