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DITOテレコムの営業スタート決定と今後の株価、戦略について考察
どうもshoheybeatzです。
これまで度々ご紹介してきたフィリピン第3の通信会社と言われて注目されていたDITO(ディト)テレコムですが、
3月8日の営業スタートがついに決定しました!
2月22日月曜日、国家電気通信委員会(NTC)が1月に行われた技術監査にDITOが合格したと発表。
本日は、ネット新聞各社で朝からこのニュースで持ちきりです。
しかし、喜ばしいニュースにもかかわらず、本日23日DITO CMEの株価は17.80で-1.77%下落でクローズしました。
これまで毎日爆上げしていたDITOが、
めちゃくちゃ喜ばしいニュースの後に下落・・。
今DITOに何が起きてるんでしょうか?
前回DITOの記事を出してからまだ日が経ってないんですが、
本当は別の記事を出そうと思ってたんですが、予定を変更して
今回もDITOに関するネット新聞各社の報道と株価チャートの動き、そして最後に今後のDITOについて考察したいと思います。
ネット新聞各社の報道
2月22日月曜日、国家電気通信委員会(NTC)が1月に行われた技術監査について、DITOが合格したと発表しました。
この監査はフィリピンの人口37.03%をカバーし、サービスの最初の年に27メガビット/秒(Mbps)のインターネットスピードを提供することができるかを確認しました。
このビッグニュースについて、昨日からネットで持ちきりでした。
各社の報道を一通り読んでみて、Businessworld、Inquirer.net、Rapplerなどだいたい同じ内容でしたが、中にはより詳しく書かれていたのでご紹介したいと思います。
CNNフィリピン
2021年2月23日午後3時30分35秒公開
ビサヤとミンダナオの一部の地域の住民は、3月8日までにDito Telecommunityの最初の加入者として登録できます。
この2つの記事から、3月8日からの営業開始はフィリピンのミンダナオとビサヤ地方の一部のみサービスが提供され、フィリピン全土への展開はまだ先ということのようです。
GMAニュース
2021年2月23日午後1時29分
「年の半ばまでに全国で利用可能になります」と(DITOテレコムの最高責任者の)タマノ氏は言い、現在20の実店舗も建設中であると付け加えました。
「3月8日までに、ミンダナオとビサヤに約10から20の店舗が準備できるはずです」と彼は言いました。
GMAニュースでも、3月の営業開始が段階的に行われることについて、DITOがもともとミンダナオイスラム電話会社という名前で、ミンダナオでインターネットサービスが行き届いていない地域にサービスを提供するために設立されたということを強調しています。
今年半ばまでには、マニラ首都圏を含むフィリピン全土へ展開する計画のようです。
ABS-CBNニュース
Feb 23 2021 02:55 PM
私たちはK-POPスターよりもタワーとネットワークにお金金をかけたいです。
『「K-POPスターではなくタワーに費やす」3番目の電話会社DITO』というタイトルの記事で、PLDTとGlobeがフィリピンで大人気の韓国の俳優を起用していることを皮肉っています(笑)
DITOの最高技術責任者であるサンディエゴ氏は、DITOは少なくとも27Mbpsの接続を提供するというコミットメントを維持すると述べました。
サンティアゴ氏によると、2月23日時点でDITOは人口の約45パーセントをカバーできるセルタワーを建てていると話しており、今年7月に行われる技術監査にも抜かりはないようです。
タマノ氏によると、DITOは中国のパートナーとも、より安価な携帯電話を導入するために話し合っています。
一点驚いたことは、DITOはチャイナテレコムから安価な5G対応の携帯電話を導入しようとしていて、
確かに、5Gサービスを利用するには5G対応の携帯電話は必要なので、DITOは中国製の安価な携帯電話をフィリピンへ流そうとしているようです。
ここからはDITOの技術監査合格と合わせてネガティブとも取れる内容について書かれていました。
Bilyonaryo
DITOの会長は、2月16日にそれぞれ18ペソで3番目の電話会社の100万株を売却しました。
同日、DITOの独立取締役であるグレッグ・ユーは、17.50ペソから18ペソの価格帯で300万株を売却した。 ユーはまた、2月15日にも100万ペソ相当の株式を売却したようです。
DITOのナンバー1と2が自社の株を売ったといニュースも報じられています。
マニラスタンダードビジネス
2021年2月22日午後6時7分
エンジニアのHueJidong、Jockey Mediola、および他の6人は、PD1096または国家建築基準法の違反の疑いでDITOに対して訴訟を起こしました。
マラボン市政府はまた、必要な許可なしにバランガイティナジェロスにセルサイトを建設したとして、昨年12月に3人目の電話会社に対して市検察庁に苦情を申し立てました。
マニラスタンダードは、DITOが今回の技術監査と3月の営業開始に間に合うようにセルタワーの建設を強行したため、各地で住民から反対にあっていることを報道しています。
DITOは以前からチャイナテレコムとの関係により「中国のスパイ」と疑いをかけられていて、フィリピン軍基地内にセルタワーを建てることを反対されていますが、
今後、営業開始に向けてこう言ったネガティブな報道も増えていくのではないかと思います。
DITOのチャート分析
2月23日DITO CMEの株価はクローズ間際に投資家の利益確定により、17.80で-1.77%下落で終了しました。
長期的に見ると、トレンドライン、MACDでも上向き傾向にあることを示していますが、
現在17.80にサポートラインができていますので、短期的に考えると、このラインを割り込むとその次のサポートである17.64まで下落する可能性があります。
DITOの戦略について考察
DITOはもともとダバオ市に拠点を置くMindanao Islamic Telephone Company(ミンダナオイスラム電話会社)という社名で、創設者のデニス・ウイ氏がミンダナオの財閥ということを考えれば、
3月8日の営業開始がミンダナオと(セブ島がある)ビサヤ地方から始めるというのも納得がいく話です。
しかも、2020年度のS&P社の調査結果によると、フィリピンの半分のエリアが3G以下で、そのほとんどのエリアがミンダナオやビサヤ地方に集中しています。
これはフィリピンの通信業界を複占してきたGlobeとPLDTがこれまでマニラやルソン島を中心に拡大し、他のエリアに力を注いで来なかった結果なんですが、
この古豪2社が力を入れていない地域で、DITOが地の利を活かし地盤を固めていき、いずれはマニラ首都圏の玉座に座っている2社に挑戦を挑むという戦略は悪くないと思います。
その追い風となると思われるのが、今年の9月から始まるモバイルポータビリティ法で、携帯電話番号を変えなくても、通信会社を切り替えることができるようになります。
現時点ではまだ料金などの詳細については発表されていませんが、
今後DITOがGlobeとPLDT2社よりも良いサービスと価格を提供できるとすれば、今の勢力図が塗り替えられる日はそう遠くないのかもしれません。
まとめ
ついにNTCから技術監査の結果が発表され、DITOは3月8日の営業開始が確定となりました!
しかし、初めはミンダナオとビサヤ地方で段階的にスタートするようで、マニラ首都圏やルソン島でのサービスはまだ先になりそうです。
それでもDITOが地の利を活かした戦略でホームで地盤を固め、王者GlobeとPLDTのSmartへ挑戦するは遠くありません。
やはり、今後もDITOから目が離せません。
***2/24 マーケット終了後追記***
本日DITOは懸念していた17.8のサポートを割り、16.0ペソまで下落して、-10.11%でクローズでした。
短期的に見れば、サポートが15.20にあり、それを割り込むと11.26まで下がる可能性があります。
MACDもデッドクロスして、1月末から続いていた上昇トレンドが終わり、ここから下落トレンドに入るという「売り」のサインが出ています。
株価は期待で上がり、現実を知り悲観の中で下がります。
1月から今月にかけて、DITOの技術監査と3月8日の営業スタートが楽観視されてDITOへの期待により株価が高騰していましたが、かなり「買われ過ぎ」の状態でした。
そして、いざ監査は終わったものの、3月からの営業はビサヤとミンダナオのごく一部のエリアだけという現実を知り、投資家は悲観的になり売られているとも取れます。
加えて、本日はフィリピンのマーケット全体も147億ペソの売上高で、58.72ポイント(0.9%)下落して6,755.95になりました。
理由はワクチン到着の遅延とドテルテ大統領が前日月曜日にワクチンの展開を開始するまで、規制を緩和するという国の経済チームの提案を拒否したことについて、経済回復の遅れを懸念しての下落と言われています。
今回は個人的には20ペソまで行くのかなーと思ってただけに、かなり残念ですがこれが株の難しいところです。
もちろん、DITOがこれからどのようなサービスを提供していくのか次第で、まだまだ上がる可能性は充分ありますので、やはり今後も目が離せません。
DITOについて過去の記事もぜひお読みください。
引用: