白い長靴が必需品
造園仕事の職場が久里浜に変わって、服装をはじめ装備、携行すべきものがガラッと変わった。その変化にときめきつつ、先輩たちに倣って身にまとうものを楽しく検討した。
いちばん重要なのは足まわり。法面や木に登っての仕事が主の鎌倉では足袋が必須だったが、久里浜では花畑に入っての水やりが毎日のルーティンで、水びたし、泥まみれになる場面が多く、農家みたいに長靴がマストアイテムに。山際のぬかるみに入る機会も日常で、マムシ対策にもなるとか。じつは新たな職場は広大な元海軍用地。三浦半島の軍用地あるあるのひとつで、敷地への侵入を防ぐためにマムシをたくさん放ったという噂話が伝わり、現にいたるところで見かけると先輩。うひゃーっとビビりつつ勤務初日に、先輩が勧める久里浜の作業用品セレクトショップ「太陽ワーキング」で購入。上質な品揃えが特徴で、ホームセンターやワークマンには無い佳いものを厳選している印象。長靴も信頼の弘進ゴム『ゾナG3』を扱う。もちろんMADE IN JAPAN。先輩全員が白色を履くのは暑さに講じてとのこと。職場は日陰がほぼ無く、夏場は強烈な太陽に一日中晒される。熱を吸収しにくい白を選ぶのが必然なのだという。なるほどー! ぼくは用に応じた最適な物選びに悦びすら感じる物好き男だから嬉々として先輩の説得力ある助言を受け入れた(笑)。
白い長靴はかなりルーズなフィッティングで、足入れ部がゆるゆる。履き脱ぎが容易な仕様を皆選んでいる理由は休憩時間に判明した。一日三度の長めな休憩時、先輩たちは長靴をさっと脱いでサンダルに履き変える。職場は湿度も凄まじいので長靴の内側は猛烈に蒸れてしまう。汗びっしょりになった足先を少しでも乾かそうとするには着脱がスムーズである必要があるのだった。なるほど!
長靴仕事にはサンダルが欠かせないというパターンに倣って、ぼくも史上最強のサンダルと崇めるパール印・丸中工業所の『ギョサン』を携えるようにした。過酷な環境でも光明を見いだそうとする切なる願いと策を練る先輩たちの姿勢が素晴らしい。職場を変えて良かった(笑)。
ゆるい長靴での水仕事には足カバーが欠かせないようなので久里浜のワークマンにて入手。なるほど場面により必需品になるけど、足先の蒸れはさらに厳しさを増してしまう。とくに夏季に関しては使い途を自分なりに工夫しなくては、と備忘録。しかし、久里浜から葉山に帰るルートは作業用品店街道と称せるほど専門店が充実。道具好き男には危険な通勤路だ(笑)。