kuno_yasuhiro

美味しいもの、美しいものをめぐる スナップ散歩に夢中。

kuno_yasuhiro

美味しいもの、美しいものをめぐる スナップ散歩に夢中。

マガジン

  • 物食日記

    美味しいもの、美しいものが好き。 散歩とスナップに夢中。

最近の記事

  • 固定された記事

ハーマンミラーのアーカイブ

2019年10月31日、東京丸の内のハーマンミラーストア2階にて、ハーマンミラーの膨大なデザインのアーカイブ(重要な記録の保管・保存、伝達)を管理するアーキビスト、エイミー・アーシャマンさんのトークイベントが催されました。2,000枚以上もの写真、グラフィック、資料を614ページにわたって紹介する書籍『A Way of Living』の著者のひとりでもある彼女が、どのようなものをアーカイブし、どう活用しているのか話してくれました。 ハロウィンモードの衣装を着る、お茶目なエイ

    • chahatのカーテン

      25年以上前、葉山に移住したとき、借家で使う器やインテリアを地域周辺で買い足した。当時は東逗子の水道道にアトリエを兼ねたショップを構えていた「chahat」は魅力的な日用品が揃っていて大竹社長をはじめ個性的なスタッフの虜にもなってとりわけお世話になった一軒だ。その頃は心地よく風合いの良いヘンプ素材の服や雑貨が多く、夢中になって身の回りに取りこんでいた。いまだに愛用しているものもあるが、現在は「ital life」を主宰する服飾デザイナー竹下さんに仕立ててもらったヘンプ55%+

      • 縄文のヴィーナスを張子に

        にわかに縄文土偶への関心が急上昇中の自分。とはいっても埴輪や土器の造形、佇まいにはまったく惹かれず、心奪われているのは土偶の数個体のみ。 人類文化学者・竹倉史人さんの著書『土偶を読む』を読んで、土偶は日々の食糧を産み出す多産で強靭な植物を写実的なモチーフにしたものという推察に強い共感を覚え、トチノミをボディデザインに取り入れたという『縄文のヴィーナス』は一目惚れしちゃいました。 職場にはトチノキが植っていて、9月下旬以降はその周辺にトチノミが無数に転がっていて、じっくり眺

        • 居間に小さな灯りを

          家で最も過ごし、リラックス空間が居間。夜は天井からのライトを廃して、床近くから間接照明で場に劇的な光の陰翳を創出し、闇の多さにくつろぎ、深く深く心鎮めています。土間に設けていたベンチコーナーが最近は活躍の機会がめっきり減ったため、その一角を照らしていた仄かな明かりを居間に移し、居間におぼろげな点光を加え、いっそうとアンビエント&チルアウト度を高めるよう目論んでみました。 埼玉県北本市のギャラリー&カフェ「yaichi」で入手した20世紀フランス製の『白磁昇降バランサー 滑車

        • 固定された記事

        ハーマンミラーのアーカイブ

        マガジン

        • 物食日記
          597本

        記事

          岩偶の張子

          日本民藝館で開催中の特別展示『生誕130年 芹沢銈介の世界』に飾られている、芹沢が惚れ選び、柳宗悦に寄贈した縄文時代の岩偶に眼と心が奪われました。今までは土偶や石、岩偶の奇抜さに関心を抱くことはなかったのですが、これは別。美を直観的に見極める人の眼に留まったものというフィルターも作用しているのかもしれませんが、ぜんたいのフォルムも線刻の塩梅、風情もなんだか特別に佳いと感じます。 会場での撮影は不可でしたので、売店でポストカードを購入し、実物の残像と写真を参考に張子DIYでカ

          張子の髑髏

          次から次へと写したくなるものに出会ってしまうから張子DIYが楽しくやめられません。先日は世田谷羽根木の「out of museum」の『虫る?展』を訪ねた際、店主・小林マコトさんのコレクションにあれこれ魅せられて創作意欲が増し増しに。セミの容れ物写しに続いて、マコトさんに許可を得ると「なんの問題もありません。どんどん作ってくださいね🔥🔥🔥」と励まされ、着手したのはレジの背後に飾られていたドクロの張子。 緩やかな表情がたまりません。アゴがシュッとして凛々しい顔の独特ラインが特

          虫る?展の余韻

          日本随一のセンス佳き古物コレクターだとぼくが勝手に崇敬している小林 眞(マコト)さん。造形や佇まいに圧巻の存在感があるものばかりの蒐集品の一部を飾ったり、気まぐれで販売したりもする世田谷区羽根木のギャラリー「Out of museum」を営んでいる。昆虫好きのDNAを見事に継承した長男、小林真大さんとの蛾を中心にした企画『虫る?』展を催しているので、ぜひ遊びに来てくださいとお誘い受けた。マコトさんからのお声掛けを光栄に感じ、一年ぶりに店へ向かった。 扉を開けるなり視界奪われ

          虫る?展の余韻

          鎌田さんの招き猫を写す

          全国に招き猫の張子はさまざまにあれど、ぼくが最も惹かれるのは千葉県の郷土玩具「佐原張子」のつくり手、鎌田芳朗さんによるポップで緩やか、愛らしい招き猫です。 ひとつひとつのかたちと表情が異なる、自由奔放な作風。純朴な心を解き放って、おもむくままに制作するスタイルに心奪われ、ぜひとも手に入れたいと鎌田さんの工房「三浦屋」に電話とFAXでお願いしたのはたしか2018年ごろ。 年末年始の縁起物である干支の張子制作に追われて多忙そうでしたので、時間はかなりかかるだろうと覚悟してまし

          鎌田さんの招き猫を写す

          二度目の張子

          先日、張子のお面を初めて自作しました。イラストレーター佐々木一澄さんが描く鳥取張子のお面「ぬけ」を写したもの。制作の模様はnoteで綴りましたが、和紙をケチったのと、乾燥が充分でなく、ぺちゃんこな平面の失敗作になってしまいました。 で、悔しくて、情けなくて、すぐにリベンジ。二度目のトライでは広島県福山市「常石張子」の古い虎🐯のお面を写しつくることに。じつはコレ、Swimsuit Departmentの郷古さんがおそらく骨董市で掘り出したもの。工房先代の宮本夆一さんが1977

          二度目の張子

          白金?の水彩画

          鉱物を顔料にして水彩画を創作している榊 仁胡(ニコ)さんから嬉しい知らせをいただきました。鉱物が水に溶け、なりたいかたちに表出する。彼女の作品に魅せられ、リスペクトしているぼくは仕事場近くの野比海岸で出会った白金(プラチナ)らしき塊(ナゲット)を砕いて使って欲しいと願い、差し上げたのですが、絵が描けたので渡したいというのです。スマホにメッセージが着信したとき、ぼくは横須賀汐入の寺で掃除作業中だったのですが、重度の熱中症にかかり息絶え絶えでした。呼吸困難になり気絶さえもしたりの

          白金?の水彩画

          TATAMIのソール交換

          ビルケンシュトックの上級ブランド「TATAMI(タタミ)」。2016年に静岡市葵区紺屋町のナチュラルシューストアを訪ね、当時はTATAMIを扱う代理店でしたが、倉庫に一足のみ在庫していた『ユーコン』を分けてもらいました。ビルケンシュトック現行品の『ロンドン』と同型ですが、幅広でより歩きやすい仕様になっているこのサンダルが廃盤になるとわかって、わざわざ足を伸ばしたのです。 念願かなったわけですが、実際に履いてみると甲高な自分の足のせいか、ベルトを留める独自のスナップボタンがす

          TATAMIのソール交換

          はじめての張子

          居間の北壁に虎ならびに虎の黄色、柄、文様を連想するものを選んで飾った「虎コーナー」。なんとなく上手くまとめられた気がしたけれど、なんか物足りない。存在感際立つ主役が不在な感じ。郷土玩具の素朴な仮面なんかを据えたら最高なんて思ってまずはメキシコのゲレーロ州テマラカツィンゴでつくられたという虎の木製ミニチュア仮面(ゲレーロ州は木彫りのユニークな仮面をかぶっての伝統祭が多いそう)を吉祥寺の「LABRAVA」にて購入。 ゆるゆるな造形と絵付けが素晴らしく、嬉々としてコーナーに加えた

          はじめての張子

          家でソロ・ハンモック

          今年の早春ごろから超軽量なハンモック、eno社の『Sub6 Ultralight』を携えて近所の低山を散歩するようになりました。その様子はnote『物食日記』でもレポートしてきました。山中あるいは周辺で気持ち良くハンモックに揺られてリラックスできる場所はないか探しまくったのです。ハイカーの視線に晒されることなく、ひとりまったりと読書したり、木漏れ日仰ぎ観ながらうたた寝できるプライベート空間。結論としてそんな理想的な場は近所では見出せませんでした。ハンモックを張るための二本の木

          家でソロ・ハンモック

          澤乃井で昼呑み

          一年ぶりに奥多摩へ。昨夏と同様、多摩川沿いにある酒蔵「澤乃井」のレストスペース(売店を併設し、水辺で飲食可能な「澤乃井園」)で昼呑みを楽しみました。近所の酒屋では正月になると澤乃井の樽酒を販売するのですが、ぼくら夫婦は淡麗辛口な美味しさの大ファン。その美酒を猛暑のさなか、清涼感満々の場所であれこれ味わう。しかも昼前から、なんて夢のような憩いです。 昼酒三昧するんですから当然アクセスは電車。群馬の旅に続いて今週は二度目の「呑み鉄」です。葉山の自宅から最寄り、JR逗子駅から横須

          澤乃井で昼呑み

          上州富岡で倉庫偏愛

          年に一度、お盆のさなかに電車で遠出する小さな旅を2、3年ぶりに楽しんできました。 今夏は妻の希望で群馬県富岡市の世界遺産、富岡製糸場へ。高崎駅から上信電鉄で最寄りの上州富岡駅まで片道約5時間のデイトリップ。時間はそこそこかかるのですが、高崎駅まではグリーン車で楽々アクセス。復路は酒を呑んで寝ながら帰れる快適さを味わってしまうと、とても車で出かけようなんて気にならないし、大船駅から乗り換えなしで往復可能なまっすぐスムーズな道程感が心地良すぎて、ついつい高崎駅ベースの旅を選択し

          上州富岡で倉庫偏愛

          お盆のital life

          シンプルで着心地良くて格好いい。独創的なデザインからパターン作り、縫製まで手がける竹P(ピー)こと竹下さんのハンドメイド・オリジナルウェア「ital life(アイタルライフ)」の新作がお披露目になるというので、東逗子のアトリエを開放しての展示会を初日に観てきました。 眩い夏の光と濃緑の色彩が差しこむフラットハウスのアトリエ&自宅。訪ねるなり、いつものようにコーヒーをドリップして振る舞ってくれる竹Pさん。ソファでくつろぎながら近況話を交わしていると、ぼくにとってはかけがえの

          お盆のital life