理想のコイルコード
今の造園現場では鬱蒼と雑草茂る藪に入って草刈りをする機会が多い。その際、刈払機では笹竹など手強そうな硬い植物の茎は腰道具のひとつである剪定鋏であらかじめ伐り払っておくのだけど、ホルダーから出し入れしているうちに気づかず地面に落としてしまうことがままある。刈った雑草の山に紛れこんでしまうと見つけるのは大変だ。そのまま行方不明になったのは二度三度ではない。鋏は必需品だから、新品の買い直しを迫られるが、それなりの出費になり、頭を抱えてしまうのだ。不意の紛失を防ぐため細い登山ロープで腰ベルトと鋏を繋ぎ留めてみたが、ロープを長くすると藪で頻繁に引っ掛かり、そのたびに鋏がホルダーから飛び出てブラブラと宙を浮いてしまう。かといってロープを短めにすると腕を伸ばして鋏を使う可動範囲が狭くなり、勝手が悪い。このストレスが我慢の限界を超えてきたのでコイルコードを導入する改善策を思い至った。ふだんは最小限の長さだが、繋ぎ留めた道具を使うときにはクルクル巻かれたコードが伸びるという便利用品だ。
このコイルコード、100均ショップなどでも安価なものが売られているし、パーツにステンレスを多用した、釣り道具を固定する製品がわりと普及しているようだ。ところが、さまざまにリサーチしても琴線に触れる魅力的なものが見つからない。留め金具の仕様が頼りなかったり、造形が不恰好だったり、コードの色合いが貧相だったり。要するにダサいのだ。うーむと頭悩ませつつ諦めずに捜索を続行すると(物好きには至福の時間)、メルカリで理想の製品についにめぐり会えた。
スウェーデン🇸🇪BAHCO(バーコ)社の『コイルド・ランヤード』である。カラビナのサイズと形状、コードの長さと同社のテーマカラーである視認性優れたオレンジの色味。最大2メートルまで伸びるコードの機能も申し分無いし。やっぱり美しい道具はヨーロッパ製品に限る。しかも売値は定価の1/5ほどの630円と激安。強く願えば叶うもんですね。メルカリ様様である。メルカリの出品価格は決してお得ではないケースも最近は顕著になっているみたいだが、この買い物は紛れもなくラッキー。こんな嬉しい出会いがあるからメルカリ詣は欠かせない。連休明けの仕事が楽しみで仕方ないですぞ。
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